前回の投稿から4、5日が経ち、近くの幾つもの公園や木林などからも
セミの声が間断なく聞こえるようになってきた。
そして道路やマンションの通路などでセミの死骸を見ることも多くなった。
しかし例年のようにうるさすぎるという感じはしない。
自転車で周辺の公園を回ってみるといたるところで今まで聞こえて来なかった
鳴き声も聞こえてくる。
すぐ近くから聞こえる方向に目を向けると太い幹の私の顔のあたりぐらいの
高さで3匹が上下に並ぶようにして鳴いていた。
セミには子供の頃から色々な思い出がある。
手の届くところにいてもいざとなるとさっと逃げられてしまい、
悔しかったこと、泣き止んでもその場で動かない種類や
鳴き終わるとさっと飛んで行ってしまうセミの後を追いかけてみたこと、
友達と交換したことなど・・・
そのころは鳴き声を追って捕まえることに夢中になりセミが鳴く
メカニズムや生態、種類による行動パターンなどに気づくことも
なかった。
そして標本づくりとまではいかなくても多くの抜け殻を集めたりはしたが、
夕刻から夜に外出する機会もなく羽化する様子は見たことがなかった。
私が初めてセミの羽化を初めて見たのは結婚して2年目の夏休みに妻の実家へ
行ったときに縁側に近い場所の低木での羽化の様子だった。
その頃は現在のようにスマホもビデオカメラもなく、フィルム式のカメラで
背中の割れる場面、頭から出てきてゆっくりゆっくりと仰向けになり、時間をかけて
起き上がり、やがて前足で抜け殻の肩のあたりに前足をかけて・・・と羽化までの
一連の状態を時間の記録と共に時々写していたことを思い出した。
一番驚いたのは縮んでいた羽が少しずつ伸びて拡がっていくことと
時間の経過と共に羽の色が濃くなっていったことである。
今の子供たちの中にもカブトムシやクワガタをはじめ、セミやトンボなど
いろんな昆虫を好きな子がいると思うが、カブトムシやクワガタなどの羽化に
出会う機会は少なくてもセミならば市街地、住宅地でも充分見ることができるので、
家族と機会を作り近くの公園などへ行って見てもらい、生命の不思議や
尊さなども感じてもらえれば・・・と思う。
そしてよく見かけるセミの死骸はなぜ仰向けになっていることが多いのか・・・と
いうことなどについても関心がもてれば・・・・。
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