MC68000 Maniacs!
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MC68000 Maniacs! FunnyPlace Channel Vintage Computer LLC
 



OVERTAKE は,1992年に発表されたズーム製の F1レースシミュレーションゲームです。

FOCA公認のソフトウェアであり,92年シーズンのチーム,ドライバーが全て実名で登場するあたり 製作元の気合が必要以上に伝わってきますが,残念ながら ゲームとしての完成度はお世辞にも高いとは言えず,当時のコンシューマ機向けのレースゲームと比較しても,秀でたものはサウンド面だけだと言わざるを得ない内容でした。

オープニングデモは 相変わらずの秀逸さ。ゲルハルトベルガーのアップで始まるあたりが 個人的には嬉しい(セナ&ベルガーのファンでした)ポイントであります。セナが全然出てこないのが気になったものの,チャンピオンシップモードのエンディングに出てきたので良しとしましょう(笑)。オープニングデモが良ければ ゲーム内容にも期待してしまうのが当然ですが,いかんせん 肝心のレースシーンがあまりにもつまらない仕上がり(爆)。そもそも,マシンセッティングを初期設定のままで 予選をキャンセルし,決勝最後尾スタートで 2周目でトップ独走になるようなゲームでは,ゲームバランス云々の話ではないような気がします。

それと,悪名高い「ピットイン/ピットアウト」の処理。なぜここだけポリゴン処理なんでしょうね(笑)。はじめて見た時はマジで「壊れた?」と思いました。あんなことするなら,潔く「画面切替」して いきなりピットメニューを表示させた方が全然マシだったでしょうに・・・。

はっきりって PCエンジンの「F1サーカス」の方が,F1シミュレーションとしては数段上だと思いますね。

とはいえ,今になってみてみると X68000というプラットフォーム上でのパフォーマンスならば これ以上はどうしようもなかったかなと思うのが正直なところ。世の中のレースゲーム(に限ったことではないが)が 3Dポリゴン系に流れてしまう以前のゲームであれば,大体この程度の仕上がりでではなかったでしょうか。

擬似3Dの F1レースゲームの最高峰を挙げるなら,個人的には メガCD用「ヘブンリーシンフォニー」を推します。OVERTAKE から約1年後に発売されたゲームですが,レースシーンについては,擬似3Dにもかかわらず ちゃんと空間を走行している「感じ」が演出されているのが凄いところ。ビジュアル的にも粗く FPSも低いため眼がついていかず,唐突な動きに悩まされるのが問題点ではありますが・・・。

結局「OVERTAKE」が ズーム社最後の X68000作品となってしまいました。


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