こんにちは、ハッターです。
今回は清泉寮にある美術品を移動する時の舞台裏を一部ご紹介します。
現在、清泉寮本館レストランは改修工事中です。
本館レストランといえば、インディアンアートコレクションが展示されておりますが、
今回の改修にあわせて安全な場所へ移動しております。
移動と言っても、そう簡単ではなく、ひとつひとつの展示作品を外し、
梱包をするところから始まります。
一般的なご家庭の引っ越しと同じ事なのですが、
注意せねばならないことが多いのも美術品梱包の特徴です。
大きく重いものの運搬が大変なのはもちろんですが、
小さくて軽いものも壊れやすく慎重に扱わねばなりません。
こ ういう時に活躍するのが「薄葉紙」です。
この「薄葉紙」はとても優秀で、美術品を包む際も、細く裂いて紙縒りを作って
縛る事に用いたり、中に綿を入れて綿枕を作ったりすることが出来ます。
大抵の資料は、「薄葉紙」で包めるのです。
使用しているのは、一方向だけに裂ける繊維の長いもので、
紙のpH値が中性の、美術品梱包用のものになっています。
今回は素焼きの土人形などもあり、細い手や首を保護しながら包みました。
小さい人形などは梱包に費やす時間はかかりますが、手を抜けません。
そのほかの品々も、一点一点の来歴や価値などを考えながら大切にしまいました。
これらのインディアンコレクションは、今後は調査と保存処置をする予定となっています。
ハッターでした。