岬の兄妹
岬の兄妹(2018年製作の映画)
シーン1つ1つが丁寧に撮ってあって、セリフ以外の情報量がものすごく多い。
セリフだけでなく、映像や演技で物語が語れているわけです。素晴らしいのです。
***
片山監督は、『母なる証明』などのポン・ジュノ監督のもとで助監督を勤めた経験もあるそうで
ポン・ジュノから「シーンごとにジャンル変わっていてもいいんだ」ということを学んだとのこと。
確かに、
社会派であり田舎ホラーでありボーイミーツガールでもありエログロであり犯罪コメディでもあり。
本当の人生がそうであるようにシーンごとにジャンルが違っていて、
薄ら寒いほどに怖いシーンの後に
小3男子が笑い死にしそうなコメディシーンが来たりするので
感情があっちこっちに揺さぶられながら観ることができました。
*****
かと言って映画として漫になっていないのは、
兄妹を演じた松浦祐也さんと和田光沙さんの演技力の賜物でしょうね。
特に全く隙を見せずになりきっていた和田光沙さんの迫力が、観終わって何日も経っているのにぞっとするほど残ってます。
ストーリーテラーでもあり事件の根源でもある兄を、匂い(臭い)まで伝えるようにリアルに演じた松浦祐也さんも素晴らしい。
細かい表情やセリフのニュアンスなどが的確だったので、観客はこの愚かな兄から目を離せなかったのでしょう。
****
どこかの地方都市のはずれにある岬町のロケもいいですね。
牧歌的に撮影することもできるはずですけど
〝田舎ホラー〟として寒々しく撮ってあって素晴らしい。
****
四コマ映画『岬の兄妹』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2268