ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

最終戦を終えて

2005年10月06日 | スポーツ関連
昨夜、ジャイアンツは今季の公式戦を全て終了した。チーム初の最下位に沈んだ1975年を彷彿とさせる悪夢の様な半年だったが、それを象徴するかの様に負け試合で最後を締める事となった。62勝80敗4引き分け(勝率.437)の借金18。今季限りで退任する堀内監督が、試合後に記者から「長い2年間でしたか?」と問われ、そうですね。余り良い事は無かったけれど。と語ったそうだが、その気持ちは痛い程判る。本音は”余り”ではなく「”全く”良い事は無かったけれど。」ではなかったろうか。

この試合は、西山秀二選手、後藤孝志選手&元木大介選手の引退試合も兼ねていた。3選手とも残念ながら、この試合で結果を出す事は出来なかったが、バッターボックスでの姿に彼等の歩んで来た歴史を思い浮かべてしまった。

西山選手は桑田真澄投手や清原和博選手と同い年で、特に桑田投手とは中学時代にバッテリーを組んでいた間柄という。彼の場合、どうしてもカープ時代の姿が思い浮かぶ。カープ黄金期の捕手を務め続けて来た達川光男氏の跡を継ぎ、カープの屋台骨を支えて来た。見た目と違って、意外と足が速い選手という印象も残っている。最後の打席では、ジャイアンツ・ベンチ&ファンのみならず、古巣のカープ・ベンチ&ファンからも惜しみない拍手が送られていたのが嬉しかった。相手チームの選手が負傷退場した際、万歳三唱で大騒ぎしたり、「蛍の光」を歌って喜ぶ様な下衆な連中には、こういう姿を目にして猛省して欲しい所だ。

後藤選手は、常に気を抜かず、ガッツ剥き出しで臨む選手だった。思いっきりの良い打撃が売り物で、チームのムードメーカー的存在でも在った。「冗談だろ!?」と思う様なポカも時折見られたが、それも御愛嬌と思わせてしまうのは、彼の憎めないキャラクター故の事だった。

そして元木選手は、何と言っても野球センスの塊だった。他チームのファンからすると、「嫌らしい野球をする奴。」と思われていたと思うが、ジャイアンツ・ファンの立場からすると、「何かを絶対にしてくれる。」と期待させる男。今のジャイアンツでは数少なくなってしまったが、後藤選手と並んでジャイアンツへの深い愛情を持った選手でも在った。

試合後に3人が選手達から胴上げされているシーンでは、不覚にも涙がこぼれてしまった。毎年の事とはいえ、現役を退く者達を見送るのは何とも寂しいものである。

もっと寂しさを覚えたのは、退任する堀内監督の姿。試合終了と同時にグラウンドに選手達と共に集まり、ファンに向かって一礼をした後は、そのままベンチの裏に引き下がってしまった。ファンへの別れの言葉も、選手達からの惜別の胴上げすらもない状況。試合前の退任会見で、「敗軍の将は兵を語らず。」と述べた堀内監督だけに、仰々しいセレモニーを拒んだのかもしれないが、自分には「厄介者を早く追っ払いたい。」という読売グループの薄情さを感じてしまった。卑しくもジャイアンツを2年間率いた将に対する扱いにしては、非常に礼を失してはいまいか?堀内監督の退任自体には反対の意思を持っていないが、人を使い捨てる様な遣り方には激しい憤りを覚える。

解説者として球場を訪れていた来季監督の原辰徳氏が、放送中に何度か「堀内”前”監督は・・・」と語っていたのは御愛嬌にしても、せめて試合終了時に堀内監督への労いの言葉をかけて上げて欲しかった。(途中から放送を見た為、それ以前にそういった労いの言葉は在ったのかもしれないが、そうで在ったとしても終了時にもして上げて欲しかった。)

又、試合後に引退会見を行った3選手の中で、堀内監督への気遣いの言葉を述べたのは後藤選手だけだった。「選手達から胴上げして貰ったが、本当は堀内監督を胴上げしたかった。出来なかったのは本当に申し訳なく思っている。」という彼の言葉に、少しだけ救われた思いがした。

引退する3選手、そして苦しみだけの監督生活を送った堀内監督に、心から「御疲れ様。」の言葉を送りたい。
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8 コメント

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プロ野球 (東北のこやなぎ)
2005-10-07 07:50:45
お邪魔します。「野球」つながりでトラバさせていただきました。

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お疲れ様 (syuu)
2005-10-07 08:34:21
本当に、「お疲れ様」と堀内さんには申し上げたいです。なんだか、会見の時もやつれた顔をしていたように思われました。

原さんも、ちょっと変わったのでしょうか。うちの旦那などは、そんな話をすると、「人間、社会の中で生き抜くためには変わらなきゃならないんだ」と冷たく言いますが、体制に合わせて自分を殺してゆく生き方は私にはどうかと思いますね。

今後のジャイアンツを見守るしかありませんが・・・。

 そういえば、野村さんが「野村ノート」なる本を出したとか・・・。「野村ノート」で楽天が優勝できれば、たいしたものですね。堀内監督も田尾監督も、これからは「私利に利用されない」純粋な野球に携わってもらいたいです。

 お疲れ様でした。堀内監督。
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引退と来季と中継 (higu)
2005-10-07 10:27:03
西山選手の引退は寂しい限りです。打はあまり目立った活躍をしませんでしたがリードの頼もしかった事。少し前迄赤ヘルの捕手は彼以外考えられませんでした。お疲れ様です。

元木選手は彼らしい、とも思います。ただもう一花咲かせて欲しかったとも。今後はキャラクターを活かし様々な方面で活躍されることでしょう、頑張ってください。

後藤選手、娘さんに……。良かったですね。娘さんがあそこまで成長する迄選手であり続けたのは実に立派だと思います。





第2次原政権が発足することとなりましたが(内田コーチがカープを去られるのは残念です)来季の原ジャイアンツは今年の堀内巨人よりも優勝が『至上命令』になり極めて重い重圧のもとで戦うことになるのでしょう。

弱小球団のファンからすれば「一回位5位になったら解任か」とか「3年ちょっと優勝できんだけで“危機”なんて。優勝はそんなに簡単にできるもんじゃないでしょう」。「外国人と扇風機さえいなければ」とやや敗軍の将に同情してしまいます(笑 でもそれが“お家柄”なのでしょうね。





私は昨年迄「巨人が優勝しない方が長期的にはプロ野球にはプラス」と考えてきました。テレビや新聞であまりにも「巨人一辺倒」(今年の春キャンプもやたら「清原」でしたし)なのや、いつ迄も一球団のブランドに「おんぶに抱っこ」ではならない。

セ他球団のブランドが向上しジャイアンツブランドが“相対的に”低下し過度に特別な球団でなくなるのが良い。ジャイアンツファンには申し訳ないと思いつつそう考えていました。



しかし今年の巨人戦視聴率の推移から私は持論が間違っているのかな、と思い始めています。

嘗ての視聴率減少は「あまりに巨人贔屓」なので相手球団ファンが離れた、等と言われていましたが今回はちょっと違うでしょう。近畿や九州では好調でしたがこのままでは「プロ野球が全国放送されなくなる」のもそう遠くないかも知れません。





唯Jリーグは地上波で殆ど放送されないのに発足からここ迄成長したのだし、BSやCSでは中継があるのだからそんなに悲観しなくても良い、と努めて楽観することにしております。
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ブックマーク (blues54)
2005-10-07 12:59:49
いつもお世話になっております。ブックマークさせていただきましたが、よろしいでしょうか?
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>higu様 (giants-55)
2005-10-08 00:15:14
書き込み有難うございました。



前任者の達川氏が色んな意味で目立った存在でしたので(笑)、西山選手はどうしても地味な感じが否めませんが、安定感の在るリードをする捕手でしたね。それと記事でも触れたのですが、あの体型で結構足が速かったりと意外な面を見せてくれた選手でした。華やかなスター選手の引退も寂しいですが、こういった実務派の選手の引退も独特の寂しさを感じますね。



後藤選手が御嬢さんと抱擁しているシーンは本当に反則でした。唯でさえ涙腺が弱いのに、あのシーンでは滂沱せずにはいられませんでした(^o^;;;。平均引退年齢が約29歳というプロ野球選手に在って、自身が選手として活躍している姿を子供に見せられる(記憶させられる)というのはそうはない事。その意味では、後藤選手は幸せ者ですね。



元木選手のあの憎めないキャラが好きなのですが、間違ってもOBの某定岡氏の様に、バラエティーでオチャラケてばかりの存在にはなって欲しくないですね。自分の基本線は野球に在ると自覚して、球界に軸を於いて頑張って貰いたいです。



ところで、昨夜、原新政権の1&2軍スタッフが発表されましたが、巷間囁かれていた尾花投手コーチ&内田打撃コーチの名前が在りませんでした。その後の情報では、尾花コーチはホークスの試合が全て終了するのを待って、追加発表されるという事でしたが、内田打撃コーチの入閣は無い様です。個人的には内田氏を高く評価していますので、非常に残念です。



そして顔触れを見ますと、新顔の近藤ヘッドも含め原氏の”ゴルフ仲間”を集めた御友達スタッフという感じがします。この顔触れで1年目に日本一になったのだから大丈夫という事なのでしょうが、あの時と今ではジャイアンツの置かれている状況は全く異なっていると思います。又、イエスマンばかりでは、上手く回っている時は良いのですが、一旦歯車が狂うと軌道修正出来ずに、壊滅的な方向に一気に進んでしまう可能性も高いというのは、一般社会でも言える事。仁志選手の処遇を含め、不安を感じてしまいます。
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Unknown (ゆうじ)
2005-10-10 02:29:06
いやぁ~言い訳がましくなってしまいますが(汗

蛍の光について

蛍の光は相手投手の降板の時に歌う事が

甲子園では定番になってまして

関東では2003年までは

日本昔話のエンディングの替え歌だったんですが

去年から統一されちゃったんですよね



阪神ファンは野次が確かに他球団ファンより

多いかも知れませんが

帰れコールなんかは主力選手にデットボールやあまりにもおかしな判定の時などで

例外として甲子園の悪口を言ってダイエーへFAした松永選手なんかがあった気がします

まぁ関西出身の逆指名等の巨人選手

ドラフトで疑惑が付いて回る人なんかには厳しい一面も(汗

後は毎回押さえに失敗する選手が登板すると拍手で応援するなど(汗



一応それぞれ理由があるんですよ(汗

中にはあえてココには書きませんが…

確かにしつこすぎて笑えもしない野次や

本当に言ってる人の人間性を疑ってしまうような

野次を超えたようなものまであるんですが(汗



ちなみに古田が代打で出てくると

みんな拍手で迎えてますよ!!

去年の事で株を上げてますね



まぁ元々関西の球団で関西特有の応援文化

自分のチームにだってやじるときはやじってますし

(片岡選手のおととしまでの応援歌は本人が止めてくれと

言ってたらしいですし)

何より野次を言う人は

自分の野次で周りが笑う事が目標ですから(汗

後は低迷期が長い間続いて巨人ファンの人から見ると

屈折した部分はあるかもしれません

特に巨人戦だと謙虚にそれが現れるのかも知れません



とまぁ本当に長い言い訳がましい

文章になってしまいましたが



競った面白いペナントの為にも余剰補強をしない

巨人を応援いたします



その前にあの会長を何とかして欲しいところですが(汗
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こんばんは (drop)
2005-10-10 23:24:46
最終戦は3選手の引退試合でもありましたね。



後藤選手は娘さんから花束もらって涙してましたね;自分もあぁいうシーンは弱いので、もし生や中継で見ていたら涙していたことでした



元木選手もそうですが、ジャイアンツ愛が強い選手が辞めることになり非常に残念です・・・元木選手なんてまだ力は残ってるように思えますし・・・
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ホリウチさん (おひら)
2005-10-11 00:23:15
今シーズン半ばまでは監督に色々と文句を言ってきた私ですが、、、

「堀内監督解任報道」や「某球団SD監督就任騒動」などが為されるようになった頃から、判官びいきの感情が沸き始め、巨人低迷の原因がどこにあるのか、偏見とか先入観なしに考えるようになりました。



>本音は”余り”ではなく「”全く”良い事は無かったけれど。」ではなかったろうか。



…ウンウン(。_。)そうでしょうね。

巨人ファンのブロガーさんが「無駄な2年間」という言葉などで、堀内監督を批判するのをたくさん見かけました。

しかし私は、この2年間の巨人低迷に関わるフロントの責任までも、ホリウチさんが全てかぶっているような、そんな気がして、気の毒でなりません。



「この2年間、何だったんだろう」



そんなふうに一番思っているのは、ホリウチさんかもしれません。

今季は特に、巨人軍監督が置かれていた環境は、あまりにも酷だったと推察します。フロントにしても選手にしても…



ホリウチさんの悪口は、もう聞き飽きました。

言い飽きない方は、たくさんおられるようですが…

(まあ私も、言うほど善人ではありませんが。)



その点、引退会見での後藤さんのコメントに、私も救われた心地です。

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