東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
先日、友人と外出した夫。約束していた映画を見てから軽く食事を、という話になったそうです。特に予約しておいた店があるわけではなかったので、適当なところを探したようなのですが…。
一緒にいた友人が車いすを使っているので入れる店は限られます。まず入口に段差がある店はNG。入口が狭すぎるというのもまたNGです。店外にテーブルを出している店などが適当なのですが、どこも既にご機嫌な方々でいっぱい。
ようやく居酒屋ばかりが入っている飲食店ビルを発見。エントランスも広々としていて、エレベーターのボタンは車いす使用者にも配慮され、低い位置にも配置されていたとか。
エレベーターの扉が開いてまたビックリ。エントランスとエレベーターの床面が全くのフラット。エレベーターの室内にもたっぷりとした余裕があり、いわゆるバリアフリーということをしっかり意識したビルだなと感じたそうです。
外に掲示されていた看板で目星を付けておいた7Fの店へ。店の入口の設えも広くて、これはイイぞと期待したそうなのですが、入口の扉を開けたとたん目に入ったのは店内の段差。床面に、更に5センチ以上高いウッドデッキのような床を設置して、客席はその上に配置されていたのだとか。
結局ここには入れず、仕方なく7階から順次下へ降りて1フロア1件の店舗を覗いたようなのですが、軒並み店内には段差が。
バリアフリー法ならびに東京都の建築物バリアフリー条例によれば、床面積の合計が1,000平方メートルを越える料理店にはバリアフリー化が義務づけられています。
この飲食店ビルは、テナントが全て飲食店であること考えると、法規上、建物のガワとしてはバリアフリーの義務があったのでしょう。バリアフリー条例のパンフレットを見ると、『利用居室と、①道路、②車いす使用者用便房及び③車いす使用者用駐車施設を結ぶ一つ以上の経路は、段差を設けない移動等円滑化経路とする必要があります』とあります。
つまり利用居室(今回の場合は個々の飲食店)から道路に出る、トイレに行く、駐車場に行く、というのはスムーズに移動できるようにしなさいね、ということのようです。
でも店内には「円滑な移動ができるように」という義務づけはないわけです。道路に出る、トイレに行く、その前に、店に入れないのでは何のための「バリアフリー」なんでしょうか。何のための法規なんでしょうか。
店側もなぜわざわざ段差を? 演出とか空間デザインというのもあるでしょうが、せっかくのバリアフリー建築物、車いすの人もそうでない人も一緒に楽しめる店舗デザインの店があってもいいではないですか!
ちなみに、夫は駅ビルにあるパブでようやくビールにありつき、友人としばし楽しい時間を過ごしてご機嫌で帰還しました。
good life ☆ good design ☆ graphicmate
学校案内の制作ならグラフィックメイトへご相談ください。
http://www.gmate.jp/ Tel 03-3401-7310
先日、友人と外出した夫。約束していた映画を見てから軽く食事を、という話になったそうです。特に予約しておいた店があるわけではなかったので、適当なところを探したようなのですが…。
一緒にいた友人が車いすを使っているので入れる店は限られます。まず入口に段差がある店はNG。入口が狭すぎるというのもまたNGです。店外にテーブルを出している店などが適当なのですが、どこも既にご機嫌な方々でいっぱい。
ようやく居酒屋ばかりが入っている飲食店ビルを発見。エントランスも広々としていて、エレベーターのボタンは車いす使用者にも配慮され、低い位置にも配置されていたとか。
エレベーターの扉が開いてまたビックリ。エントランスとエレベーターの床面が全くのフラット。エレベーターの室内にもたっぷりとした余裕があり、いわゆるバリアフリーということをしっかり意識したビルだなと感じたそうです。
外に掲示されていた看板で目星を付けておいた7Fの店へ。店の入口の設えも広くて、これはイイぞと期待したそうなのですが、入口の扉を開けたとたん目に入ったのは店内の段差。床面に、更に5センチ以上高いウッドデッキのような床を設置して、客席はその上に配置されていたのだとか。
結局ここには入れず、仕方なく7階から順次下へ降りて1フロア1件の店舗を覗いたようなのですが、軒並み店内には段差が。
バリアフリー法ならびに東京都の建築物バリアフリー条例によれば、床面積の合計が1,000平方メートルを越える料理店にはバリアフリー化が義務づけられています。
この飲食店ビルは、テナントが全て飲食店であること考えると、法規上、建物のガワとしてはバリアフリーの義務があったのでしょう。バリアフリー条例のパンフレットを見ると、『利用居室と、①道路、②車いす使用者用便房及び③車いす使用者用駐車施設を結ぶ一つ以上の経路は、段差を設けない移動等円滑化経路とする必要があります』とあります。
つまり利用居室(今回の場合は個々の飲食店)から道路に出る、トイレに行く、駐車場に行く、というのはスムーズに移動できるようにしなさいね、ということのようです。
でも店内には「円滑な移動ができるように」という義務づけはないわけです。道路に出る、トイレに行く、その前に、店に入れないのでは何のための「バリアフリー」なんでしょうか。何のための法規なんでしょうか。
店側もなぜわざわざ段差を? 演出とか空間デザインというのもあるでしょうが、せっかくのバリアフリー建築物、車いすの人もそうでない人も一緒に楽しめる店舗デザインの店があってもいいではないですか!
ちなみに、夫は駅ビルにあるパブでようやくビールにありつき、友人としばし楽しい時間を過ごしてご機嫌で帰還しました。
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