映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

公開中!実話の映画化!国家を敵に回した若者たち『僕たちは希望という名の列車に乗った』

2019-06-30 | ネタバレあり














実話の映画化。


1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトは、列車に乗って訪れた西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を目の当たりにする。
クラスの中心的な存在であるふたりは、級友たちに呼びかけて授業中に2分間の黙祷を実行した。
それは自由を求めるハンガリー市民に共感した彼らの純粋な哀悼だったが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは“社会主義国家への反逆”と見なされる行為だった。
やがて調査に乗り出した当局から、一週間以内に首謀者を告げるよう宣告された生徒たちは、人生そのものに関わる重大な選択を迫られる。
大切な仲間を密告してエリートへの階段を上がるのか、それとも信念を貫いて大学進学を諦め、労働者として生きる道を選ぶのか……。


(公式サイトより引用/http://bokutachi-kibou-movie.com/about.php)

わかりやすかったの引用しました。。
一回自分でも書いてみたのですが、、全然うまくまとめられなくて。。


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四コマ映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」 → http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2298 


*****


当初こんなに大変なことになると思ってないのは観客も同じ。
「黙祷したくらいで…」と舐めてかかってると
本当に恐ろしいことになっていく。。


学生たちの反骨心すら見逃すことができないほど
当時の東ドイツは複雑で不安定で弱かったことがわかります。


****


ある学生の叔父の
「君たちは国家の敵だ。
なぜなら自分で考えるからだ」
という言葉が印象的。

弱い国家ほど、国民には愚かでいてほしいと願うもの。


***


自分で考えることの大事さ。
自分で考えることが許されることの大事さ。

何十年も前の出来事だけど、
世界の潮流的にも完全にタイムリーなテーマですね。。



****



地味な話だけど、緊迫感が凄い。。

若手俳優の演技力の高さもあってサスペンスの演出が全部うまくいってる。

ほとんど人間性を失ったロボットのような学務局員。
自らのナチスからの圧政に苦しめられてきたのに自分がまた同じことやってる国民教育大臣。
自分も反政府運動に参加した経験から逆に息子には余計なことせずにエリート街道を進んでほしいと願う父。

など、複雑な東ドイツを表現するのに最小限のキャスティングで
この事件を多面的に描いています。


「列車に乗った者」だけでなく「列車に乗らなかった者」も描いているので
この映画には実話としての力もあるし、
エンタメとして深い物語性もあります。


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四コマ映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」 → http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2298 


 


映画『アメリカン・アニマルズ』

2019-06-30 | ネタバレあり




アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)










実際にあった、大学生4人による稀少本強奪事件を、本人たちの証言を元に映画化。

若手実力派たちが演じるし、本人たちのインタビューも挿入されるというかなりの異色作です。





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四コマ映画「アメリカン・アニマルズ」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2297





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音楽も映像もカッコイイ!

演技も素晴らしいので、自分がこの4人の仲間になっちゃったような気分で観れました。



そうするとホントに怖い。。

取り返しのつかない方へ、〝向こうへ〟行ってしまう瞬間の、あの恐ろしさ。。





途中で一回、映画が終わりかけるんです。

僕はあそこで終わったとしても十分面白かったし

それはそれでなかなかに強烈なメッセージを発すると思って

「イイよ、ここで終わっても!」と祈るように観てましたが、、

終わらないんですね。。



実際の事件ですからね。。。



本当に恐ろしい。。





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ご本人4人の証言が食い違う箇所もあるんだけど

そこもそのまま映像化。。



だから「真実に基づいた物語」ではなく「真実の物語」。



記憶が曖昧なら、そのまま曖昧に描く。このリアリティ。





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愚かしいんだけど彼らにとっては切実な渇望が、

この犯罪を引き起こす原因なわけだけど

正直、すごく理解できる。



4人っていうのも最もちょうどイイ人数だったのかも。



5人だったら多すぎて意見が分かれて空中分解したかも知んないし、

3人だと一人一人の荷が重すぎて途中で潰れていたかも知れない。



4人という人数はスムーズにことを進められる人数だし

責任をちょうどイイ感じ分担できたんだと思う。





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この実話としての重さや身につまされる感じもこの映画の魅力だけど

撮影もすごく工夫してあって、



ひとつの会話をしながら

車の中、店の中、そして車の中に戻る、と場所を変えていく。



観客が飽きないという利点もあるけど

多分「記憶の曖昧さ」の表現かなと思いました。



撮影方法が映画の内容と合致していて、監督素晴らしい。





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で、何より素晴らしいのは

「アメリカの鳥類(American Animals)」に描かれている鳥の絵。





彼らにとってはマクガフィンでしかなかったけど

この鳥の絵がどれも本当に素晴らしい。



実物大に精巧に描かれてるんだけど迫力がものっっっすごい。



映画の中も頻繁に出てくるけど、

この映画の中の要素の中でこの鳥の絵が一番素晴らしい。

ちゃんとそうなるように撮影をしてる。







「自分たちは特別じゃない」と思っている学生4人と

あっっきらかに特別な存在に見える鳥たちが強い対比になってる。

完全に素晴らしい!





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四コマ映画「アメリカン・アニマルズ」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2297



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以下、メモ。







『アメリカンアニマルズ』メモ

鳥の鳴き声からスタート。
ケンタッキー州。

これは真実に基づく物語ではない。
真実の物語だ。

***

彼らの背景にはこのようなことが起きるような予兆は何もなかった。
すごくいい子達だった。

大学の新入生歓迎会で裸にされてションベン飲まされる。

***

芸術家は皆苦しんでいない。
僕が経験したことのない。
人生を送っている。

「最高の人生。絵が上手」ではダメだ。

***

ウォーレン「みんな僕が首謀者だと思っている」

***

食品を盗んだりして生きてる実感を得る。

***

何か起きるのを待ってるんだけど、それが何かわからない。

それが起これば特別な人生になる。

***

絵具と銃を持ってアメリカのすべての鳥を描いた図録。1200万ドル。アメリカンアニマルズ。

***

Googleで完璧な強盗の方法を調べるウォーレン。
スペンサー「最短の経路を書いてくれ」

スペンサーとウォーレンの証言はよく食い違う。

***

ウォーレン「俺たちには何もないって?そんなあまりにもがっかりだ。」

***

スペンサーはグリーン、エリックはブラック…、コードネームだ!
ウォーレンはイエロー。

「期末試験中だから誰も疑われない」
「変装グッズを!」
「車を入手しろ!」
「ルートを体で覚えろ!」

***

試験当日。
老人に変装して実行。

悪いことをせずに出てきたときには最高の気分だった。
全てが美しく見えた。

***

図書館司書が4人いたので中止。
ほっとしたけど、ウォーレンが明日の11時にまたやるって。

***

ウォーレン「どんな将来だよ。どうせクソみたいな将来だ。変えたいって言ったのはお前だろ!」
「僕には向いてない無理だ。」
「今まで生きてきた中で最高の日々だったろ」


夜の道でスペンサーがフラミンゴの幻を見る。

***

僕は気づいて。
自分で何かを起こさなければ、と。

***

アメリカンアニマルズの図録が保管されているケースの鍵を図書館司書の女性が首から下げていた。

図書館司書を襲う。首を締めて失神させる。もう戻れない。

図録を盗むことに成功。

***

オークション業者に図録を持っていく。

あとで評価額を教えると言われ
スペンサーは自分の本当の携帯番号を言ってしまう。

***

図書館司書の叫び声が耳から離れない。

***

向こうに何がるのかを知るためには変わらなければならない。
しかし、それは恐ろしいことだ。

***

みんな罪悪感に苛まれながら生活を。
ウォーレンはスーパーで万引き。
スペンサーは車で追突事故。
4人それぞれの部屋にFBIが突入。

***


実刑7年。

自分は特別だっていうけど、僕は特別じゃない。

冒険に何の価値もない。

だからあの計画が心に響いた。

とても自分勝手よ。
心の力は一線を乗り越えて他人を傷つけるのか。私はわからない。





アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)







『イソップの思うツボ』新進女優たちによる様々な攻撃

2019-06-30 | ネタバレあり

監督:浅沼直也 /上田慎一郎/中泉裕矢
主演:石川瑠華
公開:2019年8月
上映時間:87分


3人の新進女優たち(石川瑠華、井桁弘恵、紅甘)によるいろんな攻撃方法が見られますよ!
井桁さんの攻撃が実は一番タチが悪いんだよな。。。













ネタバレ/女っ気なし(2011年製作の映画) UN MONDE SANS FEMMES

2019-06-26 | ネタバレあり


見たくて見たくて。
このポスターの写真とロゴの素晴らしさよ。
これを見てからというもの「絶対観たい」と思っていたら
ユーロスペースでやってたので急いで行きました。
(もう終わってるそうです。ギョーム特集はまだやってます)


*****


映像の美しさと面白さがいいですね。淡々としてますが、密度は濃い。
まさに「ヴァカンス」という、潮風のしょっぱさを感じる画面です。


物語の流れを説明するセリフはほとんどないんだけど
主役のシルヴァンの気持ちは手に取るようにわかるし
みにつまされて苦しい。。

シルヴァンが出会う美しい母娘も設定が語られることはないんだけど
会話や表情から過去がにじみ出てきて切ない。。


***

いやぁ、素晴らしい。
そしてやっぱロゴが素晴らしい!


ネタバレは以下


















まさかシルヴァンが朝チュンするとは(笑)!






長いお別れ(2019年製作の映画)

2019-06-21 | 映画感想




この監督の個性が出ていていいですね。


ベタだと思える演出も
サッと短く切り上げて次のシーンへ行ったり
笑いを入れてテンポを戻す。



あと、かなりの情報量だけどそれも手早く調理。
セリフ以外での情報量が多いから、それぞれのキャラが丁寧に描かれてる。




****



音楽もカラッとしていて可愛らしい。

ドラマ『JIN-仁- 』のような「ゼッテー泣かしてやろう」って感じの弦楽器の悲しいメロディをくどくど流されたら、逆に引くけど、

ピアノのメロディが可愛らしくて、人物の感情とちゃんとした距離感がある。

泣かそうというプレッシャーはないんだけど
ボロロッ!と涙が出てしまうという『湯を沸かすほどの〜』でも起きた現象がこの映画でもまた!


*****


隣のおばさんなんか溺死するんじゃないかってくらい泣いてました。。

僕も泣いちゃって。。
拭うのは恥ずかしいからそのままにしとくんですが。。

新幹線のシーンとか
山崎努が松原智恵子を見てるだけでもうポロっと。。


*****



やっぱ自分の親のこととか考えちゃいますね。。。



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アメリカパートがチープすぎましたね。。

鹿児島とか秋田とかでもよかったかもね。。



エリカ38(2018年製作の映画) ERICA38

2019-06-19 | 映画感想



浅田美代子はこの演技で主演女優賞を四つは獲りますよ。

10億円以上の詐欺事件の中心人物なのに
全然全容をわかってなくて
全然わかってないまま
被害者にめちゃくちゃ責められても

「みんなどうしたっていうのよ。ウフフ」

と全部スルーしちゃう感じが怖い。。


****


彼女の天然っぽさがこの役に現実味を与えてるし
演技力の高さは『あん』で証明済みだし。


63歳とは思えないキュートさも武器だけど、
この映画では全然美しく撮ってもらえてなくて
シワだらけの顔と体をさらけ出して
ちょっと大きめの鼻の穴もガンガン見せて
生身の人間としての実在感がハンパない。


それでいて
ちょっと地上から数センチ浮いてるような空気。

「この人とまともな会話できないな…」っていう恐怖。。。



****



映画自体はかなりゴツゴツした飲み込みづらい仕上がり。

画面はスタンダードサイズだし
ザラザラとしてて昔の刑事ドラマのような画面。

監督さんはドキュメンタリーを撮ってきた方なんですね。
元は写真家。


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で、
このゴツゴツ感というか、B級感は僕は大歓迎。


外国の地味〜なノワール映画見たような気分。
それを浅田美代子主演で体感できるなんてこんな面白いことない。


(あ、でもエンドロールが全部英語だったり、サブタイトルにわざわざ英訳が添えてあったのは寒かったです。。)



****



どういうわけだか俳優さんがみんな素晴らしい!!

木内みどりがめちゃくちゃ怖い。。
平岳大も怪演だし
被害者集団を演じた方々も気合い入っていて良し!

で、それらをスルッと受け流す浅田美代子がやっぱいいんだよなぁ。。


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気になるところも多くあったんですよ。
特に冒頭は違和感だらけで「帰ろうかな」とちょっと思ったくらい。

だけど話自体が、
めっちゃくちゃにずさんな詐欺の話なので
映画自体もバランスに欠いたエキセントリックな風味があるのは正解だと思うんです。


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吉本興業が100パー出資してるKATSU-doが製作してる映画なんです。


吉本臭というか奥山和由臭というか、、
ちょっとこの映画の内容とは関係のない匂いが映画の中にたまにありまして、、、
それがもうちょい抑えられていれば、
星5つでした。


しずちゃんは良かったけどね。



公開中!父娘の旅立ちを音楽で綴る 映画「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた」

2019-06-18 | ネタバレあり














サイズ感が良い!

等身大の人物が等身大の悩みに苦しんで乗り越えてくれる。
このサイズ感の映画で、ディティールまで凝ってるし、
俳優のみなさん魅力的だし、音楽もいいし、97分だし。最高じゃないか。

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【パパ編】四コマ映画「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた」→ https://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2274


【ムスメ編】四コマ映画「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2273

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試写会って一生懸命メモ取りながら観るのでシンプルに感動するのって難しいんですが
これは泣けて泣けて…

「一般人ががSpotifyで大成功っ!?」
っていう映画なんかではなくて、
リアルで優しくて温かくて痛々しくて可愛らしい物語。

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パパのキャラが最高ですね。
100パーかっこよくて100パーかっこ悪い。。

「彼女いるのか」のセリフの自然なことよ。
いかに娘を大事に見てきたかわかるセリフ。

****

主演の娘サムを演じたカーリー・クレモンズも可愛いし、歌上手いし、表情が繊細。
あとなんかカリスマがありますね。かわいくて威厳がある。

あとはトニ・コレットも出てますからね。『ヘレディタリー/継承』。
パパとトニ・コレットとのこじらせた何か(あの現象はなんと呼べばいいの…?)も身につまされて最高。。

****

『シング・ストリート 未来へのうた』を筆頭とした『〜のうた』系映画(とでも言いましょうか)の中でも一番好きだし、
このレベルの感動コメディもそうそうないですよ

歌に頼らず丁寧にシーンを積み重ねて物語と人物を描いてるし、
なんと言ってもラストのそれぞれの選択が素晴らしい(泣)













映画「ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた」






多国籍映画『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』

2019-06-18 | ネタバレあり













ホテル代ケチって家具屋のクローゼットに隠れて朝まで過ごそうと思ったら
寝てる間に梱包されて空輸されて気づけばロンドンに…。
そのあとも奇想天外な事ばかり起こり…


インドのムンバイに住む青年アジャが
罪を犯した3人の少年に自分が体験した奇想天外な旅の話を語る
という形式で映画は進んでいきます。


***


四コマ映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2279


***


この構図は
実在のミュンヒハウゼン男爵を書いた小説『ほら吹き男爵物語』や
映画『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』と似ています。

共通しているのは「物語」が何のために存在するのかといことですね。


***


この映画の主人公のアジャは
自分の意図ではないけど陸海空すべてを駆使して
世界各地に移動し
そので出会う人や困難に立ち向かっていきます。

インド映画らしいダンスシーンもあり
カーチェイスもあり
ラブもあり
ヨーロッパ映画では無視できない難民問題もリアルに描き
ものすごいスピードで話が展開していきます。


***


映像も色彩も美しいですし、
96分のこの寓話を観終えると
ちょっと自分も旅をしたような、
どこか異空間へトリップしたような感覚になりましたよ。


クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅



遭難者(2009年製作の映画) LE NAUFRAGE

2019-06-14 | 映画感想
同監督の『女っ気なし』の前日譚のようです。

『女っ気なし』では主役であるシルヴァンがここでは脇役。
主役の男女のラブストーリーにスパイスを効かせる、迷惑なお笑い担当です。

どの映画にもいるこの役回り。
ラブコメだったら必須ですね。


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『女っ気なし』ではそんな彼が主役になります。

脇役にももちろん感情はあるし、複雑な人生もあるし、過去もある。


そういうメッセージかな、『遭難者』は。

傭兵のハカ(2016年製作の映画) Mercenaire

2019-06-13 | 映画感想
面白い。

ニューカレドニアの青年がラグビー選手を夢見てフランスへ!

というプロットからまっったく想像できない陰鬱な映画。。。


暴走する男性性と連鎖する暴力。。


美しい海とポリネシアンソングでも全然浄化されないドス黒い因縁。。



****



主演のトキ・ピリオコさんは現役のラグビー選手のようですね。23歳。
2016年の映画だから撮影時は19歳くらいか。
貫禄すごかったが。。

演技も素晴らしい。
前半では朴訥とした青年って感じなんですが
女性が現れてからはエロオーラもハンパないし、

因縁を断ち切るために戦うシーンでは、まさに悪魔のような顔になる。


****


ハカはマオリ族の男性の民族舞踊。

いまでは観光ダンスみたいな印象だけど、
そもそもは戦士たちが戦いの前に相手を威嚇するために踊るもの。

迫力が凄くて、、怖い。。。



なかなか良い映画でしたよ。

Viva!公務員/公務員はどこへ行く?/オレはどこへ行く?(2015年製作の映画) Quo vado?/Where Am I Going?

2019-06-07 | 映画感想

 



いいんじゃないでしょうか。

イタリアのコメディって『いつだってやめられる』シリーズを始めとして
完成度高いし、社会風刺もしっかりあるし、スピード感も省略もうまいですね。


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主役がかなりヤバいやつで、、

既得権益を手放せないし
男尊女卑だし
マザコンだし
なかなか主役としてずっと見てるのは厳しいはずなんですが、

ケッコ・ザローネ(役名と名前同じなんですね)さんの演技の賜物。

こう言う素晴らしい芸を観られると嬉しいもんです。



****


ヨーロッパの中での
イタリアの扱いやノルウェーの扱いの違いが面白かったです。


 


【映画で納涼】映画ファンの生の声で決定!「ギャグがお寒い映画」TOP10

2019-06-06 | 映画イラスト


まだまだしつこく暑い日が続いておりますが、そんな時にはエアコンが効いた部屋で“おサムい映画”でも観てみませんか?
今回ご紹介するのは、ずばり「ギャグが寒い映画たち」です!

映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のユーザーレビューの中から「ギャグが寒い」といったキーワードが多く入っている映画を上位10位までピックアップ。「これも入るの?」という意外な作品もありますよ。では、第10位からいってみましょう!

※以降、ときたま辛辣な言葉が並びますが、一映画ファンとしての、愛を持っても発言であることをご容赦ください……




映画『カメラを止めるな!』超低予算&新人監督&無名俳優によるゾンビ映画が海外で絶賛され、日本で単館規模ながら連日満員の大ヒット!

2019-06-04 | 映画イラスト

カメラを止めるな!



映画『カメラを止めるな!』超低予算&新人監督&無名俳優によるゾンビ映画が海外で絶賛され、日本で単館規模ながら連日満員の大ヒット!"






カメラを止めるな!


映画『女王陛下のお気に入り 』 おそろしい子!

2019-06-04 | 映画イラスト














おそろしい子!


なんとも楽しいランティモス劇場!

恒例の不思議ダンスがありましたね。何度もありましたね。

『籠の中の乙女』『ロブスター』聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』と来て、この新作はだいぶわかりやすい作りになってますね。

とりあえずこの3人が何をしているのかを見失う観客はいないでしょう。

『ロブスター』聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』あたりはそれ自体がちょっと難しいですもんね。この人たちずっと何やってんの??と。。

コメディ映画としても優秀。劇場にはたくさん笑い声が起きてました。

***

でもま、結局この『女王陛下のお気に入り』もこの人たちずっと何やってんの?という話。

戦争中ですし、政治をも司る女王ですからね。
女王は全く使い物にならないし、
サラは頑張ってるけど国民のこと考えてるかどうかは謎。
アビゲイルに至っては完全に自分のことしか考えていない。

****

これ史実なんですね。
3人も実在の人物。だいたいこういうような話はあった模様。

実際はもうちょっと男たちの巧妙な動きがあって歴史を動かしたようですが、この映画では女の闘いが壮絶すぎて男たちの印象が薄い。。

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2時間1秒もずっと見飽きることがないです。
美術と衣装が素晴らしすぎてそれだけでも目が離せない。

さらには3人の演技!

女王を演じるオリビア・コールマンの顔芸は、
『 へレディタリー/継承』のトニ・コレットに匹敵するほど。

悪役と言ってもいいエマ・ストーンも流石にずっと面白い。

レイチェル・ワイズはカッコイイ!顔を黒いレースで隠した姿はもう痺れた。。
レイチェル・ワイズはつまんない美人女優のイメージあるかもしれないですが素晴らしいですよ。『肯定と否定』もぜひ観てね。

***

この映画が好きになったのであれば、同監督の『籠の中の乙女』をぜひ。タイプ似てるかも。
同監督の『ロブスター』もレイチェル・ワイズがかわいそうでステキです。

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#TheFavourite #YorgosLanthimos #オリビアコールマン #エマストーン #レイチェルワイズ















暑い方がマシ!?観ているだけで凍える…寒くてコワい映画10選

2019-06-04 | 映画感想


肉体的にも精神的にも堪える今年の酷暑……。寒くて大変な映画を観れば「暑さの方がまだマシだ」と思えて心理的にちょっとラクになれるかもしれません。

また、人は恐怖を感じると防衛するために血液が体の中心に集まり毛細血管が収縮して肌体温が下がるために周囲の気温差で涼しく感じる、らしいです。

今回はそんな寒くて怖い映画を10本ご紹介します(順不同)。
どうぞ自己責任でご覧ください。

→暑い方がマシ!?観ているだけで凍える…寒くてコワい映画10選(https://filmaga.filmarks.com/articles/2164)



傑作→#ウインド・リバー  
面白い!→#運命を分けたザイル
好き!→#アイガー北壁 
掘り出し物!→#フローズン #雪山 #南極日誌
イケメン!→#マイナス21℃
#レヴェナント蘇えりし者 #エベレスト3D