ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「invert 城塚翡翠倒叙集」

2021年09月08日 | 書籍関連

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綿密な犯罪計画により、実行された殺人事件。アリバイ鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される・・・だった。だが、犯人達のに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠(じょうづか ひすい)が現れる。大丈夫。霊能力なんかで、自分が捕まる筈なんて無い。ところが・・・。

ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺す事を厭わない犯罪界のナポレオン。全てを見通す翡翠の目から、彼等は逃れる事が出来るのか?
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相沢紗呼氏の小説invert 城塚翡翠倒叙集」は、「2019週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」の5位「2020本格ミステリ・ベスト10【国内編】」、そして「このミステリーがすごい!2020年版【国内編】」で1位に選ばれる等、2019年のミステリー関連の年間ブック・ランキングで高評価を得た小説「medium 霊媒探偵城塚翡翠」の続編。

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invert=~を裏返しにする。

inverted detective story=倒叙推理小説
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「初めに犯人を主軸にした描写為され、読者は犯人と犯行過程が判った上で物語が展開される。其の上で、探偵役が何の様にして犯行を見抜くのか、何の様にして犯人を追い詰めるのかが、物語の主旨となる。」というのが倒叙推理小説で、TVドラマでは「刑事コロンボ・シリーズ」や「古畑任三郎シリーズ」が有名。

エキセントリック言動多用する事で相手を苛つかせ、失言失態を導き出し、其れ等を手掛かりにして謎を解く。」というのは古畑任三郎の十八番城塚翡翠の言動は古畑任三郎其の物で、目新しさが無い。彼女が本当に霊能力を持っているのかは判らないが、高い推理力を持っている事は間違い無いけれど。

「invert 城塚翡翠倒叙集」は3つの中編小説から構成されているが、最後の「信用ならない目撃者」は面白かった或る人物の正体がとても意外で、「そんな設定だったとは・・・。」という驚きが在る。

3作品共、トリック面では評価すべき所が在る。だが
を言えば“贅肉の多さ”で、謎を解いて以降の部分が、自分には冗長に感じられた

総合評価は、星3.5個とする。


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