一昨日、スポーツ紙に「藤山寛美氏の孫・藤山扇治郎(36歳)氏等、若手5人がリーダーとなって初の『松竹新喜劇』が、大阪松竹座で初日を迎えた。」事が報じられていた。「1948年12月に旗揚げされ、今年で75年目となる老舗の喜劇劇団。」で在る松竹新喜劇、個人的には“好きな笑いのタイプ”では無いが、此の喜劇劇団と言えば、何と言っても「岡田彰布監督に激似の藤山寛美氏。」の印象が強い。
亡き父が此の手の笑いを好んでいたのかどうかは知らないが、「自分が子供の頃、TVで放送されている松竹新喜劇の舞台を、家で良く見ていた父の姿。」を良く覚えている。“知恵足らずのボンボン”の役が多かった寛美氏が、鼻を穿り乍ら「御父は~ん!」と言う姿は、子供だった自分に強烈なインパクトを与えたっけ。
で、今回の記事で取り上げたかったのは藤山寛美氏では無い。元記事の最後の方の文章で目にした、実に懐かしい人の事だ。
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最後は劇団最高齢の高田次郎(91歳)が登場し、舞台の成功を祈って大阪締め。「後期高齢者。今年91歳。芸能生活70年・・・。」と言った所で、近くを救急車が急行し、「私を迎えに来たんかと思いました。吃驚しました。」と仕切り直して、大爆笑で締め括った。
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昨年の記事「男歩けば 勝目に当たる♪」でも書いたが、子供の頃に夢中になって見ていたTVドラマの1つに「どてらい男」【動画】が在る。花登筺氏の小説が原作で、「大阪の商社・山善を興した山本猛夫をモデルとした立志伝。」だ。
此のTVドラマには素晴らしい俳優が数多く出演していたが、何と言っても“悪役の顔触れ”が最高だった。中でも沢本忠雄氏や藤岡重慶氏、そして高田次郎氏は、心の底から憎々しさを感じてしまう程の名演技で、彼等の存在が無ければ、「どてらい男」はこんなにも名作に成り得なかったかも知れない。
【藤岡重慶氏(左から2番目)、高田次郎氏(右から2番目)】
「どてらい男」のキャストを見ると、主役の西郷輝彦氏等、鬼籍に入られた方も多い。そんな中、大村崑氏(今年で92歳)同様、今年で91歳になられる高田次郎氏が御元気そうなのは本当に良かった!