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日本記者クラブ:日本の公益社団法人。新聞・通信・放送(在京外国メディアも含む。)の報道機関による独立組織で、政府等から、公的な財政支援は受けていない。
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当ブログで過去に書いた事が在るし、此方にも記されている様に、日本記者クラブにはメリットが在る一方で、デメリットも在る。
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[日本記者クラブのメリット]
① 「公共機関等が取材に非協力的だったり、情報を出し渋っていたりする。」と捉えられる場合、記者クラブが団結する事で、情報公開をさせ易く成る。
② 記者会見に出入りするメディアや記者を把握したり、ルールを設けたりする事で、取材対象者や取材の場の安全を維持する役割も在る。
③ 記者クラブの幹事社が取材を申し入れたり、各社の質問事項を取り纏めたりする代表取材によって、メディア・スクラム(集団的過熱取材)の防止が図れる。
[日本記者クラブのデメリット]
① 記者クラブが記者会見や発表情報を独占してしまうと、加盟社以外のメディアや個人のジャーナリスト等に取材の機会が無く、報道が不平等で閉鎖的に成る。
② 官公庁の建物の中に記者室が在ったり、日本記者クラブに「投げ込み」と呼ばれる広報文が日常的に提供されたりする為、取材対象で在る公共機関と報道機関との癒着を生み兼ねない。
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日本記者クラブに関して近年、デメリットの方が良く指摘されている。権力(者)にとって特に目障りな存在のフリー・ジャーナリストや週刊誌、海外メディア等は、「加盟社以外。」という理由から、日本記者クラブが仕切る記者会見には参加出来ず、又、加盟社は「何もしなくても、"投げ込み"によって必要最低限の情報は入手出来るので、取材で手を抜く様に成ったり、権力(者)と癒着し、逆らわなくなる。」という懸念が在る。
実際、加盟社に所属する"骨の在る記者"が、記者会見で権力(者)に対して厳しい質問を浴びせた所、別の加盟社に所属する記者から「余計な質問をするな!"上"から睨まれて、投げ込みが無く成ったら困るだろ!」と威嚇されたという話を、以前見聞した。権力(者)を厳しく追及出来無いので在れば、メディアの存在価値なんて無いだろうに。
一昨年6月に発生したとされる「中居正広氏の女性トラブル」、そして「女性トラブルに関するフジテレビ幹部社員の関与疑惑&フジテレビの"女性上納システム"疑惑」(女性トラブルに関して関与していた疑惑が持たれているフジテレビ幹部社員B氏に付いて、報道した週刊文春が「女性がトラブルに遭った際、『B氏が直接、飲み会に誘った。』と報じていたが、『飲み会に直接誘ったのはB氏では無く、中居氏だった。』と訂正した上で、『但し、トラブル直前に中居氏宅で行われたBBQパーティーに被害女性を連れて行く等、B氏がトラブルに関与していた事実は変わらない。』。」としている。)で、今月17日にフジテレビの港浩一社長が記者会見を行ったが、「出席を許されたのは一部のメディアだけで、中継や動画撮影は一切禁止され、写真撮影も会見冒頭のみの許可という在り様。(報道番組等で流された映像は、全て会見冒頭に撮影が許可された写真だけで、"紙芝居会見"と揶揄されたのも当然。)肝心の会見も「約100分の間に港社長は、質問に対して約50回も『回答出来無い。』を連発する等、御粗末としか言い様が無かった。
そんな自浄能力の無さしか感じられないフジテレビの記者会見(擬き)を受け、大手スポンサーが雪崩を打つ様にフジテレビでのCM出稿を見合わせる事態と成った事で、漸く「此れはやばい。」と思ったのだろうが、一昨日(27日)、フジテレビは2回目の記者会見を行った。
1回目の反省からか、今回の記者会見は取材者を限定せず、フリー・ジャーナリストも出席していた。出席者総数は約400人との事で、1回目の33人から大幅に増えた事に成る。又、中継や動画撮影も許されたが、こんなのは当たり前の事だ。
フジテレビ側の人間として記者会見に臨んだのは、港社長を含む幹部4人。1月18日の記事「抜本的に"体質"を改められないので在れば、フジテレビは潰した方が良い」の中で詳しく書いたので、是非読んで貰いたいが、「フジテレビの今回の問題は、同社に深く根差している"問題体質"(主に3つ)が起因しており、其の問題体質を生み育てて来た代表格が港社長、そしてが"フジテレビのドン"として40年近くもの間君臨し続けている日枝久・フジサンケイグループ代表だと、自分は考えている。」ので、日枝氏が出席しなかったのは全く納得出来ない。今回の記者会見の中でも、日枝氏に関する追及がされたけれど、幹部4人からは"頑なに日枝氏を守る姿勢"しか見受けられなかった。
結局、明確にされたのは「港浩一社長及び嘉納修治会長が、同日付けで辞任する事。」だけといった感じで、個人的には全く評価出来無い記者会見だったし、「此れで、全て幕引き。」と成らない事は確かだろう。「日枝氏を含めた、現上層部の一斉放逐が為されなければ、フジテレビは潰した方が良い。」と改めて思った。
1回目が余りに酷く、多くの批判を受けた事から、上記した様に「取材者を限定せず、中継や動画撮影も許可した。」事に加え、「質問が出尽くす迄、記者会見を終わらせない。」という方針が、フジテレビから打ち出された様だ。良い事だとは思うが、「昨日16時から開始された記者会見は、1度の休憩を挟んで、10時間23分後に終了した。」そうだ。自分が実際にきちんと見たのは1時間程だが、日が変わった28日の0時過ぎにTVを点けたら、未だ記者会見が放送されていたので驚いてしまった。「長時間記者会見の世界1位は、『2019年10月、ウクライナのゼレンスキー大統領が首都キーウで行った12時間。」で、其れに次ぐ"世界第2位"の記録らしい。
今回の長時間に亘る記者会見に付いて、2ちゃんねる開設者で実業家の西村博之氏は、自身のXで「『記者会見が閉鎖的なのは良く無い。』と思われてたが、フリーランスを入れると、『質問なのに自分語りをしたり、要領を得ない質問や、既に答えた質問をするから、時間の無駄に成る。』という事実を浸透させたのは、功績かも知れない。」と皮肉の投稿をした。
又、御笑いタレントのスマイリーキクチ氏も、自身のXで今回の記者会見に付いて触れ、「相手の言葉を引き出すんじゃ無く、如何に自分が目立つかだから。抵抗出来無い立場の人間には滅法強い。此れこそ、今回の問題の根底じゃないかな。」と分析している。
上記した様に、自分は今回の記者会見をきちんと見たのは1時間程に過ぎない。だから、全体に付いて「どうこう。」は言えないのだけれど、自分が見た範囲でも、2人の主張に頷ける部分"も"在る。
西村氏はフリーランスに限定して批判しているけれど(フリーランスの方の中にも、評価に値する質問をされた方も居た。)、日本記者クラブに加盟しているで在ろう記者達の中にも「自分を売り出したいが為に、自分語りをしているだけじゃないの?」と思ってしまう人や、要領を得ない質問をしたり、既に答えた質問をしている人は存在した。「既に幹部達が答えた質問を、再びしていた。」というケースに関しては、幹部達の答えに曖昧さや矛盾が在った事"も"在り、質問者を一方的に批判するのはどうかと思う。だが、無意味な自分語りや要領を得ない質問は、自分もNGだと思うし、そういう類いが無ければ、記者会見はもっともっと短い時間で済んだ事だろう。
又、感情的な質問スタイルも駄目!冷静且つ鋭く質問しなければ、見ている側の共感を得られないだろう。記者会見が異常に長かった事に加え、感情的な質問スタイルの人がチラホラ見受けられた事から、「フジテレビの幹部達が可哀想。」という同情"も"集まっている様だが、「こんな記者会見を開かざるを得なかった事自体、フジテレビの自業自得な部分が在り、幹部達に同情を寄せるのは全くの御門違い。」と考えており、こういう御門違いの同情の高まりは、結局、フジテレビの自浄を妨げるだけだ。
「こんなにも世間の注目を集める記者会見を、取材者を限定せずに行う。」というのは、恐らく初めての事だと思う。質問者、特にフリーランスの人にとってはエポックメーキングな出来事なのだから、「自身を売り込む事を目的とせず、事前に質問すべき事項を端的に纏め上げた上で、感情的に成る事無く、常に冷静に質問する。」事が必定だった。
"一部の駄目な質問者の存在"で、今回の様な"開かれた記者会見"自体に駄目を押されてしまうのだとしたら、余りにも残念な事だ。
他局の情報番組の中での中継を見ていただけなので、フジ系列ではCMなしで放送していたとか、10時間以上の長丁場だったとか、後で知ってびっくりしました。
ヤフーニュースで知ったのですが、関係当事者のプライバシーへの配慮から、記者会見は生放送ではなく中継から10分遅れで放送していたという事も。
どうりでライブだと思っていたのに途中で口パクになったりして、おかしいと思っていました。
そんな配慮がなされていたというのに、ユーチューバーの煉獄某が司会者や周囲からの注意を無視して、そのまま動画配信していたので強制退場させられたとか。
giants-55さんも危惧しておられるように、フリーランスかどうか関係なく、こうした悪目立ちしたがる輩がいると、記者会見する側に制限をかける口実を与えることになってしまう、そのことを報道関係者は肝に銘じてほしいですね。
日本記者クラブについてのデメリットで触れておられることですが、「政府・公官庁側から情報をもらえなくなるから、余計なことは言うな」という風潮が記者側にあるなら、それはもう『報道機関』ではなく『お上の広報機関(大本営発表)』そのものでしょう。情けない!のひとこと。
同じ質問を繰り返す、というのは刑事が被疑者取り調べでも使う手法のようで、繰り返し質問することで先の答弁と違うニュアンスを引き出し、矛盾を追求することもあるだろうから、一概に無駄とは思いません。
しかしそれはただ単純に同じ同じ質問を繰り返すだけでは、同じやり取りになるだけなので、質問の仕方にも工夫が必要だという事ですよね。
「中継から10分遅れの放送」、此の事は後から知って「そうだったんだ。」と。でも、事情を考え合わせると、こういう措置自体は仕方無いでしょうね。実際、"最低限の決まり事"も守れない輩が居た様ですから、「個人情報なんか、知ったこっちゃ無い。」と許りに、口にするアホも出て来るでしょうから。(「中継から〇分遅れの放送」というのは、何か中国っぽくも在りますけれど。)
傍若無人なユーチューバーが居たとの事、こういう輩が、結局は世の中を住み辛くして行っている(様々な制限を掛けさせる要因と成っている)のですから、本当に困った物。元N党と党首のの様に、余りにも常軌を逸した言動をしている輩は、法で以て厳しく取り締まるべきでしょう。
同じ質問をする必要性、確かに在るでしょうね。実際、同じ質問が繰り返される中で、港発言が如何に整合性が取れていないかが明らかに成りましたし。
今回の記者会見とは関係無いのですが、YouTubeの在り方というのも、今後は問題に成って行く様に思います。自分の場合、地上波の番組に見るべき物が少なく成っているので、教養刑を中心にYouTubeのチャンネルを見る機会が増えているのですが、"ネット上の特徴"とはいえ、YouTubeのチャンネルにも嘘が可成り多い。「ナレーションを完全に機械音声任せにしている。」というケースは、嘘率が結構高い様に思われ、漢字の読み方の明らかな間違い等、「全くチェックする事無く、垂れ流しているな。」というのが明らか。
又、「〇〇さん死亡の真相」といった刺激的なサムネが付けられた動画も、大概は嘘。酷い場合には、其の〇〇さんが御存命の事も在る始末。
今回の事件で被害に遭われた女性アナウンサーの実名を記した上で、文字にするのを控える程"下品な性的描写"も表示したサムネを、某著名人(球団買収問題で脚光を浴びた彼)が挙げていた。「嘘だろ!」と思って中身を検証したら、そんな事なんか触れていない、実に酷い内容。酒を飲み乍ら、ヘラヘラ笑って、今回の事件を語っていたのには呆れ返ったし、コメント欄を見ると、「こういう表記と中身が全く合っていないのは酷いです!」といった批判が溢れ返っていた。厚顔無恥で、「自分さえ良ければどうでも良い。」という感じの彼ですから、再生数が稼げれば何でも在りなのでしょうが。