Citizen Kane 上映日:1966年06月14日製作国:アメリカ上映時間:119分
目次
- ドラキュラかフランケンシュタインのようなおどろおどろしい導入。
- まぁつまんないんですよ。。
- 2人目の妻と結婚したくらいから面白くなりますね。
- 実在の新聞王ウィリアム・ ランドルフ・ハースト
- 嘘と隠蔽の連続の政治。
ドラキュラかフランケンシュタインのようなおどろおどろしい導入。
結構映像主義の映画なのね。
「バラの蕾」とつぶやいて死ぬ男。
ガリガリ博士チックな背景。
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ピラミッド以来の豪華建築(10の美術館に匹敵する美術品と動物園もある)、ザナドゥ。
そこの主、ケーン氏が死亡。
ここから話がスタート。
ケーンの業績(良くも悪くも)は誰もが知っているが
彼の人間性を誰も知らない。
新聞記者が彼に関わった人物5人に取材をしていって彼の人生を紐解いていくが…
謎の言葉「薔薇の蕾」を知っている人間は現れるのか。
という話。
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まぁつまんないんですよ。。
とくに導入、びっくりするほどつまらなくてマジかと思ったんですが
この導入はわざとつまらなく作ってたんですね。
つまんないから面白いの作ろう!ってことで取材が始まる話なので。
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2人目の妻と結婚したくらいから面白くなりますね。
撮影技法も凝ってるので
そういえば古い映画を観てる感じがしない。
白黒だし映像も粗いんだけど
このまま現代の俳優で撮っても成立しそうなくらい。
結局〝映画〟ってのは『市民ケーン』をずっとやってるのでは?と思うほどに
いまとなっては見慣れた映像の連続。
しかも
「こんな最先端なことしてみましたぁ♪」感があまりない。
それぞれがちゃんと物語に沿った映像技法。
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実在の新聞王ウィリアム・ ランドルフ・ハースト
をモデルにしていて
彼が存命中に映画化したから
彼が激怒して上映妨害したり映画賞の邪魔をしたりしたんですが、
途中まで観た段階では
「そんなに怒るような内容だろうか?」
「主人公の苦しみも描けてるのに」
と思っていましたが、
ラストあたりから加速。
主人公ケーンがあまりにも憐れで崩壊していく姿が描かれて
しかも大豪邸にいつくもの美術品を置き
列車が発車時刻を過ぎてもケーンが来るのを待つほどに強大な力を持っていても
結局は唯一幸せだった幼年期の思い出に縛られ
それ以上の幸せを得らませんでした〜
って描いてるんだから
そりゃ怒るわな。
でも
実際新聞社を何十社も持っていたメディア王で
フェイクニュースを流して新聞を売り
米西戦争を引き起こしたような男なんだから
これくらいのディスりで済んで感謝すべきでは。
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嘘と隠蔽の連続の政治。
嘘と隠蔽を重ねさえすれば
それがどんなに恥ずべき行為だとしても
嘘が突き通せる政治。
『市民ケーン』が今も名作扱いを受けているのは
常にこの映画のテーマがその時代と合致してしまうからでしょうね。