ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

国民の総意

2005年04月10日 | 時事ネタ関連
最近良く思うのは、「国民の総意って何だろう?」という事。

郵政事業民営化に猛反対する政治家達は、判で押した様に「国民の総意は民営化を望んでいない。」と叫ぶ。

又、皇室関連事項を伝えるレポーターは、慶事の際には不気味な程の猫撫で声で「国民”皆が”喜んでいる。」と、弔事の際にはこれでもかと言わんばかりの低音で「国民”皆”が嘆き悲しんでいる。」と伝える。その口振りは、それが国民の総意で在って、そうでない人間はさも非国民で在るかの様に感じられる事も在る程。

郵政事業民営化に反対する政治家の場合、その殆どは国民=既得権益を貪り続けたい特定郵便局局長を想定して居るのではないか。実質的な世襲制が敷かれている特定郵便局局長の座。任用試験も形だけのものと言われている。多くの特権で守られた特定郵便局局長の一族は、選挙時には自民党にとって最大の”集票マシーン”として獅子奮迅の活躍をする事でも知られている。与党の政治家達にとっては、実に有り難い存在な訳だ。

民営化によって、「過疎地の郵政事業が滞る事になる。」と反対の理由を掲げる政治家達。嘗て「貧乏人は麦を食え!」と言い放った首相が居たが、「過疎地は滅びろ!」等と暴言を吐くつもりはない。過疎地の利便性も考慮されるべきだとは思う。でも、「全国均一のサービスを提供する。」というのは理想論としては理解出来るものの、現実としては無理だろう。利便性の高い所はそうでない所に比べて、税金面等でそれなりに多くを負担しているからだ。保証されるのは、”最低限”の利便性になるだろう。

”抜け道”だらけの政府の民営化案だが、過疎地でも郵便局網を維持する事になっている。だから、「過疎地の郵政事業が滞る。」という理由での民営化反対は、苦しい言い訳としか思えない。要は、視線が国民の方ではなく、”集票マシーン”にのみ向いているという事だろう。国民の総意等とは、とんだ御為倒しだ。

皇室関連事項で、国民の総意を強調するのも、そうしない事で”問題”が起こる事を恐れての、マスメディア・サイドの自衛策とも言えるのではないだろうか。自分の廻りには、皇室関連事項に極めて無関心か否定的な人間が少なくないだけに、その思いは強い。勿論、それだからと言って、それが国民の総意だとも言わないが(笑)。

もし、マスメディア・サイドの自衛策として国民の総意を多用しているので在れば、これ又とんだ御為倒しだろう。

安直に多用される「国民の総意」なる言葉。その真意が何処に在るのかを注意深く見極めていかないと、世論誘導に乗せられてしまうだけだろう。
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8 コメント

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Unknown (やま)
2005-04-10 10:55:41
たいていの場合

国民の総意=声の大きい人の意思



国民は相違ですねw
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お口直しに… (super_x)
2005-04-11 08:22:48
TBしてみました。
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どっちも‥‥ (higu)
2005-04-11 10:01:32
民営化、民営化と言っていますが果たして民営化して何の利益が得られるのでしょうか。族議員の肩を持つわけではないですけど‘必然性’が見えてきません。もっと他にやることあるだろう、と思っています。民営化したら『バラ色の未来』であるかのようですが、諸外国、欧州では鉄道は未だに国鉄のところもあります。民営化して逆に失敗しているところもあります。国鉄を引き継いだJRが本州以外は黒字か赤字を彷徨い、ローカル線を廃止して切捨て経営を好転させようとしているのに、郵政民営化して新会社は安定した経営ができるのか‥。会社が倒産したら一体どうするのでしょう。そもそも国民のどれほどが郵政民営化を望んでいるのか甚だ疑問です。憲法もそうですが永田町の人達は自分たちで勝手にやることがお好きなんですね、本当に。

皇室関連に関してはマスコミも「国民皆…」と言わざる得ないと思います。わざわざ「この人は喜んでいません」なんてことは言わないでしょうし。自衛策とは実にいい表現ですね。

皇室もすっかり芸能人化しワイドショーのネタになってしまいました。その一方で近年高まるナショナリズムの影響か、日本の伝統を見直そうと言う事で日本の歴史と共に歩んできた天皇を元首にしようという動きも‥。徴兵制復活、なんて話もありますが‘朝は皇居に向かって深く一礼’が国民の義務に加わるかはともかく、日本の伝統である天皇、さらに日の丸、君が代はもっと大切にしなければいけなくなるやもしれません。‘伝統’ですから。伝統に無関心、否定的であってはいけないでしょう。まして面白おかしく書き立てるのは言語道断、でしょうね。

でも、そんなことになったら一番打撃を受けるのは日○テレビのザ・ワイ○や女性週刊誌でしょうか。

毎度の長文、失礼いたしました。
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Unknown (○△□)
2005-04-11 13:31:27
こんにちは。TBありがとうございました。



自己権益に基づいてただひたすらに反対する議員、そもそもの目的はどこへやら内容のない結果だけを優先する首相、何とも目を覆いたくなるような事態になってきました。



緊急に検討するべき事項が山積なのに、この国の国会議員という人達は、「政局」に一心不乱。



それにしても、この人達を選んだのは我々です。まさに「国民の総意」の結晶とも言うべき国会。・・・なんですけどねえ。

こちらからもTBさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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Unknown (bp)
2005-04-12 07:57:00
その昔、司馬遼太郎のエッセイの中に前島密が非常に短期間に郵便局ネットワークを全国津々浦々に確立した理由について述べていて、江戸時代の後期から米作以外に手工業や商品作物等で新たに富を蓄積し台頭して来た新地主層というべき人達がいて(従来の庄屋や武士とは異なり)、こういう人達は富はあったけど何らかの形で政府のお墨付きが欲しかったのだが、政府としても村長などの役職を与えるわけにもいかずかつ村長は世襲ではないわけで、お墨付きになってしかも実質的な権限がさほど大きくないのが望ましかったわけで、そこに目をつけたのが前島密で、こういった新興地主層に郵便局長という地位を与えることでこういった層を政府支持に取り込んでいったとありました。現首相のやることはすべて田中派の利権崩しであり郵政のどんをみれば明らかです。
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誰の為、何のため? (ハムぞー)
2005-04-12 08:36:06
郵政民営化は、もっとじっくり論議してやってください。

推進派はばら色の未来を書いた紙芝居を見せるだけだし、反対派は財政投融資の歪んだ仕組みについてはあまり触れないし。



国鉄のときはバブル期で膨大な赤字を手術に耐える国の体力がありましたが、今そんな体力は無い。失敗出来ないんです。



それより、国民は郵政民営化より「ほかにも先にやるべき大事なことが山ほどあるだろ」、と思っているだけです。
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>higu様 (giants-55)
2005-04-13 15:12:59
書き込み有難うございました。



郵政民営化を望む人の多くには、郵便局の現状、もっとハッキリ言えば郵便局員の在り様に強い不満が在るのではないでしょうか。「特定郵便局局長」に代表される度の過ぎた優遇ぶりや規範意識の低さ(国家公務員全体の処分件数の8割を郵便局員が占めている。(2003年))、怠業ぶりが目立つ等、一般企業では考えられない”ヌルさ”に、国がこれ以上”保護”する意味合いは無いと思う人が多いのではないかと。かく言う自分も同じ思いを抱いています。



勿論、確固たる職務意識を持ち、一生懸命職務遂行している職員の数も少なからず居るとは思っていますが、実際に自分自身が郵便局で見聞して来た事や、郵便局の中に居た知り合いの話(http://964.jp/Z1hW)を聞いてしまうと、どうしてもヌルさ感が否めません。



個人的には、郵政民営化に賛成の立場を採っています。「全職員がコスト意識をしっかり持つ。」、「信賞必罰を厳格に行なう。」、「おかしな特権は排除する。」等が出来るので在れば、民営化する必要はないのでしょうが、”ちょっとやそっとでは”首にならない現状や、微温湯に浸り切って来た長い歴史を考えると、民営化以外に”まともな”組織に変えて行く方策はない気がします。



どんな組織でも「血の入れ替え」を行なわないと、内部から腐って行ってしまうのは、古今東西の歴史からも明々白々。腐り切った人材を取り除き、外部から積極的にまともな人材を求める(中途採用等)事が実質的に行なわれていない組織には未来が無いのではないでしょうか。
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>bp様 (giants-55)
2005-04-13 15:35:54
書き込み有難うございました。



司馬遼太郎氏のエッセイ、面白い話ですね。政府と新興地主層の双方の利害が一致した、絶妙の”落とし所”で誕生したのが郵便局ネットワークというのは、成る程という思いです。



考えてみると、高度成長期に官民の給料差を埋める方策の一つとして、官の世界では基本給に様々な「手当て」を付ける事ででバランスを取って来たというのが在ると思います。バブル崩壊以降、民の世界では給料は限りなく減じられて行く一方で、着実にベースアップして行った官の世界。何時しか、手当てを含めた総額が、民の世界と大きく乖離してしまった所に、不平不満が渦巻く要因が在るのかと。



世の中は動いています。その時に於いて最善と思われた事柄(妥協案で在っても。)も、時代にそぐわなくなって来たのであれば、改善&改革は時代の要請ではないかと。



(詳細は上記のhigu様宛てのレスで書かせて戴きましたので、そちらを読んで戴けると幸いですが。)個人的には郵政民営化は不可避だと思っています。
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