こういう言動こそが、日本を貶める事になるのでは？

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「首相はネトウヨだった！？　フェイスブックで小４成り済まし批判　差別扇動サイト『保守速報』を引用」（１１月２７日付け東京新聞【朝刊】）

 

安倍晋三首相のフェイスブック（ＦＢ）が、又もや物議を醸している。ヘイト・スピーチ（差別扇動表現）で訴えられているネット掲示板「保守速報」の記事をシェア（共有）していたのだ。ネット上では「（首相は）正真正銘のネトウヨ（ネット右翼）だった。」等の呟きが飛び交っている。

 

 

保守速報の記事は、首相のＦＢが、秘書のＦＢをシェアした物。秘書は「其れなりに面白いので見て下さい。」とコメントしていた。

 

保守速報の記事が扱ったのは、２１日の衆院解散直後に開設されたサイト「どうして解散するんですか？」。自称小学４年生で放送部の「中村」君が、「しつもんです。なぜ１回で７００億円もかかるのに衆議院を解散し、選挙を行わなければいけないの？」と問い掛けている。

 

サイトの完成度が高く、当初から大人の関与が疑われ、翌２２日夜、慶応大の男子学生が「中村とは僕です。」と謝罪文を掲載した。「小学４年生を自演する事で、より多くの方を巻き込み、選挙の意義を語り合う事が出来ると考えた。」と釈明した上で、サイトを削除した。

 

首相は、此のサイトが余程腹に据えかねたのか、２４日迄に、自身のＦＢで「批判され難い子供に成り済ます最も卑劣な行為」と厳しく糾弾した。此の書き込みと一緒に、保守速報の記事をシェアした秘書のＦＢも紹介した。

 

確かに大学生も悪いが、一国の首相が激高する様な話か。其れ異常にネットで波紋を広げているのが、保守速報のシェアだ。

 

在日コリアンの女性フリー・ジャーナリストは８月、ネット上の人種差別的な記載で精神的な苦痛を受けたとして、保守速報の運営者等に損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。ヘイト・スピーチ問題を取材するジャーナリストの安田浩一氏は、保守速報に付いて「ネット掲示板『２ちゃんねる』の情報や独自記事を掲載し、在日コリアン等への誹謗中傷、ヘイト・スピーチ、差別、偏見を掻き集めた非常に悪質なサイト。」と指弾する。「首相が引用したと聞き、信じられなかった。単に脇が甘いでは済まされない。首相の思考が保守速報と共振している表れで在り、此れは差別、ヘイトへの加担だ。」。

 

首相は昨年５月の参院予算委員会で、自身のＦＢ上で閲覧者による差別的コメントが増えていると指摘され、「エスカレーションを止めるべきだろうとコメントして行きたい。」と答弁した。

 

ネットに詳しいジャーナリストの津田大介氏は、「彼の答弁は何だったのか？」と呆れる。「ＦＢ閲覧者に対し、人種差別的発言を止める様言うのが首相の役割なのに、首相や秘書が保守速報を情報源にしている。」。

 

首相側はネット上の騒動に驚いたのか、「小４サイト」への批判文と保守速報の紹介部分を削除。２６日、「小学４年生と偽った大学生も、其のアイデアやエネルギーを、強くて明るい将来に向けて欲しい。」と投稿し直した。

 

政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「安倍首相にとっては初めての解散で、世論の批判が思った以上に厳しくて驚いたのだろう。一国の総理なら、大学生のサイト等に手を突っ込まず、大所高所から堂々と政策論争を遣って貰いたい。」と苦言を呈した。

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「安倍首相が自身のＦＢで、成り済ましをしていた大学生を糾弾した。」というニュースに触れた際、「此の前のニュース番組で打ち切れていた様に、安倍首相自身が今回の衆院解散＆総選挙に全く大義名分が無いのを自覚しているからこそ、疑問を呈されると異常に反発するんだろうなあ。毎度毎度の事だけれど、ちまちました事に過剰反応するって、自ら“小人”で在る事を宣言している様な物って気付かないんだろうか？」と呆れはしたものの、敢えて記事として取り上げる必要は無いなとスルーしていた。しかし、安倍首相が「保守速報」を情報源としていた事を知り、今回取り上げる事に。

 

先ず、成り済ましをしていた大学生に付いてだが、批判されて当然だろう。どういう理由が在るにせよ、成り済ましというのは、決して褒められた事では無い。「小学４年生を自演する事で、より多くの方を巻き込み、選挙の意義を語り合う事が出来ると考えた。」と成り済ましの理由を述べている様だが、こんな言い訳は論外。「『住民暴動』に思う事」という記事で「デモ活動自体は理解出来るものの、暴力に訴えたり、どさくさに紛れての略奪行為等は絶対に許される物では無い。何れだけ正しい主張で在っても、一部とはいえ、そういう暴挙が存在してしまうと、全てが否定的に捉えられてしまい兼ねないので。」と記したが、同様に、何れだけ高邁な思いが在ったとしても、成り済ましをしてしまった時点で、全てが胡散臭く思われても仕方無いので。

 

で、話を本題に戻すが、件の大学生に付いて「批判され難い子供に成り済ます最も卑劣な行為」と糾弾した安倍首相だが、では「一国の首相が、自身への批判者をツイッター等で逐一取り上げて批判し、煽り立てられた“信者達”がスポンサーやら批判者への猛攻撃を行った結果、批判者を“封じ込める”と、『多くの方が番組に抗議して戴いた結果でしょう。此れは正に、ネットの勝利ですね。』なんぞと幼稚な煽りをする。」事は、“卑劣な行為”ではないのだろうか？政治家とは「国民の生き死に関する法律を作る立場に在る。」訳で、「生殺与奪権」という強大な権力を握っている。首相はそんな政治家のトップに在ると言っても良く、最も強大な権力を握っている訳だ。そんな人物の卑劣な行為こそ、「“最も”卑劣な行為」ではないか。

 

今夏の記事「火事場泥棒」で、「ヘイト・スピーチに批判的なコメントをした安倍首相だが、ヘイト・スピーチを無くそうと“真剣に”動く事は絶対に無い。」と指摘した。「安倍首相とヘイト・スピーチをしている連中とは非常に親和性が高く、彼等の少なからずが安倍首相を支持している。ヘイト・スピーチを取り締まる事は、自身の強固な支持基盤を失う事に繋がるので、彼等を取り締まる振りをし乍ら、実際には放置状態を続けるだろう。」と思っているからだ。だから、今回のニュースには、「矢張りなあ。」という思いしか無い。

 

片山さつき女史もそうだが、安倍首相も此の手の極右サイトが大の御気に入りの様だ。書かれている内容を検証する事無く、デマを拡散させた事が過去に在ったっけ。そんなサイトをチェックし、「御注進！」と阿る秘書も秘書だが、其れに乗っかる首相も首相だ。１人の大学生を糾弾し、“信者達”が大学生をネット上で“集団リンチ”した結果、彼が自殺でもしたら、どうする気なのだろうか？

 

自身のツイッターやＦＢに賛美の声を寄せる者だけを“国民”とし、少しでも批判する人間は“左翼”や“売国奴”と決め付けている節が在る安倍首相。多様性を一切認めず、“小さな殻”の中に閉じ籠った“裸の王様”で在り、北朝鮮の歴代指導者と似た匂いを感じてしまう。彼のちまちました小人な言動こそが、日本を貶める事になっていると思う。