先日、近くのドラッグストアの軒先に見慣れない食べ物が積み上げられていた。「御一人様2点限り」という紙が貼られていたのだが、見ている傍から次々と売れていっているのが不思議だった。「もしや?」と思い、店員に尋ねてみた所、やはりTVの健康番組で取り上げられた食べ物という事だった。
一昨日の東京新聞サンデー版に「氾濫する食情報と弊害」という特集が組まれていた。副題には”フードファディズム”なる見慣れない言葉が付いている。記事に拠ると、「ファド(fad)は英語で『熱狂的で、一時的な流行』を意味する。」との事で、フードファディズムは「マスメディアや食品・健康食品産業等から日々、大量に発信される食べ物に関する健康・栄養情報を”過大評価”したり、”過信”する事。」を指すのだという。特定食品に含有される物質の有益性等を摂取量や頻度、実験の詳細を曖昧に表現し、「これを食すと○○に効く!」等と針小棒大に煽り立てる風潮等もそれに当該するのだとか。
フードファディズムのタイプを大別すると、以下の3つになるそうだ。
***************************
① 健康効果を謳う食品の爆発的な流行。
特定の食品を飲食する事で、健康問題が”全て解消する”様なイメージが作られ、大流行するタイプ。これ等は、”黒光りした顔のおじさん”や”隠し芸が本業になりつつあるおじさん”が司会する番組で扱っている情報が大きく影響していると思う。
マスメディアが誘導したこの手の大流行は枚挙に遑がないが、古くは紅茶キノコや酢大豆、野菜スープ等、近年で言えばココアやにがりが馬鹿売れしたのは記憶に新しい所だろう。
② 食品・食品成分の”薬効”強調。
食品そのものや食品に含有される特定成分の”薬効”を強調、期待させて、その食品の摂取を勧めるタイプ。健康食品等に多く見られる「若返る」、「元気になる」、「○○に効果的」等の”抽象的な”表現による情報が当該する。
③ 食品に対して不安を煽り立てる。
食生活を全体として捉えるのではなく、特定の食品を身体に「良い」「悪い」と単純にレッテルを貼るタイプ。不安感を煽って高価な製品を売り付ける「不安便乗ビジネス」等もその一例。
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そして、フードファディズムが広がる社会的条件として、下記の4つが挙げられている。
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① 充分過ぎる食料が供給されている。
「飽食社会」と言われる米国や日本等が当該。(以前書いた記事「北朝鮮よりはましなのだろうが」でも触れたが、所謂先進国の中でも食料自給率が40%台という極めて低い数値の我が国は、その実は非常に足元の心許ない”砂上の楼閣”的国家。そんな状況下でも、食に関する情報供給量は過剰気味のアンバランスな現状を、今回の記事では「世界の中でも特殊な国と言えるだろう。」としている。)
② 食料の生産や製造、流通に対して、漠然とした不安や不信が在る事。
近年大問題化したBSEや原産地の虚偽表示等が、この傾向を強めている。
③ 過剰な迄の健康志向や「健康で在らねばならぬ」という強迫観念が社会全体に漂っている。
連日の様に健康関連の情報がマスメディアで報じられ、商品名に「健康」の文字が入った物が多く並んでいる現状。
④ イメージや情報に流され易い人が沢山居る事。
大量に”垂れ流される”食品の断片的な情報やイメージを”鵜呑み”にしてしまう人が少なからず存在する。別段、健康情報だけではなく、マスメディアの偏重報道で、一気に一方向に世論が動く昨今の状況には、自分も不気味さを覚える。
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これ等は一般的な社会的条件だが、日本”独自”の背景として、「世界一の長寿国で在る事から、寝たきりや認知症を恐れ、極度に健康体で在りたいとする意識の広まり。」や「西欧諸国の様に食に対して保守的では無く、積極的に海外の食べ物や料理を取り入れる傾向が強い事。」、「食に関する”宗教的”なタブーも殆ど無く、元来、多様な食材を利用する民族である事。」等も挙げられている。
上記したココアや酢大豆は自分も良く飲食している。ココアに関して言えば、ブームが起きるずっと以前から嗜好品の一つとして好んで飲んでいる。「健康に良い。」と取り上げられた時も、「へー。」という思いだけで、だからと言ってもっと積極的に飲もうとは思わなかった。
酢大豆に関しては、マスメディアで取り上げられる様になって初めてその存在を知った。酢と大豆、共に健康に良さそうな物同士の”コラボレーション”は、健康に良くは在っても悪い事はないだろうと思い、食すようになった。際立った健康体になったとも思わないが、さりとて大きな病気もせずにいるのだから、効果在りとみるべきなのか(笑)?
歌手としても役者としても大御所と言われる男性スターが居る。彼の両親も又、一時代を成したスターだったが、母親の方は独自の健康理論を持った人でも有名だったという。健康に良いとして、日に三度の食事は特定の食べ物だけをメインで食していた。メインと言うよりも、それだけしか食していなかったと言っても過言ではない状況だったという。或る意味、偏食と言えるだろう。そして、彼女は若いと言える年齢で生を終える。偏食が短い寿命に繋がったと断言は出来ないが、少なからずの影響を及ぼしたのではないだろうか。
要は、「健康情報に踊らされる事無く、自らの頭で情報を取捨選択し、仮にそれが健康に良いと判断しても、それだけを飲食する。」のではなく、「バランスのとれた食を心掛ける。」という、至極当然な食生活が一番という事だろう。それでも健康を害してしまったならば、それはそれで天命だと思う。
一昨日の東京新聞サンデー版に「氾濫する食情報と弊害」という特集が組まれていた。副題には”フードファディズム”なる見慣れない言葉が付いている。記事に拠ると、「ファド(fad)は英語で『熱狂的で、一時的な流行』を意味する。」との事で、フードファディズムは「マスメディアや食品・健康食品産業等から日々、大量に発信される食べ物に関する健康・栄養情報を”過大評価”したり、”過信”する事。」を指すのだという。特定食品に含有される物質の有益性等を摂取量や頻度、実験の詳細を曖昧に表現し、「これを食すと○○に効く!」等と針小棒大に煽り立てる風潮等もそれに当該するのだとか。
フードファディズムのタイプを大別すると、以下の3つになるそうだ。
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① 健康効果を謳う食品の爆発的な流行。
特定の食品を飲食する事で、健康問題が”全て解消する”様なイメージが作られ、大流行するタイプ。これ等は、”黒光りした顔のおじさん”や”隠し芸が本業になりつつあるおじさん”が司会する番組で扱っている情報が大きく影響していると思う。
マスメディアが誘導したこの手の大流行は枚挙に遑がないが、古くは紅茶キノコや酢大豆、野菜スープ等、近年で言えばココアやにがりが馬鹿売れしたのは記憶に新しい所だろう。
② 食品・食品成分の”薬効”強調。
食品そのものや食品に含有される特定成分の”薬効”を強調、期待させて、その食品の摂取を勧めるタイプ。健康食品等に多く見られる「若返る」、「元気になる」、「○○に効果的」等の”抽象的な”表現による情報が当該する。
③ 食品に対して不安を煽り立てる。
食生活を全体として捉えるのではなく、特定の食品を身体に「良い」「悪い」と単純にレッテルを貼るタイプ。不安感を煽って高価な製品を売り付ける「不安便乗ビジネス」等もその一例。
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そして、フードファディズムが広がる社会的条件として、下記の4つが挙げられている。
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① 充分過ぎる食料が供給されている。
「飽食社会」と言われる米国や日本等が当該。(以前書いた記事「北朝鮮よりはましなのだろうが」でも触れたが、所謂先進国の中でも食料自給率が40%台という極めて低い数値の我が国は、その実は非常に足元の心許ない”砂上の楼閣”的国家。そんな状況下でも、食に関する情報供給量は過剰気味のアンバランスな現状を、今回の記事では「世界の中でも特殊な国と言えるだろう。」としている。)
② 食料の生産や製造、流通に対して、漠然とした不安や不信が在る事。
近年大問題化したBSEや原産地の虚偽表示等が、この傾向を強めている。
③ 過剰な迄の健康志向や「健康で在らねばならぬ」という強迫観念が社会全体に漂っている。
連日の様に健康関連の情報がマスメディアで報じられ、商品名に「健康」の文字が入った物が多く並んでいる現状。
④ イメージや情報に流され易い人が沢山居る事。
大量に”垂れ流される”食品の断片的な情報やイメージを”鵜呑み”にしてしまう人が少なからず存在する。別段、健康情報だけではなく、マスメディアの偏重報道で、一気に一方向に世論が動く昨今の状況には、自分も不気味さを覚える。
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これ等は一般的な社会的条件だが、日本”独自”の背景として、「世界一の長寿国で在る事から、寝たきりや認知症を恐れ、極度に健康体で在りたいとする意識の広まり。」や「西欧諸国の様に食に対して保守的では無く、積極的に海外の食べ物や料理を取り入れる傾向が強い事。」、「食に関する”宗教的”なタブーも殆ど無く、元来、多様な食材を利用する民族である事。」等も挙げられている。
上記したココアや酢大豆は自分も良く飲食している。ココアに関して言えば、ブームが起きるずっと以前から嗜好品の一つとして好んで飲んでいる。「健康に良い。」と取り上げられた時も、「へー。」という思いだけで、だからと言ってもっと積極的に飲もうとは思わなかった。
酢大豆に関しては、マスメディアで取り上げられる様になって初めてその存在を知った。酢と大豆、共に健康に良さそうな物同士の”コラボレーション”は、健康に良くは在っても悪い事はないだろうと思い、食すようになった。際立った健康体になったとも思わないが、さりとて大きな病気もせずにいるのだから、効果在りとみるべきなのか(笑)?
歌手としても役者としても大御所と言われる男性スターが居る。彼の両親も又、一時代を成したスターだったが、母親の方は独自の健康理論を持った人でも有名だったという。健康に良いとして、日に三度の食事は特定の食べ物だけをメインで食していた。メインと言うよりも、それだけしか食していなかったと言っても過言ではない状況だったという。或る意味、偏食と言えるだろう。そして、彼女は若いと言える年齢で生を終える。偏食が短い寿命に繋がったと断言は出来ないが、少なからずの影響を及ぼしたのではないだろうか。
要は、「健康情報に踊らされる事無く、自らの頭で情報を取捨選択し、仮にそれが健康に良いと判断しても、それだけを飲食する。」のではなく、「バランスのとれた食を心掛ける。」という、至極当然な食生活が一番という事だろう。それでも健康を害してしまったならば、それはそれで天命だと思う。

でも、ママの健康に対する考えは凄くてね、メカブを食べたり、一年中腹巻をしたり、天然のアロエで顔を洗ったりしてるの。ま、テレビから情報を得てるけど、ある、意味感します。
食べ物とクスリを並行して摂取すればOK牧場ですよね?
きなこ、ケッコウ偏食が多くてね、このブログの文章で、ちょっと心配になったので気をつけます。ありがとうございました。
とにかく、テレビで危機感を不必要に煽るので困ったものです。いままであれがいいこれがいいというものを別段食べなくても普通の食事していれば普通に健康でいられるわけですからね。
健康オタクの迷惑なことは体にいいと信じ込むと周囲の人間にも体にいいからと薦めたがるとこですね。ほんとに宗教と変わりませんw。
その著者も膠原病で、特性の野菜ジュースばかり飲んで克服したと書いてありました。
で、著者をネットで調べてみたら、40代後半でガンで亡くなった事がわかりました。
なんのこっちゃ・・・
それ以降、夫もそういう本を買わなくなりました。
ちなみに以前書いたかも知れませんが、義母は健康食品セミナーにはまり、寒い中毎日出かけて肺炎になり危篤になりました。
ほんまにこの家族ったら・・・・・・(すみません、つい愚痴を・・)
「健康のためなら死んでもいい」という人は多いのですね。
どうせなら長生き=仙人だから、「霞を食う」ことでも薦めたほうがいいと思うのですよ。
因みにアタシは故大山倍達館長の食生活を参考にしてます。
結局は昔風の日本食、即ち「粗食」が一番身体に良いんでしょうね。唯、これだけ飽食の時代に在っては、粗食だけというのも辛いものが在りますので、腹八分にしてバランスの良い食事というのが現実的なのでしょう。
村山元首相の話、そんな事在りましたねえ。あの方の場合には、朝昼晩と日本食で通していそうなので、そりゃあ彼の地では胃もビックリした事でしょう。