昨日、民主党の小沢一郎代表が鳩山由紀夫幹事長に代表の辞職願を提出した。この事は政界に大激震を引き起こし、今後の政治情勢が混沌として来るのは必定だろう。代表の辞職を決めた理由に付いて小沢氏は、「2日に行われた福田康夫首相*1との党首会談により、党内外に政治的混乱を来たしてしまった為。」としている。
党首会談で福田首相から「連立政権樹立」の打診が在ったという報道には驚かされたが、今回の辞職願提出は更なる衝撃度だった。自民党との連立政権(若しくは自民党&公明党との連立政権)という案に付いて、自分は反対の考えを持っている。自民党と民主党が二大政党として互いに切磋琢磨して行く環境が、ベストとは言わない迄もベターだと思っているからだ。と同時に、これは以前から何度か書いている事だが、「自由党と民主党という二大政党と言っても、民主党の中には”元”自民党の政治家も多い訳で、真の意味での二大政党とは言えない面も在る。」という思いも持っていた。曲り形にも2つの政党に分かれて牽制し合っている事で、良い意味での政治的緊張感を危うさの中に保ち続けているというのに、これが連立政権樹立という事になれば遠からず民主党は自民党に飲み込まれてしまい、結局は大政翼賛会的な国民不在の政治状況に陥ってしまう可能性を懸念したからだ。
福田首相から党首会談開催の申し入れ(小沢氏から申し入れたという説も在るが。)が在った際、小沢氏があっさり受諾した理由は良く判る。今夏の参院選で民主党が大勝して以降、「政権奪取の為には、何から何迄『NO!』と突っ撥ねていただけの嘗ての社会党の姿勢では駄目。」と小沢氏はしばしば口にしており、政権与党のトップと話し合う事で「単なる”反対党”では無い。」という姿勢を見せたかったという思いも在ったのだろう。
昨日の会見での小沢氏のコメントが全て事実だとすると、「福田首相が『自衛隊の海外派遣』や『年金問題』に付いて、民主党案を丸呑みしても構わないという姿勢を見せた。」事で自民党に歩み寄る考えを小沢氏が持った事になる。又、「連立政権樹立により民主党も与党となり、国政運営に直接タッチする事で民主党にも政権担当能力が在る事を国民に広く知らしめたい。その事が結果的には、民主党政権樹立の近道にもなる。」という小沢氏の考えを、自分は完全否定出来ないのも事実だ。民主党の躍進に否定的な見解を持つ人達の多くが「民主党には政権運営能力が無いから。」という理由を挙げている以上、実際にどうなのかを見せるというのは確かに効果的では在ろう。連立政権を樹立しても上記した様に民主党がイニシアチブを取れると踏んだので在れば、小沢氏の心が揺れたのも判らないではない。
別段、自分は民主党の単独政権がベストと思っている訳では無い。民主党を積極的では無いにしろ支持はしているが、民主党の政権奪取云々よりも、「相手に政権奪取されるのではないか?」という緊張感を自民党乃至は民主党が常に持つ事で、結果的に政治も活性化されて行くのではないかと期待しているのだ。だからこそ、自民党との連立政権樹立には正直抵抗感が在る。
今後の政治情勢はどう推移して行くのだろうか?今夏の参院選で民主党が大勝したのは確かに自民党の自滅という面も在るが、小沢氏の綿密な戦略というのも大きかったと思う。その小沢氏がトップを離れると、民主党から自民党に走る議員も出て来る事だろう。小沢氏が近しい議員と共に、民主党を離脱する可能性もゼロでは無い。「今のままでは次の衆院選で当選出来ない。」と焦る小泉チルドレンが、目先の利益欲しさから自民党を離れて”小沢新党”に加われば、政治バランスは一気に崩れるだろう。
気を付けなければいけないのは、「小沢氏が代表を辞職した。」訳では無く、現状は「代表職の辞職願を提出しただけ。」という点。策士の小沢氏だけに「連立政権樹立に抵抗するならば、俺は辞めるぞ!そうなったら民主党の将来は真っ暗になるが、それで良いのか?」というブラフを民主党議員達に掛け、結果的に「小沢さんの言う事は何でも聞くから、何とか代表に留まって欲しい。」という流れを作り出そうとしているとも考えられなくは無い。「新生党→新進党→自由党」と新党を作っては壊して来た事で「壊し屋」の異名を持つ彼が、此処で代表職を下りてしまったら「やはり、単なる壊し屋に過ぎないのか。」という世評は強まるだろうし、自分が以前書いた様に「結局、小沢氏は天下を取れる実力を有していなかった。」という証明にもなってしまうだろうから。
そこで皆様にズバリ聞きます!「小沢氏の進退も含め、今後の政治情勢はどう推移して行くと思われますか?」(「これ迄と何等変わらず、グダグダした政治情勢が続くだけ。」という御意見が結構多そうでは在るが。)
*1 今回の辞職騒動を見越して福田首相が党首会談を申し入れたとするならば、”オラウータン”の深謀遠慮振りには舌を巻くばかりで在る。
党首会談で福田首相から「連立政権樹立」の打診が在ったという報道には驚かされたが、今回の辞職願提出は更なる衝撃度だった。自民党との連立政権(若しくは自民党&公明党との連立政権)という案に付いて、自分は反対の考えを持っている。自民党と民主党が二大政党として互いに切磋琢磨して行く環境が、ベストとは言わない迄もベターだと思っているからだ。と同時に、これは以前から何度か書いている事だが、「自由党と民主党という二大政党と言っても、民主党の中には”元”自民党の政治家も多い訳で、真の意味での二大政党とは言えない面も在る。」という思いも持っていた。曲り形にも2つの政党に分かれて牽制し合っている事で、良い意味での政治的緊張感を危うさの中に保ち続けているというのに、これが連立政権樹立という事になれば遠からず民主党は自民党に飲み込まれてしまい、結局は大政翼賛会的な国民不在の政治状況に陥ってしまう可能性を懸念したからだ。
福田首相から党首会談開催の申し入れ(小沢氏から申し入れたという説も在るが。)が在った際、小沢氏があっさり受諾した理由は良く判る。今夏の参院選で民主党が大勝して以降、「政権奪取の為には、何から何迄『NO!』と突っ撥ねていただけの嘗ての社会党の姿勢では駄目。」と小沢氏はしばしば口にしており、政権与党のトップと話し合う事で「単なる”反対党”では無い。」という姿勢を見せたかったという思いも在ったのだろう。
昨日の会見での小沢氏のコメントが全て事実だとすると、「福田首相が『自衛隊の海外派遣』や『年金問題』に付いて、民主党案を丸呑みしても構わないという姿勢を見せた。」事で自民党に歩み寄る考えを小沢氏が持った事になる。又、「連立政権樹立により民主党も与党となり、国政運営に直接タッチする事で民主党にも政権担当能力が在る事を国民に広く知らしめたい。その事が結果的には、民主党政権樹立の近道にもなる。」という小沢氏の考えを、自分は完全否定出来ないのも事実だ。民主党の躍進に否定的な見解を持つ人達の多くが「民主党には政権運営能力が無いから。」という理由を挙げている以上、実際にどうなのかを見せるというのは確かに効果的では在ろう。連立政権を樹立しても上記した様に民主党がイニシアチブを取れると踏んだので在れば、小沢氏の心が揺れたのも判らないではない。
別段、自分は民主党の単独政権がベストと思っている訳では無い。民主党を積極的では無いにしろ支持はしているが、民主党の政権奪取云々よりも、「相手に政権奪取されるのではないか?」という緊張感を自民党乃至は民主党が常に持つ事で、結果的に政治も活性化されて行くのではないかと期待しているのだ。だからこそ、自民党との連立政権樹立には正直抵抗感が在る。
今後の政治情勢はどう推移して行くのだろうか?今夏の参院選で民主党が大勝したのは確かに自民党の自滅という面も在るが、小沢氏の綿密な戦略というのも大きかったと思う。その小沢氏がトップを離れると、民主党から自民党に走る議員も出て来る事だろう。小沢氏が近しい議員と共に、民主党を離脱する可能性もゼロでは無い。「今のままでは次の衆院選で当選出来ない。」と焦る小泉チルドレンが、目先の利益欲しさから自民党を離れて”小沢新党”に加われば、政治バランスは一気に崩れるだろう。
気を付けなければいけないのは、「小沢氏が代表を辞職した。」訳では無く、現状は「代表職の辞職願を提出しただけ。」という点。策士の小沢氏だけに「連立政権樹立に抵抗するならば、俺は辞めるぞ!そうなったら民主党の将来は真っ暗になるが、それで良いのか?」というブラフを民主党議員達に掛け、結果的に「小沢さんの言う事は何でも聞くから、何とか代表に留まって欲しい。」という流れを作り出そうとしているとも考えられなくは無い。「新生党→新進党→自由党」と新党を作っては壊して来た事で「壊し屋」の異名を持つ彼が、此処で代表職を下りてしまったら「やはり、単なる壊し屋に過ぎないのか。」という世評は強まるだろうし、自分が以前書いた様に「結局、小沢氏は天下を取れる実力を有していなかった。」という証明にもなってしまうだろうから。
そこで皆様にズバリ聞きます!「小沢氏の進退も含め、今後の政治情勢はどう推移して行くと思われますか?」(「これ迄と何等変わらず、グダグダした政治情勢が続くだけ。」という御意見が結構多そうでは在るが。)
*1 今回の辞職騒動を見越して福田首相が党首会談を申し入れたとするならば、”オラウータン”の深謀遠慮振りには舌を巻くばかりで在る。
今回の辞職騒動で感じたのは、小沢氏と一般国民(これは自分も含みますが。)の考え方に少なからずのギャップが在るんだなあという事。具体的に言えば、「民主党への国民の思い」を小沢氏の方がより悲観的に捉えていたというのが意外でした。そりゃあ「民主党は本当に政権能力を有しているの?」という疑念の声が無い訳では在りませんが、それ以上に民主党に期待している声も在ると思っていたからです。
一昔前の政治状況で言えば、腐り切ってはいるものの自民党には多士済々でした。それに対して野党は、単に反対するだけの集団というイメージ。ところが今の自民党は小泉チルドレンに見られる様に、非常に危うい政治”屋”ばかりが目立つ一方で、野党には、これは主に民主党を指しますが、曲がり形にもそれぞれの分野でのエキスパートが散見される状態になった気がします。勿論、100%眼力の備わったエキスパートというレベルでは無いのでしょうが、昔に比べたら隔世の感を覚えてしまう集団に変わりつつ在るのは間違いない様に思います。
ですから焦って”近道”を目指すのでは無く、地道に地力を付けて行き、国民の信を確実に得て行くのがベターではないかと。仰る様に、民主党にとっては今野党に在った方が得策でしょうね。高度経済成長期には”行け行け”で何でも上手くごまかせたシステムも、バブル崩壊以降はあらゆる面で綻びが出て来ました。抜本的にあらゆるシステムを変えて行かなければならない時代に入ったのですが、具体的に何をすれば良いのかも含め、誰(どの政党)が行うにしてもそう容易では無いでしょう。その意味では「実際に政権を担わないと、国民から何時迄も信を得られない。」と焦った小沢氏は、或る意味顔と似合わずピュアなのかもしれません。
テロ特措法の絡みに付いては、自分も同じ疑問を持っています。稚拙な自身のの文章で説明するよりも、以前に直木賞作家の高村薫氏が明確な文章で疑問を呈されていましたので、それを紹介させて貰いますね。
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-603.html
自分は常々政治家に対して厳しい事を書いている訳ですが、それもこれも政治家は「別格的な職業」という思いが在るからなんです。”本来は”非常に高邁な理念&主義を持ち、優れた指導性を持った人物が就く職業で在り、例え先が見えない状況で在ったとしても国民に”夢”を与えなければならない凄い職業の筈なんですよ。だからこそ、その要件を充足している人物で在れば、見合った範囲での高い対価を与えられて全く問題無いと此処でも何度か書かせて貰っている訳です。問題はそういった人物が皆無に等しく、”悪い意味での”サラリーマン的な人物、否、もっとおこちゃまな人物が「先生様」としてふんぞり返っている事。「見た目が良いから。」とか「勇ましい事を言うから。」という理由”だけ”で、「中身がすっからかんな人物」を政治家に選ぶのはもう止めて欲しい。スターの人気投票じゃ在るまいし、そんな”御遊び”をしている事が自らの首を絞めて行っている事に多くの国民が気付いて欲しいものです。
どこが政権をとっても変わらないという意見は、決して間違いではないのかもしれませんが、僕はそれほど悲観をしているわけでもありませんけどね。
現在、選挙の度に第一党が異なり、しかも圧倒的な勝利という状況。
これは国民による議員の監視が機能しつつある証拠ではないでしょうか。
もっとも民主党が勝利したのは参議院なので、政権奪取まではできませんでしたが。
抽象的な意見ばかりになってしまいましたが、いま様々な問題や不祥事が出ていることは、かつての政治体制の悪い部分から脱却するための過渡期だと信じたいですね。
所謂”マドンナブーム”で社会党が躍進した時代辺りから、我が国では選挙毎に一つの政党にドドッと票が投じられる傾向が強くなった様に思います。前回の選挙で大量得票を得た党とは対立軸に在る様な党への投票というのは、日本人のバランス感覚が上手く働いていると言えるのかもしれませんし、toshi16様が書かれている様に国民の議員監視機能がきちんと働いているとも言えるのでしょうが、唯、「キャー!純ちゃん!!」とか「晋ちゃん素敵!!」、「何だか判らないけど、兎に角森さんに投票します!」等と韓流スターの追っ掛けの如く騒いでいるおばちゃん達の姿を見ると、「この国は大丈夫かなあ・・・。」と思ってしまうのも事実なんですよね。
今が「政治体制の悪い部分から脱却する為の過渡期」で在るというのはその通りだと思います。唯、これもずっとそういう状況が続いているとも言えましょうが。
連立という選択肢もなくはない。
ドイツは連立政権ですし。
ただ連立というのは積極的には賛成できません。
政策協議はいいけど公約と似て非なるものに妥協してなってしまいます。それはどうかな?と。
やるなら、解散総選挙して民主が衆院で過半数とれなかった場合に検討すべきかな?
ドイツの場合も選挙の結果どの政党も過半数とれなかったからの選択だから。
ただ日本のような議員内閣制で二院制で参考になる事例の国が思いうかびません。
英国の上院は権限がないし、アメリカ大統領制だし。
小沢氏も結局は辞意を取り下げそうで、個人的にはホッとしているのですが、唯、そうなると今回の騒動は一体何だったのだろうか?という釈然としない思いは残りますね。福田首相と小沢氏の主張が一部異なるのも、小沢氏の言っている事が全て正”だとすれば”、福田首相の深謀遠慮には舌を巻くのみ。逆に小沢氏の主張に嘘が在るのならば、民主党の議員達の自身に対する忠誠心を絶対的にさせる為の”芝居”という事になる訳ですが、それもそれで自身の「壊し屋」のイメージを強め、民主党への国民の期待を下げさせるだけですので、余りにもマイナス部分が大き過ぎると思うんです。そう考えると、益々真相が闇の中といった感じかと。
ドイツの連立政権に関しては、樹立前にかなり詳細な意思の摺り合わせ(合意事項)が在ったと聞きますし、それに樹立以降も国民の声を可能な限り取り入れるシステムになっていると聞きます。それを考えると我が国の場合は、各党が目先の利益だけを追って”遣っ付け仕事”的に徒党を組むといった感が拭えず、個人的には好ましい体制とはどうしても思えないんです。
今回の騒動はハッキリ言って自民党に利するだけで、民主党にとっては大きなダメージだったでしょうね。唯、安倍政権が崩壊して以降は一貫して民主党の流れだった訳で、今の自民党への流れが何時又反転するかも判らず、正に政界の一寸先は闇という感じかと。