彼女は短大卒業時に就職活動もなかなか思うようにいかなかった頃、
自分の父親(私の息子)が若き頃メキシコで就職し、メキシコ人と
結婚し、9年後(1995年)に帰国したという経緯と家庭内では
スペイン語会話併用であり言葉の壁もないことなどから自分も
メキシコで就職してみようと思い立ち、ウェブ面接でメキシコ行きが
決まったのだ。
一般的には21歳の娘が単身海外へ行くとは・・・と、つい考えがちかも
しれないが彼女の両親は自分の娘に対する信頼が厚く、大きく、本人の
希望や意欲、可能性を大切にしたいと諸手を挙げて賛成し送り出した。
就職先の観光会社は日本にも支店があり、その後社長の来日時の
面談でも本人は躊躇なくメキシコを選び、今現在大変ではあっても
やりがいもあると言い、溌剌として楽しく生活している様子から
両親も私たちも孫とともに喜んでいるのである。
治安があまり良くないと言われているメキシコでも彼女が住んでいるところは
治安もよく、安心、安全な地域で、祖母(母親の実家)の家やその家族たちも
近くにいるし、何よりも会社の至近距離だというので私たちも安心している。
私たちはワッツアップの文字、音声、映像を使い連絡し合っているので
時差が15時間という遠く離れたメキシコも距離はゼロに感じて
毎回画面に映る笑顔を楽しみにしているのだ。
メキシコも新型コロナウィルスの影響は大きく、多くの日本企業の
駐在員たちは帰国を望んでいるが現実には航空券の扱いや
メキシコからの出国も難しい状況で、彼女の会社にも少なからず
ダメージは出ているらしい。
私たちはこの孫がメキシコでいろんな多くの経験を積み重ね、
体験したことを自分の人生で活かしてほしいと願っている。
今、メキシコは夕刻の6時を過ぎている・・・孫はもう帰宅している頃だろう。
久しぶりに画面に映る笑顔を見てみよう。