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「生活保護の眼鏡代『過大」請求 メガネスーパー3店、差額分返金へ」(5月25日、朝日新聞)
「生活保護の受給者が眼鏡の現物給付を受けられる制度で、メガネスーパー等を展開する『ビジョナリーホールディングス』(東京都中央区)の少なくとも3店舗が、受給者の眼鏡の代金に付いて、販売価格を上回る額を自治体に請求していた。」事が朝日新聞の取材で判った。
同社は、制度の上限や其れに近い額で請求していた事を認め、「差額分を過大に得ていて、不適切だった。」と判断。差額分を、自治体に返金すると言う。
「過大請求」が在ったのは、生活保護の医療扶助という制度。生活保護を受けている人に代わって、病気や怪我の治療の為に掛かる医療費を自治体が支払う仕組み。受給者は「治療として必要。」等という医師の診断が在れば、眼鏡や歩行補助の杖等の現物給付を受けられる。眼鏡は、度数等で上限額が異なる。
同社によると、都内の3店で2018年から、販売価格を上回る請求が少なくとも計22件在り、計約12万円を過大に得ていたと言う。
同社の調査に、或る店の従業員は「販売価格は割引価格で、本来の定価は上限額を上回る認識だったので、上限額に近付けて請求した。」等と話したと言う。
生活保護制度に詳しく、福祉事務所でケースワーカーをした経験も在る立命館大の桜井啓太准教授は、「一般人も生活保護受給者も受け取る商品は同じなのに、販売価格から上乗せして申請するのは、どう考えてもおかしい。不適切としか言い様が無い。金額が僅かで在ったとしても、過大に公金を支出する結果になった点は重く見るべきだ。」と指摘。「行政の責任も大きい。業者側への注意喚起は勿論、店頭価格が判る資料の添付を求める等、チェック機能を改善出来る余地は、未だ在るのではないか。」と話している。
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今回の“事件”、ビジョナリーホールディングスの調査によると「都内の3店で2018年から、販売価格を上回る請求が少なくとも計22件在り、不正請求額は計約12万円。」との事だが、今後、もっと増えて行きそうな気がする。1店舗だけの事で在れば、「悪知恵の働く店長が、単独で行ったのかなあ。」とも思うが、3店舗もとなると“会社包み”とは言わない迄も、「一定地域内で、『こんな美味しい手口が在る。』という認識が“共有”されていた。」様に感じる。
計約12万円というのは、決して高額とは言えない。会社の規模を考えると、少額と言っても良いだろう。だが、生活保護費の原資は我々の“血税”で在り、其れを不正に掠め取るというのは許し難い事で在る。不正に得た金額の多寡とは無関係に、非常に悪質だ。
「森友学園問題」や「加計学園問題」、「東京五輪を巡る汚職」等々、「結果的には公金(血税)を不正に掠め取ったと考えられる事件。」が後を絶たないが、何度も訴えている様に「公金から不正に得た金額は、其の全額の5倍を国庫に納めさせる。万が一納められない場合は、納められる迄収監し続ける。」とか、より厳しく法律で定めないと遣ったもん勝ちで、不正は減らないだるう(「全く無くなる。」とは思わないが。)。又、桜井准教授も指摘している様に、行政の対応も好い加減過ぎる。