ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

浮き沈み

2011年10月06日 | 其の他

以前にも書いたけれど、「花形産業」も時代によって大きく変わっている。嘗ては“糸偏産業”と呼ばれた「繊維業」が、時代の先端行く時代が在った。造船業」が花形産業だった時代も在ったし、自分が就職活動をしていた頃は「金融業」、特に「証券業」が勢いを持っており、知り合いも何人かは証券業界に進んだもの。(後に、ほぼ全員が辞めてしまった様だが。

 

会社のこと よくわからないまま社会人になった人へ」(著者:池上彰氏)に、面白い文章が載っていた。

 

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会社は生き物だ、という話をしました。

 

例えば、五十年前のアメリカの大企業ベスト100のなかで、今でも残っている企業はGE(ゼネラル・エレクトリック)という会社、たった一社だけなんです。GEは、昔はその名の通り、電気製品や発電機を作って売る、電機メーカーでした。しかし、今ではメディアや金融サービスといった十一の多様な事業を世界100ヵ国以上で展開しています。日本でも、渋谷東邦生命買収して、GEキャピタル生命という社名で業務を展開しています。GEコンシューマー・ファイナンスというカード会社も運営しています。

 

これは、どういうことを示しているのでしょうか?GEが昔の電機メーカーのままでいたら、他の大企業と同じようにとっくに姿を消していたはずです。

 

ところが、ウェルチという天才的な経営者が、会社を存続させるために、これから発展しそうな新しい仕事にどんどん手を広げる一方、もうこれ以上の発展が望めない仕事はどんどん切り捨てていったのです。そのような変化を続けていくうちに、GEは社名だけを残して、まったく違う会社になっていったのです。

 

人間は生きていると、一見変わらないように見えて、実は常に変化しています。常に新しい細胞が生まれ、古くなった細胞が死んでいます。二十年前のあなたの細胞はもう存在していない。死んでしまって、代わりにそっくり新しい細胞に入れ替わっています。企業も実は同じように、常にあるものが生まれ、あるものが死んでいく。この変化を繰り返さないと、会社は生き延びれないのです。

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6年前に刊行された本、現在とは社名等が異なっているケースが在るのは御了承戴きたいが、此の本の中では「姿を変え、発展した日本の企業たち」というのが紹介されており、其の幾つかを下記する。

 

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=姿を変え、発展した日本の企業たち=

 

シャープ

早川電気からスタート。シャープ・ペンシルを作った。

 

イトーヨーカ堂

創業当初は伊藤洋華堂という洋服屋だった。今では、スーパーの勝ち組みに。

 

トヨタ

豊田自動織機という織物の機械を作る会社だった。自動車産業に進出し、世界のトヨタへ。

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トヨタの場合は古くから伝記等で会社の成り立ちが喧伝されて来たので、有名な話だとは思う。時代の変化に合わせて業務を変えて行き、其の結果として生き残って来た企業も在れば、彼此と色んな分野に手を広げて行った結果、本業が何なのか判らなくなってしまい、没落した企業も在ったりする。地道に1つの事を行い続けた事で、今も残る企業だって在るし、「世の中の動きを見極めるトップの目が、其の企業の浮き沈みを決める。」のは言うも無いだろう。


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4 コメント

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へえ~ (悠々遊)
2011-10-06 21:17:34
アメリカの大企業ベスト100の内、残っているのがたった1社とは、にわかには信じがたいですね。航空機メーカー(ボーイングなど)や自動車メーカー(GMやフォードなど)は、50年前からアメリカを代表する大企業だったような気がするんだけど。それに、石油産業やIBMも。子供の頃からよく耳にしていたので。
http://www.ritsbagakkai.jp/pdf/435_05.pdf

もうひとつ。人間の細胞のうち、脳細胞は10歳までに完成してしまい、新たに造られる事無く、毎日約10万づつ失われていく、と昔聞いたことがありますが。怒りなどで頭に血が上るようなことがあると、一挙に数10万も失われるとか。
感情むき出しで激しく怒ると、脳細胞に良くないので、穏やかに平穏無事でいることが長生きにつながるようです。(笑)

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>悠々遊様 (giants-55)
2011-10-06 21:43:46
書き込み有り難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰います。


「五十年前のアメリカの大企業ベスト100」という部分、自分も読んでいて気になりました。知りもしない事を然も知っている様に平然と語り、誤りが指摘されると謝罪もしないでさらっと訂正するだけという「みの何某」とは異なり、池上氏の場合は何等かの文献に当たった上での記述と思うのですが、抑が「何を以ってして『大企業』と称するのか?」や「どういう基準での『ベスト100』なのか?」という疑問が自分の中には在りました。唯、何しろ「五十年前」の文献の様ですし、「池上氏が紹介しているのなら、何等かの文献を基にしての記述だろう。」と信頼し、紹介させて貰った次第です。

「怒る事で、多くの細胞が死滅する。」という話は、良く見聞しますね。真偽の程は別にして、笑うと健康体になれそう(維持出来そう)な気がするし、逆に怒ると身体に良くなさそうというのは、体験的にも感じます。
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ベンチャー (まろ)
2011-10-07 09:19:47
初めてお邪魔します。
どこかで聞いたことのある人だなあ、いや違うかなあ、などと(笑)
実は二十年ほど前、関西のTV局で「心はベンチャー」というビジネス番組をやっていたことがあります。
当時、注目を浴びていたベンチャー企業の経営者や起業家を招いて大いに語ってもらう番組で、出演者にも勢いがありました。
ところが二十年後、その中で残っている企業なり経営者は本当に数えるほどです。資金ぐりに窮して倒産した会社はもちろん、他社に吸収されたり、当の経営者本人が自殺したり、大手の誘いに乗って海外進出をして大失敗をしたり・・・まあ、惨憺たる結果です。
よく「日本はベンチャーが育たない」と言いますが、実際、一度失敗するとその烙印を押され、再挑戦が出来ない息苦しい社会なのですね。アメリカではその「失敗経験」をキャリアとして評価しますが、やはりビジネス風土の違いでしょうか。
栄枯盛衰は世の常とは言え、もう少し「希望」がないと、日本経済も変わっていかないのでは。元凶は銀行だとおもうのですが・・・
面白いので、これからもちょくちょくお邪魔させてもらいます。
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>まろ様 (giants-55)
2011-10-07 20:58:55
初めまして。書き込み有り難う御座いました。今回は此方にレスを付けさせて貰います。

まろ様は放送作家をされておられるのですね。マスメディアに就職(新聞記者に憧れておりました。)したくて堪らなかったものの、能力が足りずに別の世界へ進んだ者としては、羨ましい限りです。

以前に何度か書いたのですが(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/29f5d9a6760c1af1be1a8dbb6351b767)、自分はジャーナリストのばばこういち氏に憧れの思いを持っておりました。理不尽な事柄にずばっと切り込む彼の姿勢は忘れられず、物書きになれなかった寂しさを紛らす意味も在って始めた当ブログも、其のタイトルにばば氏と関連深い某コーナー名を使わせて貰った次第です。

日本と他国とのビジネス風土の違いというのは、確かに在りますね。日本には日本の良さも在るとは思うけれど、一度失敗すると「失敗者」という烙印を押され、中々浮び上れないというのは日本の悪しき部分。勿論、其れでも這い上がって、成功を掴み取った“先輩達”も居られますが。


海外に行って目に付くのは、何処の国に行っても存在している「中華街」。良くも悪くも中国人の強かさを感じると共に、「彼等と比べると、日本人は弱いのかなあ。」と思ってしまう。良く言えば「御人好し」なのでしょうが・・・。

今後とも何卒宜しく御願い致します。
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