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彼の美人探偵・上水流涼子(かみづる りょうこ)が帰って来た。頭脳明晰な貴山伸彦(たかやま のぶひこ)を助手に、今回も知略と美貌を武器にして、難事件をズバッと解決する。
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柚月裕子さんの小説「合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明」は、「不祥事で弁護士資格を剥奪された上水流涼子が、IQ140の貴山伸彦をアシスタントにして運営する探偵エージェンシー。」を舞台にした、「『合理的にあり得ない』シリーズ」の第2弾。「『殺し』と『傷害』以外の依頼は引き受ける。」というのが涼子のポリシーなので、依頼されるのは曰く付きの物許り。其の分高額な報酬を求めるが、悪人には成り切れない2人故、“事件”を取り敢えず解決しても、報酬が得られない事も。
今回の「合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明」は、3つの短編小説から構成されている。美男と美女と言うコンビだが、「御金に目が無く、高額な報酬を提示された依頼に飛び付いてしまう涼子。」、「頭脳明晰だけれど、人間不信でドライな貴山。」と性格は全く異なり、其のコンビネーションが絶妙。
殺人は扱われていないので、謎解きのメインは「どういう事なのか?」という動機的な部分。3つの作品共に、そういう謎解きの部分では物足り無さを感じるけれど、涼子を始めとした登場人物達のキャラクター設定が良いので、スイスイと読み進めてしまう。新しい“社員”も登場したし、続編が楽しみだ。
総合評価は、星3つとする。