ヒット作連発の瀬々敬久監督があえてインディーズ体制で作った入魂作『菊とギロチン』
四コマ映画『菊とギロチン』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2040
『ロクヨン』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『友罪』の瀬々敬久監督。
ヒット作も多く監督としての地位を確立している瀬々敬久監督だけど、今作はインディーズ体制での映画作り。
企画が企画だけにお金が集まらない。。でも、監督への信頼からスタッフや俳優は一流どころがザザッと集結。
撮影し完成したものの配給宣伝費がもうない。ということでクラウドファンディングで資金を募っている最中(https://motion-gallery.net/projects/kiku-guillo)。
「そこまでにする必要ある?」と白い目で見られることもあったでしょう。そうまでしてこの映画をなぜ撮りたかったのか。
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そもそも30年前に撮りたかったと。しかし時期尚早ということで先に、4時間38分の『ヘヴンズストーリー』を先に撮った。(4時間38分て。。やっぱちょっとおかしい監督なんですね。。)
2011年に東日本大震災。社会の空気が変わり戦争へ向かっていく雰囲気も増している。
「これは今の社会の空気が関東大震災後の戦争へ向かう雰囲気に似ているのではないか、次回作はこれではないのか」とのこと。
映画と時代が合致しているから、というのもあるんですが、それだけじゃなくて、
瀬々敬久監督自身が、映画で何かを変えたいと思っていた若い頃に立ち返って「自主自立」「自由」というお題目を立てて映画を作りたかった、と。
自分はこういう映画を作りたかったんじゃないか!ということで入魂怒涛の189分『菊とギロチン』へ向かったということですね。
やんない方が楽だしやんなくてもいいんだけど、やるなら今しかないと撮影したこの映画は、現代日本にピッタリとブッ刺さる強烈な映画になってます。
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四コマ映画『菊とギロチン』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2040
『菊とギロチン』。菊は「女相撲」を表してて、「ギロチン」は実在のアナキスト集団ギロチン社のこと。
189分あるだけに中身ギッシリなので、四コマでは「女相撲」のことだけしか描けませんでした。。
こういう映画を見ると四コマなんて描いていて虚しくなる。。
もう全っっっ然四コマには描ききれてない。。
僕はこの映画を消化するのに本当はあと半年はかかると思う。それくらいの映画。
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役者の演技も全員入魂で素晴らしい。
■何と言っても先ずは韓英恵。まだ27歳なの?爆発してますね。これで助演賞獲らないわけがない。もう今の時点でもあげてもいい。
■稀代のサイコパス俳優として(褒めてます)大躍進を遂げている東出昌大が狂気のアナーキストを演じてます。ピッタリ。
■朝ドラ女優顔の木竜麻生がこの映画に涼しい風を吹かせていますが、この役が背負っている現実がまた苦しい。
■女優へ転身して小さな映画でコツコツ場数を踏んできた嘉門洋子の踏ん張りが開花しました。しかも抑えた演技で。素晴らしい。
■宇野祥平さんが金持ち役で出ているのがおかしくて、ちゃんと金持ちボンボンにも見えるところがさらにおかしい。
■大西信満さんが怖い。よくここまで入り込めるもんだ。役から抜け出せてるのか心配。。
四コマ映画『菊とギロチン』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2040
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女相撲は興味深い。
女相撲に横綱はいない。「男に気を使って」大関が最高位。
でも、昭和32年に高砂親方(39代横綱前田山)は敬意を払って名大関だった若緑を男土俵に上げている。現在に至るまで男土俵に上がった女性は若緑のみ、とのこと。
てことは、先日の救命はそれ以来となりますね。
以下ウィキペディアの「前田山 英五郎」からの転載です。
反骨心あふれる精神は、相撲界の伝統にも向けられた。女相撲の花形力士として人気であった若緑は戦争の影響で24歳の若さで引退せざるを得なかったが、同時代に活躍し、親交のあった前田山は花道を飾ろうと1957年に彼女の地元である松山の巡業で引退相撲を開き、土俵上で若緑とともに挨拶を行った。若緑は当初「皇后陛下ですら許されないのに、恐れ多い」と女人禁制を理由に固辞したが、前田山は「女人禁制など時代遅れだ。日本の封建時代は今度の戦争で終わったんだ」と重ねて説得して実現にこじつけた。当日会場は女人禁制が破られたことにざわめきが起こったが、若緑をたたえる掛け声が飛び出すなど、温かい雰囲気の中で引退相撲は行われた。その後も若緑は女人禁制を尊重し二度と土俵には上がらなかったが、そのことを思い返す時は嬉しそうにしていたという[23]。