ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「むらさきのスカートの女」

2019年09月08日 | 書籍関連

********************************* 近所に住む“むらさきのスカートの女”と呼ばれる女性の事が、気になって仕方の無い“わたし”は、彼女と「友達」になるに、自分と同じ職場で働き出す様に誘導し、其の生活を観察し続ける。
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第161回(2019年上半期芥川賞を受賞した小説むらさきのスカートの女」(著者今村夏子さん)は、主人公“わたし”の近所に住み、“むらさきのスカートの女”と呼ばれる女性を描いている。決して若く無い彼女は、ホームレスを思わせる風貌で、定職にも就いていない。異様さを漂わせる彼女を、多くの大人達は接しない様にしているが、子供達はからかいの対象として近付いたりしている。そんな“むらさきのスカートの女”に強い興味を持った“わたし”が、彼女に判らない様に、自分と同じ職場で働き出す様に誘導する。そんな変わった設定の小説だ。

ミステリーの世界には、“イヤミス”と呼ばれる分野が在る。湊かなえさんの作品なんぞは代表例だが、「読み終えた後、な気分になるミステリー。」の事だ。「むらさきのスカートの女」はミステリーでは無いけれど、“イヤミス系の作品”だと思う。人が持ち、心の奥底に隠している嫌な部分を、曝け出して書いているからだ。

変わった設定だし、“わたし”の正体の意外性も在るので、すいすいと読み進めてしまう内容。でも、読み終えた時に感じるのは、「だから何?」という思い。芥川賞受賞する程の作品だろうか?

総合評価は、星3つとする。


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