映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

前作『デッドプール』を【ガッツリ復習マンガ】でおさらい!

2018-05-31 | 映画感想



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『デッドプール』の続編『デッドプール2』が6月1日(金)、ついに公開されます! デッドプールの盟友である人気キャラクター・ケーブルも登場し、アメリカではすでに大ヒット&大絶賛されています。日本では忽那汐里が出演していることでも話題ですね。


そんな『デッドプール2』を夜も眠れないほど楽しみにしている方々もいるでしょう! でも、前作の内容覚えてますか?
逆に、「正直、前作観てないんだけど、いまさら言えない……」という方もいるのでは?


でも安心してください! このガッツリ復習マンガを読めば、前作『デッドプール』の要点をしっかりつかめますよ!


では、いろんな意味でちょっと過激なオトナ向けのヒーロー映画『デッドプール』をマンガでガッツリおさらいしておきましょう!









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現存する世界最古のフィルム『ラウンドヘイの庭の場面』の謎

2018-05-18 | ネタバレあり
現存する世界最古のフィルム『ラウンドヘイの庭の場面』の謎



2016年3月から描き始めた四コマ映画。今回で100本目です!
100本目は、現存する世界最古(1888年)のフィルム #ラウンドヘイの庭の場面 。
ここに映された家族の悲しい実話を追いました。







『ラウンドヘイの庭の場面(Roundhay Garden Scene (1888))』のYOUTUBE映像→https://www.youtube.com/watch?v=nR2r__ZgO5g


現存する世界最古(130年前)のフィルムですね。撮影実験か、カメラの販売プロモーション用らしいです。



※有料公開した世界最古の映画は『ラ・シオタ駅への列車の到着』。


ルイ・ル・プランスによる約2秒の動画。ラウンドヘイとはイギリスのほど中央。
相当金持ちの家の庭で、4人のレディース&ジェントルメンがダンス(というより移動)している様子が映っている。








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現存する最古のフィルムに景色などではなく「人間」が写っていることは興味深い。
(世界最古の写真(1826年)は窓から見える街並みの景色。)


しかも、たとえばフェルメールの「牛乳を注ぐ女」のような日常的な動作を写すのではなく、この撮影直前にとっさに振り付けしたような動きを撮ったのも何故か。
この撮影者は芸術家でも研究家でもない。
動画は単なる記録技術にすぎなくて、芸術になるうるものだなんてそのときには思いもしなかったのではないか。
実際、ルイ・ル・プランスは発明家であり、カメラの特許を出願したりカメラの販売旅行をするなど、なかなかのやり手。
(妻のエリザベスは芸術家だったが)


映像に映っている右から2番目のサラおばあちゃんはこの10日後に亡くなったわけだから、きっと家族はサラおばあちゃんのこの元気な後方移動を何度も見直したはず。
てことは、動画が単なる科学技術ではなく、人の感情に寄り添うものだということを世界の誰より早く気づいた人たちでもあるかも。
ちなみにルイ・ル・プランス自身もこの2年後、列車の中で謎の失踪を遂げている。
(2003年、パリ警察の記録の中からル・プランスによく似た1890年の溺死体の写真が見つかっている。怖い。)


ちなみに1888年のイギリスといえば「切り裂きジャック」事件が起きた年。。





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この動画には老夫婦と若い男女が意図的に対比して描かれている。


女性は比較的おとなしい動作だが、男性はだいぶ快活に動いている。1888年の男女差が現れているのかもしれない。





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●一番右のジョセフおじいちゃんは、白ヒゲを蓄えてロングコートの裾を大きく揺らしながらサラおばあちゃんの周囲を45度ほど周遊。
ジョセフおじいちゃんが一番楽しそうに動いているので、ジョセフおじいちゃんはこの撮影にノリノリだった模様。


●右から2番目女性はサラおばあちゃん。彼女は「回転しながら後方に歩」いているらしいけど、どうみてもヨロヨロしながらただ後ろに下がっているだけ。
そしてこの撮影の10日後サラおばあちゃんは逝去なさいます。すでに具合悪かったのかも。


●一番左のアドルフは「2秒でそんなに移動できるのか!」と驚かせるほどに長い脚でスタスタと右から左へ移動する。
アドルフはこの映画の監督であるルイ・ル・プランスの息子である。





●そして謎の女、ハリエット・ハートレイ。
この女性についての記載はない。ハリエットについて調べてみたので、下の方を読んでいただきたい。
もしかしたら、ハリエットとアドルフは付き合っていたか、もしくは周りの大人たちによって結婚を勧められていた2人かもしれない。
しかしハリエットとアドルフの動きにまったく親密さは読めない。
アドルフはちょっと照れているようにも見えるが、ハリエットの回転からは「冗談じゃない!何なの!」感が満載。





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謎の女 ハリエット・ハートレイ





左から2番目の女性(回転して背を向ける女性)はハリエット・ハートレイというらしい。彼女について調べていたらこのサイトにぶつかった。
http://www.imdb.com/name/nm1799952/bio?ref_=nm_ov_bio_sm


トリビアのとこで、彼女の名前は「アニー・ハートレイであり、ルイとルイの妻それぞれの自伝に彼女のことをアニーと書いてある。誰かが間違って〝ハリエット・ハートレイ〟と記載してしまったのだ」と書いてある。


2017年の記事(https://videonett.no/roundhay-garden-scene/)ではこれを採用して書かれている。
これを信じると、アニーはルイとエリザベスの共通の友人である言える。「撮影するから来てよ」と頼まれたのだろう。





しかしこれ(http://www.imdb.com/name/nm1799952/bio?ref_=nm_ov_bio_sm)によるとアニーは撮影時15歳だったことになる。若すぎないか。
と思って見直してみると、当時の15歳は大人びてたかもしれないし、15歳でも十分大人としてこれくらいの衣装は普段から着てたかもしれないし、撮影用に着たかもしれない。





アニー・ハートレイでいくら検索しても彼女の情報は出てこない。アニーのことについて追うことはできなかった。残念。


これからも永遠にハリエット・ハートレイ、いや、アニー・ハートレイは未来人である我々に背を向け続けるのである。





四コマ映画『ラウンドヘイの庭の場面』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2027 








グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

2018-05-14 | ネタバレあり
グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

見た目の奇抜さで集められたメンバーたちがいきなり歌って踊れるのもどうかと思うけど、まぁそこはいいや。きっとすでに自主練してたんでしょうよ。

で、最初、下世話な客に「わぁ珍しい見た目の人たちが歌って踊ってる!すご〜い!」と喝采を浴びるのもまぁいいや。

そのあと、
さすがに見た目の奇抜さだけではダメで人気がなくなってきたので、「私たちもエンターテイナーとして技術を磨かなきゃいけないのよ!」っつって努力したりアイデア出したりチームワークを発揮したりして、マイノリティという負の武器さえも超えたエンターテイメントをできるようになって、人気が再燃した!

社会の無理解によって隅に追いやられてしまうんだけど、そこからステージの中央に立ちたいなら今までの自分を脱ぎ捨てなきゃいけなかったのね!という、彼女らの成長物語も描いて欲しかった。

で、それが興行主であるヒュー・ジャックマンにも意識の変化を与える…

ってことにして欲しかった。
そしたら「なんなのこの話…」って思わずに済んだ!

そんなの知らんってなんだ!


四コマ映画グレイテストショーマン→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2023



レザーフェイスって意外とかわいい?ホラーの傑作『悪魔のいけにえ』

2018-05-12 | ネタバレあり
悪魔のいけにえ 公開40周年記念版(字幕版)


フィルマガ連載、今回は『悪魔のいけにえ』です。。
僕はホラー映画苦手で。。怖くなかったらつまんないし、怖かったら嫌だし。。

今回の記事も自分で決めたことですが、、『悪魔のいけにえ』見なきゃいけなくなった日から悪夢を見るようになりました。。
マンガ描いてる時もうっすら怖いし、、描き終わった後も数日間はなかなか寝付けず深酒してしまいました(これはいつものこと)。

ガッツリネタバレ漫画となっていますが、この漫画自体がこの映画の感想とオススメポイントの紹介にもなっております。
渾身ですので、ぜひお読みください!

<マンガでおさらい>レザーフェイスって意外とかわいい?ホラーの傑作『悪魔のいけにえ』
   ↓
https://filmaga.filmarks.com/articles/1956





いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち(2017年製作の映画)

2018-05-08 | ネタバレあり
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち(2017年製作の映画)


才能&能力無駄遣い!最高の頭脳が最低の状況に!


ギリシャから始まった欧州危機でイタリアも不況になった。
有能の学者たちも失業したり、賃金が下がったりして、外国に職を求めて国外へ。
優秀な頭脳が国外流出してしまうのは大きな問題だが、引き止めておく財源がない。。




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第二次大戦に後に作られたイタリア映画には傑作コメディ映画が多い。
辛い状況にあってもそれを笑いに変えようという意識がイタリアにはあるそう。
今回もまさにそう。
辛い状況だからこそ笑える最高のコメディ。




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四コマ映画『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2020


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失業した学者たちが、生活のために「合法ドラッグ」の製造と販売をして
逮捕されてしまった、というところから物語はスタート。


警察からドラッグ捜査のために力を貸して欲しい、と頼まれて学者10人が再集結してそれぞれの知力を活かして「大きな陰謀」を暴いて行くという痛快な話。




学者それぞれが活躍したりしなかったりするのが面白い。自分の特技を活かして活躍したいんだけど、ほとんど必要な知識の方が多いわけで、、その辺の扱いの軽さもうまい。




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監督自身が「自分が好きな映画のコラージュのような映画を撮りたかった」と言っていたように、確かに観たことあるぞ!と思うシーンが多い。


多くは『ダークナイト』ですね。トンネルの研究室は、ブルースウェインのだだっ広くてちょっと天井低い部屋に似たデザイン。


電車の上でのアクションは『007』かな。でも貨物列車だからスピードはだいぶ遅い。。


あと画面の色彩設計は『ゾディアック』かと。必ず画面のどこかに黄色が入っているのは『ゾディアック』と同じ。
全体的には彩度は暗いんだけど、黄色などの明るい色をわざと配置することで画面が印象的になる。
特に黄色は〝注意〟の色なのでずっとハラハラさせられる。




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社会問題を扱っていていろんな社会風刺が入っているけど、とにかく痛快なので難しいことはないです。


また、学者が10人もいたりすると名前やキャラを覚えるの大変だったりするけど、セリフが上手なので物語を進めがらもそれぞれキャラクターを表現できてるから自然と頭に入ってくる。


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こんなに劇場に笑いが起こるのも珍しいってくらいにウケてましたよ。どんどん声出して笑いたい雰囲気にしてくれる。


3部作ですので他のも早く観たくてしょうがない。早くコイツらにまた会いたい!


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四コマ映画『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2020








意外と知らないカンヌ国際映画祭【イラスト解説つき】

2018-05-08 | 映画感想





世界三大映画祭の1つであるカンヌ国際映画祭が、今年も5月8日から19日まで2週間に渡って開催されます。第71回を数える今年は約180本の映画が上映され、そのうち18本が最高賞パルム・ドールを競うコンペティションにノミネートされています。日本からも是枝裕和監督と濱口竜介監督の作品が出品されているので要注目です!


では、知っているようで知らない。そして、知っておいたほうが断然楽しめるカンヌ国際映画祭を徹底紹介いたします!


1. ざっくりとカンヌ映画祭とは…
2. 主な賞や部門、審査員について​
3. 日本との関わりは?
4. 第71回(2018年)の注目作は?
5. 今すぐ観られる受賞作&候補作!
6. え!? 誰でもエントリーできるの?
































ネタバレ: ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

2018-05-07 | ネタバレあり
ネタバレ
ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)
5.0
面白い。
好きだわぁ!観てる最中でもう「2が観たい!」「少なくとも3まだやってほしい!」と思った。
全然そんな話じゃないけど。。

前作『フレンチアルプスで起きたこと(https://filmaga.filmarks.com/articles/1385)』は僕のオールタイムベストの3位ですが、それがより深く鮮烈になって帰ってきた!

2時間半は正直長いなぁと思ったけど、それはいい意味で。
まだ終わるなよもっとやってくれ!と思ってたらほんとにもっとやりつづけてくれた!
これを機にリューベン・オストルンド監督の未公開作を日本でソフト化してくんないかな。。





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EDMっぽい音楽。ドアをノックする音。「起きてます?」

夜中までクラブで遊んでそのまま自宅ソファで寝ていた男クリスティアン。
二日酔いのままインタビューを受ける。
「美術館の運営で大事なことは?」
「金です。厳しい競争に勝つために新進アーティストをお客さんに紹介していかないと」とクリスティアン。

***

宣伝会議。赤ちゃんがいる。
みんな泣き声がうるさいと思っているが、文句を言えない。

「アイスバケツみたいな感じで拡散してもらえれば宣伝になるわ」
「アイスバケツって何の目的で始まったんだっけ?」
「何の目的もなかった」

筋萎縮性側索硬化症の寄付のためだったが目的を失って拡散されていた。

***

クリスティアン、トイレでスピーチの練習。
最初は原稿を読むが途中で原稿を捨ててマイクも外して語り出す。

本番にも同じことをする。練習通りに説得力を増すスピーチをして承認を得る。

***

クリスティアン、路上で男女グループに絡まれて財布とスマホを盗まれす。
一緒にいた知らない男性も巻き込まれた。
「怖かったなぁ」とクリスティアン。
「いや、怖くない」とその見知らぬ男性。

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スマホの追跡機能で調べてみると安アパートが表示された。
そのアパートのすべての部屋に
「返さないと警察に突き出すぞ!」という脅迫文を郵便受けに入れたらどうかと
部下がアイデアを出す。

ノリノリで脅迫文を作りプリントアウトしてアパートへ。

部下は「自分は投函まではしたくない」と言い出す。
クリスティアン「僕は有名人だから見つかったらやばい」と抵抗するが結局は自分ですべての部屋に脅迫文を入れる。

クリスティアンの車はテスラ。高級電気自動車。正しくてステイタスもある車。

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アパートの廊下の蛍光灯は感応式。
人の動きに合わせて点滅する。
省エネ的に正しいシステムだがチカチカしてうっとおしい。

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講演会。
客席には病気で暴言を叫んじゃうおじさん。
放送禁止用語もガンガン叫ぶけど、病気だろうからと誰もその人を追い出せない。

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脅迫状のおかげでスマホと財布がそのまま戻ってきた。犯人がだれかはわからない。

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クリスティアンがクラブで踊り狂うシーン。
これは『フレンチアルプスで起きたこと』にもあったシーン。

階段やベランダなど階層の違うところにいる人の会話など前作にあったシーンが今作にも散見される。

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クリスティアン、クラブで知り合ったアンという女性の家に行く。
セックスする直前に、アンが飼っているチンパンジーがクリスティアンの前を横切る。
アンは気にすることなく「さあ始めましょ」。

コンドームの中で射精すると、「私が捨ててあげる」とアン。
「いや自分でゴミ箱に捨てるよ」とクリスティアン。
ハンサムで有能な僕の子供を妊娠することを企んでいるのかも、とクリスティアン。
結局アンがコンドームを奪って嬉しそうに洗面所に向かう。

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美術館で展示中の現代美術の一つを掃除中にちょっと壊してしまった。
部下は保険会社に報告しないと言うが、クリスティアンは「完成状態の写真を見て修復しよう」と言う。
美術館としてはあり得ない行為。

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安アパートに住むある少年。
脅迫状を入れられたせいで両親から窃盗を疑われたとして、クリスティアンに激怒。

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数日後、アンがクリスティアンの職場を訪れる。
「あなたは私の名前覚えてる?」とアン。
クリスティアンは思い出せない。
「あなたは至るとことで女性と寝る男。あなたは権力で女性をひれ伏したい男なのよ」と罵る。

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美術館が、
猫を抱いた白人の難民の少女が爆破されるという宣伝動画をアップしてしまいすぐさま炎上。
クリスティアンは会議でちゃんと話を聞かずにOKを出していた。

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あるパーティー。
サプライズとしてモーションキャプチャー俳優が上半身裸でチンパンジーのモノマネをする。
高級な服をした上品そうな客たちにちょっかいを出して行く。
初めは笑ってそれをみていたが、どんどんエスカレートしていって男性を殴ったり女性の髪を引っ張ったりする。
筋骨隆々で強そうなので誰も動けない。見て見ぬ振り。
流石に1人が椅子で殴りつけるとやっと男たちが俳優を押さえつけてポカポカ殴る。

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クリスティアン、少年に謝ろうと電話をするが「現在使われておりません」

アパートに行ってみたが少年の家族は引っ越してしまっていた。

少年への謝罪動画を撮る。語り出すクリスティアン。
「僕は利己的だった。君のアパートに住む人たちを恐れていた。自分たちとは違う層の人たちだと思っていた。こちらの世界を憎んでいると思っていた。
偏見は僕だけじゃない。誰もが持っている。富の再分配について考えなきゃいけない。」
結局謝罪ではなく、第三者として語っただけのクリスティアン。
動画はアップしない。

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宣伝動画の謝罪会見。
クリスティアンは責任を取って解任。

記者「表現の自由の一線を超えた?」
記者「これが表現の自由の限界点だということを証明するのですか?」

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美術館で展示される「ザ・スクエア」

入り口に「あなたは人を信じますか?信じませんか?」という選択の矢印が書いてある。
信じるの方へ進むとその部屋の地面に正方形の白線。
その中には「ここに財布を置いてください。」
人を信じるといってたいた人が財布を置かない。

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クリスティアンの娘のチアリーディングの大会。

連帯。信じる心。
今までこの映画で描かれてきたことの逆の世界。

はじまりのみち(2013年製作の映画)

2018-05-06 | 映画感想
はじまりのみち(2013年製作の映画)
4.5
この映画大好き!こんなにもいい映画だったなんて。
劇場で見ればよかった。


原恵一は『オトナ帝国』と『百日紅』を観たけど、とくに百日紅の方はピンと来なくて。。
実写の原恵一の方が好きかもしれない。

原恵一は人間が好きだし人間に希望を持ってるってことが役者の演技から伝わってくる。


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木下惠介作品のコラージュの中で「戦争行く船じゃなくてよかった」という大原麗子だけがイキになっていたが、このセリフが選ばれたのにもやはり意味がある。


木下恵介の『陸軍』がそこそこの長尺で挿入されるので驚かされるけど、『陸軍』は1944年だから戦中でしかも戦局いよいよやばい時期に撮られた作品。

ここに写っている人々はまさに戦争の中を生きている俳優さん。

現代では戦争映画を撮ろうとする時代劇になっちゃうけど、当時の戦争映画は現代劇。
その威力をモノクロの映像からビシビシ感じた。


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田中裕子の神さま感。
濱田岳も最高。
松岡茉優もこのころから素晴らしかったんですね。
ユースケサンタマリアもすごくいい。
加瀬亮の自然な存在感もこの映画に一瞬不思議な風格を与えてる。

すごいじゃん、この映画。
大好きだ!

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画) 3.5

2018-05-05 | 映画感想
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)
3.5
「家族がいる幸せをあなたにも分けてあげたい」というデリカシーのないセリフにうんざりしつつも、
後半グッとくるシーンは多いし、
ラストの〝こばやしさちこ〟の歌には泣けちゃう。

クレしん初めて観たけど他のも観てみよ、

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2016年製作の映画) 5.0

2018-05-03 | ネタバレあり
タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2016年製作の映画)
5.0
すっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっごいものを観てしまった。。。

少なくとも韓国映画の中では歴代ナンバーワンじゃない?


ってのは韓国映画の得意の、コメディからシリアスからカーアクションから大殺戮からのてんこ盛り映画系譜がありますが、今回の映画はこのてんこ盛りには意味がある。

これらがてんこ盛りされてるのはこれらが普通の人にとっての日常だから。

この映画の視点はタクシー運転手。
普通の人代表。つまり観客。

普通の生活の描写から映画が始まるから観客は自分を主人公としてこの映画の世界に入り込む。
そして、気づかないくらいじわりじわりと地獄方面へ地理的に移動していく。

そうすると大殺戮とカーアクションの世界。
これらは地続きの世界。
撃たれれば痛いか、死ぬ。
車が横転すれば痛いか、死ぬ。

カーアクションでもひとりひとりの痛みを感じられた。
韓国映画のひとつの到達点でしょう。


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これを観ながら2011年3月11日のことを思い出しました。

完全に同時刻にちょっと離れたところではとんっっっでもないことが起きている、ということは東京にいた僕も体感しました。

とんでもないことが近くで起こっていても、直接影響受けないところではご飯食べて会話して笑って普通の生活をしてた。


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この映画でも何度か地理的な移動をするけど、その都度人の暮らしが全然違う。

さっきまで戦火の中だったのに、時間経過じゃなくて移動しただけで平穏な生活が映し出される。

画面の隅々まで徹底的にリアルだから4D映画のように体感してしまう。


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80年代の日本もチラッと映るけどそれもとても細密で説得力のある美術でした。


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政府が隠したいような近代の負の歴史を、こんなオールスターと制作費で作って大ヒットさせられる韓国映画の力量ハンパない。


ギレルモデルトロが『シェイプオブウォーター』作り、スピルバーグが『ペンタゴンペーパー』作り、韓国が『タクシー運転手』作った。

さて、日本は何作ろう。


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いやいやいやいや、物凄いものを見た。。。


ネタバレと贅沢で失礼な希望はコメント欄に。

キーファー・サザーランド主演海外ドラマ『サバイバー』を解説

2018-05-02 | 映画感想
海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』以降、「テレビドラマには出演しない」と公言していたキーファー・サザーランドが脚本の面白さに惹かれて、前言撤回し出演を決めたのが『サバイバー』です。

『サバイバー』についてイラスト入りで解説します!

https://filmaga.filmarks.com/articles/1939