映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

『よこがお』筒井真理子主演 深田晃司監督

2019-08-29 | ネタバレあり


筒井真理子無双っっっっっっっっっ!

四コマ映画『よこがお』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2345

むそう【無双】
1.並ぶものがないほどすぐれていること。無二。無類。

筒井真理子の演技力に驚愕しすぎて
全員 #筒井真理子 で描いてしまった四コマ映画。。

************

この映画を見て
「動物って復讐するんだろうか」と思いました。
復讐するのって人間だけなのでは。

例えばゾウの子供がライオンに襲われるとき
ゾウの親は自分の子供を守るためにライオンと戦ったり
殺された後悲しんだりすることはあっても
後日「あのライオンめ」っつって復讐の旅に出ることはないですよね。

ずっと心の中で「あのヤロー…」って思ってってとても人間的なことなのかも。

*****

優しくて賢くてユーモアもあって周囲からも信頼を得ている〝市子〟。
ひとつの事件とひとつの嘘をきっかけに人生が崩れていく。

人間ですから、人生ってのは社会にあります。
社会に認められることで人生は成立しています。

「社会的制裁」という「私刑」を受けると
人間はこんなにも社会から蹴落とされ、断絶されるのかと
恐怖を覚える映画です。

*****

最近も、ひとつの事件とひとつの嘘で社会的制裁を受けた事件がありましたが
それが全然「対岸の火事」ではないことをこの映画は教えています。

*****

社会的なつながりを失った〝市子〟はほとんど動物になります。
この描写がすごい。。
筒井真理子は本当に動物(犬)になりますから。。

でも、
ひとつ失わなかったのが「復讐」というとても人間的で社会的な怨念。

*****

ずっとスリリングでサスペンスフルな演出もさすがなんですけど
一番は筒井真理子の演技ですよ。。

アラ還とは思えない美貌もマジ驚愕ですけど、
「演技が上手い」なんて言葉では失礼なほどで、なんと形容していいか。。

原始的というか、もはや元素的というか、、芸術的であり。。

あ、もういいや、、観て。すぐじゃなくてもいつか必ず観て。

****

市川実日子もこんなに上手い人だったのかとこの映画で初めて思いました。
雰囲気の人なのかなぁなんて思っちゃっていたのですが、、
複雑で未発達な〝基子〟という役をそのまま人間に変えていました。すごい。


四コマ映画『よこがお』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2345




髭&ぽっちゃりが活躍する映画5本『ナチョ・リブレ 覆面の神様』『おとなの恋には嘘がある』 『新感染 ファイナル・エクスプレス』『ロンドン、人生はじめます』『ナイスガイズ!』

2019-08-29 | 映画感想



8月8日は、漢字の「八」が口髭の形に似ていることからヒゲの日。さらに「8」がぽっちゃり体型に似ていることからぽっちゃりの日(正式名称は"デブの日"……)とのこと。

つまり8月8日は髭&ぽっちゃりの日ということになります。熊のようなイメージで力強さと安心感を兼ね備えた髭&ぽっちゃりさんは映画には欠かせない愛すべきキャラクターです。
今回はそんな髭&ぽっちゃりさんが活躍する映画を特集します!

●コメディ映画代表『ナチョ・リブレ 覆面の神様』のナチョ(ジャック・ブラック)
●恋愛映画代表『おとなの恋には嘘がある』 のアルバート(ジェームズ・ガンドルフィーニ)
●パニック映画代表『新感染 ファイナル・エクスプレス』のサンファ (マ・ドンソク)
●感動映画代表『ロンドン、人生はじめます』のドナルド(ブレンダン・グリーソン)
●クライム映画代表『ナイスガイズ!』のジャクソン(ラッセル・クロウ)



愛されおじさんが大集合!髭&ぽっちゃりが活躍する映画5本 | FILMAGA(フィルマガ)
https://filmaga.filmarks.com/articles/2929











『カメラを止めるな!』のクリエーターによる新作映画『イソップの思うツボ』

2019-08-29 | ネタバレあり



『カメラを止めるな!』の制作前から企画が始まっていたという、この『イソップの思うツボ』。

3人の監督(『カメラを止めるな!』の監督の 上田慎一郎、助監督の 中泉裕矢、スチールの 浅沼直也)で一本の長編映画を撮ったもので、
ひとつの物語を3人の若手女優(石川瑠華 、井桁弘恵、紅甘)の視点で描aいています。

カメパート、ウサギパート、イヌパートに別れてると考えていいと思うんですが、
青春胸キュンテイストで始まってどんどんテイストが変わっていって
一本の映画としてはなかなかの振り幅。。

3人の監督の個性を発揮した結果でしょう。


***

ネタバレしない四コマ映画『イソップの思うツボ』→https://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2304

***


ひとつ目のパートは〝キラキラ映画〟っぽい雰囲気なんですが
引っかかるポイントがいくつかあるので
「裏で何が起こってるのかがこのあとで暴かれるんだろうな」というワクワク感は
『カメラを止めるな!』の第一部を見てる時の気持ちと同じですね。
















殺人人形・チャッキーとは?「チャイルド・プレイ」シリーズ全7作品をおさらい!

2019-08-17 | 映画感想



殺人人形チャッキーという映画史に輝くホラーアイコンを生み出した1988年公開のホラー映画『チャイルド・プレイ』(88)。
そのリブート版『チャイルド・プレイ』(19)はアメリカで公開されるとシリーズ最高のオープニング興行収入を記録しました。

チャッキーは知っているけど実は全部は観ていないという人も多いのでは? 今回は、前シリーズ7作をサラリと復習しましょう!


◼︎チャッキーの基礎知識
第1期

(1)伝説の始まり!『チャイルド・プレイ』(1988)

(2)制作費が上がり表情が豊かに!『チャイルド・プレイ2』(1990)

(3)チャッキー目標変更!『チャイルド・プレイ3』(1991)

第2期

(4)ホラーコメディ!『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』(1998)

(5)ホラーホームコメディ!『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』(2004)

第3期

(6)突然のゴシックホラー!『チャイルド・プレイ 誕生の秘密』(2013)

(7)チャッキー増える!『チャイルド・プレイ~チャッキーの狂気病棟~』(2017)


◼︎新作ではどんなチャッキーが出てくる?『チャイルド・プレイ』(2019)


 ↓ ↓ ↓

殺人人形・チャッキーとは?「チャイルド・プレイ」シリーズ全7作品をおさらい!
https://filmaga.filmarks.com/articles/2888/
FILMAGA(フィルマガ)













殺人人形・チャッキーとは?「チャイルド・プレイ」シリーズ全7作品をおさらい!

2019-08-14 | 映画感想
チャイルド・プレイ [Blu-ray]




殺人人形チャッキーという映画史に輝くホラーアイコンを生み出した1988年公開のホラー映画『チャイルド・プレイ』(88)。
そのリブート版『チャイルド・プレイ』(19)はアメリカで公開されるとシリーズ最高のオープニング興行収入を記録しました。

チャッキーは知っているけど実は全部は観ていないという人も多いのでは? 今回は、前シリーズ7作をサラリと復習しましょう!


◼︎チャッキーの基礎知識
第1期

(1)伝説の始まり!『チャイルド・プレイ』(1988)

(2)制作費が上がり表情が豊かに!『チャイルド・プレイ2』(1990)

(3)チャッキー目標変更!『チャイルド・プレイ3』(1991)

第2期

(4)ホラーコメディ!『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』(1998)

(5)ホラーホームコメディ!『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』(2004)

第3期

(6)突然のゴシックホラー!『チャイルド・プレイ 誕生の秘密』(2013)

(7)チャッキー増える!『チャイルド・プレイ~チャッキーの狂気病棟~』(2017)


◼︎新作ではどんなチャッキーが出てくる?『チャイルド・プレイ』(2019)


 ↓ ↓ ↓

殺人人形・チャッキーとは?「チャイルド・プレイ」シリーズ全7作品をおさらい!
https://filmaga.filmarks.com/articles/2888/
FILMAGA(フィルマガ)








チャイルド・プレイ/ 誕生の秘密 (字幕版)




映画「田園の守り人たち」出征した男たちに代わり必死に農場を守り続けた三人の女たちの物語

2019-08-14 | ネタバレあり


田園の守り人たち

The Guardians/Les Gardiennes







家族構成を理解するのが難しいと思うのでまず明らかにしときます。

前半は「この人は誰の何なの??」って思っちゃうことが多かったので。。



父(すでに死亡)



長男(教師。戦地へ)

次男(戦地へ)

長女

長女の夫(戦地へ)

長女の夫の連れ子

母の兄

手伝いの女性





この8人の物語です。





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映像がとにかく美しい。



背景はほとんどずっとフランスの田舎の広大な畑。と家。と牛。

畑を撮っても、家を撮っても、ずっと全部美しい。



セリフは最小限だし、ホントのこと喋ってるとも限らないんだけど

1915年にタイムスリップした(かのような)俳優さんたちのリアリティゴリゴリの空気感で、バンバン伝わってくる。





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四コマ映画「田園の守り人たち」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2339





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第一次世界大戦の銃後の様子。

銃後っていうのは、銃の後方。戦地ではない日常生活領域のことなんですね。

(なんとなく戦後の意味かと思っていました。。)



動ける男(と馬)を戦地に取られて

女たちは力を合わせて慣れない畑仕事をがんばります。





1800年代のパリは「女性はズボン禁止」という法律があって(最近やっと撤廃)、

確かに昔のヨーロッパ映画では、雨で事件がドロドロでも女性たちは地面スレスレのロングスカートを履いてる、全員。



それが不思議だったんですが、法律があったんですね。

こんな法律が通るほどの空気だったわけですから

パリに限らず田舎でも女性はスカートを脱げなかったのでしょう。



この映画でも、畑仕事するっちゅーのに地面スレスレのロングスカートをみんな履いてる。

トラクターみたいな大型農機具もロングスカートで乗るんですけど、危ないですよ。巻き込まれたら大惨事ですよ。





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かと言って

「ズボン履こうよ!畑仕事が楽よ!」ってことにならないのが性差別の恐ろしいところ。伝統。しきたり。同調。はしたない。宗教的な縛りもありますかね。





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銃後を守るのは大変でした、というだけの映画かもと思っていましたが、

それは第1部ですね。

話が全部で3部に別れてますが、

第2部で話が展開して、第3部では結構先の方まで話が進んでいきます。



銃後と戦地。男と女。の話から

女と女。古い時代と新しい時代。へとテーマが変容していくので

まっっったく飽きない。





音楽もそんなにないし映像も淡々としてるんですが、

俳優さんの存在感がすごいので

登場人物それぞれの立場での感情が十分に伝わります。





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ちなみに

日本でも成人男性を戦地に奪われ、銃後(戦場の後方。直接戦闘に加わらない一般国民)の経済は女性が担っていました。



短期間で厳しい訓練を受けた女性たちが電車の車掌になって活躍しましたが

終戦後には「代用品」である彼女らは職を追われ家庭に戻されてしまいました。



女性乗務員銃後にて、斯く戦えり―日本女性鉄道員史

https://t.co/ytnGmcKzkO?amp=1





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四コマ映画「田園の守り人たち」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2339


田園の守り人たち [DVD]