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・鷹派:相手と妥協せず、自分の主張を貫く為に、強硬に事を運ぼうとする立場に立つ人。又、武力解決をし様とする強硬派。
・鳩派:強硬手段を用いず、穏健に問題を解決し様とする立場の人達。
・青嵐会:1973年7月17日に、自民党の派閥横断的に結成された、衆参両若手議員31名(公称)から成る鷹派政策集団。主な所属議員として中川一郎氏、渡辺美智雄氏、浜田幸一氏、森喜朗氏、石原慎太郎氏、山崎拓氏が居た。
・渡辺美智雄氏:日本の政治家。元衆議院議員。鷹派として知られ、自民党政調会長、厚生大臣、農林水産大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、副総理兼外務大臣等を歴任。中曽根派を継承し、渡辺派を率いた。歯に衣を着せない"ミッチー節"で人気を博すも、問題発言も多かった。
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政治家の渡辺喜美氏の名前を知らない若い人も多い事だろうから、其の父親の渡辺美智雄氏と成ると、一定年齢以上で無いと、知らない人も珍しく無いだろう。人としての"器の大きさ"等、全く異なる部分は結構在るが、キャラクター的には河村たかし議員(前名古屋市長)とイメージが被ったりはする。
「鷹派か?鳩派か?」と問われれば、自分の場合は「鳩派に属する。」だろう。と言って、"べったり鳩派"という訳でも無いけれど。そんな自分だが、鷹派として知られた渡辺美智雄氏が嫌いでは無く、何とも憎めないキャラクターを愛していた部分が在る。「鷹派=異論&反論を一切受け容れず、柔軟性の全く無い、排他的思考の持ち主。」(鳩派の中にも、そういうタイプは存在するが。)というイメージが在るけれど、渡辺美智雄氏の場合は「柔軟性の在る、現実的な思考の持ち主。」という面が在り、だからこそ嫌いには成れなかったのだ。
鷹派・・・というよりも今は「ネトウヨ」と置き換えても良いが、自分が彼等を全く受け容れられないのは「『異論&反論を一切受け容れず、柔軟性の全く無い、排他的思考の持ち主。』が余りにも多い。」というのに加え、「自分にとって"都合の良い事"は、全く中身を検証する事無く"事実"と受け容れるのに、逆に"不都合な事"は、全く中身を検証する事無く"デマ"や"捏造"と断じる。」所に在る。「アウシュビッツでの虐殺は全く事実では無く、捏造だ!」と主張した、大の"構ってちゃん"(常に構って欲しがる人。)で在るネトウヨ気質の某男性著名人なんぞもそんな1人だが、「現実を全く直視する事無く、自身の主張を無根拠且つ一方的に押し通すだけ。」では、何等説得力を持ち得ないと思う。
鷹派と言えば、「日本国憲法はアメリカの"一方的な押し付け"によって生まれた物だから、1日も早く改正しなければいけない!」と主張する人が殆ど(ネトウヨも同様)だったが、渡辺美智雄氏は鷹派で在り乍ら、思考の柔軟さを持った、実に現実的な政治家だった。其れを最初に感じたのは、(以前にも書いた事が在るけれど)「1985年の自民党綱領(新綱領)を制定する過程で、渡辺美智雄氏が口にした『気が進まない女房を、親や周りに押し付けられた。何時か代え様、何時か代え様と思っている内に、40年も経ってしまった。見直してみると、こんな女房でも良い所は在る。第一、40年大過無く遣って来たし、良い子も作ってくれた。何よりも40年間に、自分も馴染んでしまった。昔、代え様と思っていた気持ちも、段々変わって来る。』という言葉。」によってだった。
「親や周りに押し付けられて、気が進まない状態で結婚した女房。」というのは「日本国憲法」を、そして「良い子」というのは「経済発展し、平和な日本。」を譬えているのだろう。「日本国憲法はアメリカの"一方的な押し付け"によって生まれた物だから、1日も早く改正しなければいけない!」と、丸で"御題目"の様に主張しているだけの人よりも、遥かに説得力の在る主張だと思う。
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「太平洋戦争は『侵略の悪夢』 鷹派の渡辺氏、中国に贖罪意識」(1月25日、東京新聞)
1993年2月、渡辺美智雄外相が米国を訪れて要人と会談した際、太平洋戦争は亜細亜諸国にとって、日本による「侵略の悪夢」だったと表現していた事が、昨年12月26日公開の外交文書で判った。中国に付いては、「日本は攻め込み、半分以上を支配し、多大の人的物的損害を与えた。」と述べていた。専門家は「鷹派で知られる渡辺氏だが、中国に贖罪意識が在ったのではないか。」と指摘する。
1991年のソ連崩壊後、日米両国内では「冷戦時の安全保障体制を、其の儘維持して行く。」事に疑問の声が上がっており、両政府は同盟の在り方を模索していた。
渡辺氏は、2ヶ月後に控えた日米首脳会談の下準備として訪米。クリストファー国務長官と会談し、「(亜細亜諸国には)50年前の侵略の悪夢が在り、日本が米国に取って代わる事は出来ず、米国が居た方が、皆安心だ。」と語っていた。
アスピン国防長官との会談では、「日本は経済的に軍備拡張能力が無い訳では無いが、亜細亜諸国の不安を招く。」とも述べていた。
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「明らかに事実で無い事は、認める必要が全く無い。」のは言う迄も無いけれど、「事実ならば、事実として潔く認めるべき。」で在り、ネトウヨ気質の某女性著名人の様に、「日本軍は海外で、"1人も"民間人を殺してはいない!」といった"荒唐無稽な嘘"は慎むべきだ。そうじゃないと、真面な人は誰1人として、相手にしてくれなくなる。