関根さんはどうした？今、大阪なんだ。東京ドームに間に合わない。

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「江本孟紀氏が生放送で号泣　深澤弘アナ死去に『私の今日が在るのは、深澤さんの御蔭。』」（９月８日、デイリースポーツ）

ニッポン放送は「『ミスターショウアップナイター』と呼ばれ、１９７０年代から１９９０年代に掛けて『ニッポン放送ショウアップナイター』の実況を務めた深澤弘アナウンサーが８日昼、亡くなった。」と発表した。８５歳。

訃報は午後５時半から放送された同局の「ニッポン放送ショウアップナイター」でも、松本秀夫アナウンサーから伝えられた【音声】。

親交の深かった元巨人・長嶋茂雄氏のコメントも紹介され、東映や阪神でプレーした野球解説者の江本孟紀氏も電話出演。「まあ、一寸此処暫くは体の調子も良く無かったので、３週間前位に電話戴いたけど、彼の人、自分が悪いのに、人の心配許りして。其れが、最後になりました。」と語った。

引退後、深澤氏とのエピソードも明かし、「今年で解説４０年ですが、４０年前に深澤弘さんから突然電話を貰って。大阪を追い出されて路頭に迷っている時に、『ニッポン放送で解説しないか。』と最初に声を掛けて貰って、解説者にして貰えた。４０年の人生の殆ど、深澤さんに支えて貰った。私の今日が在るのは、深澤さんの御蔭なんです。」と振り返ると、電話口で声を震わせ乍ら号泣した。

深澤アナウンサーは東北放送を経て、１９６４年にニッポン放送に入社。１９７４年１０月、巨人・長嶋茂雄の引退試合等の名場面も実況した。
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リンク先の音声を聞いて戴ければ判ると思うが、松本アナウンサーと江本孟紀氏の声から、深澤弘アナウンサーへの深い思いがひしひしと伝わって来る。「何時もヘラヘラとし、“素の姿”を見せ様としない江本氏。」だけに、号泣するというのは凄く意外で、其れだけに深澤アナウンサーへの“思慕の念の深さ”を痛感。

プロ野球の実況、個人的に思い入れの強いアナウンサーは２人。１人は「ＴＢＳエキサイトナイター」で御馴染みだった渡辺謙太郎氏【音声】。そして、もう１人は深澤氏だ。「単に状況を伝えるだけでは無く、選手達の心の襞に入り込んだ様な実況。ユーモアが在ったし、何よりも野球を深く愛しているのが伝わって来る。」というのが、両者の共通点。

御亡くなりになる前日、「（長きに亘って深澤氏とコンビを組む事が多く、昨年亡くなられた野球解説者の）関根（潤三）さんはどうした？今、大阪なんだ。東京ドームに間に合わない。」と譫言を言っていたという深澤氏。公の場でプロ野球実況を行ったのは７年前が最後の様だが、命が尽き果てる直前迄、プロ野球の事を考えていたのだろう。合掌。