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沢山の人々が行き交うバス・ターミナル「バスクル新宿」。其れ其れの目的地を持つ人々が、一時同じ時間を過ごし、同じ事件に巻き込まれて・・・。
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大崎梢さんの小説「バスクル新宿」は、バス・ターミナル「バスクル新宿」に集まり、長距離夜行バスに乗る人々の姿を描いている。5つの短編小説から構成されているが、1つ目から4つ目に登場した人々が、最後の5つ目の作品で“終結”し、或る目的の為に協力し合う。
心に響いたのは、2つ目の「チケットの向こうに」という作品。「人って、表面的な部分だけでは判らないんだよなあ・・・。」という“当たり前の事”を再認識させられるし、何よりもジーンと来る物が在る。
全体的に言えば、「まあまあの内容かな。」という感じ。「チケットの向こうに」以外はそんなに心に響かないし、最後の5つ目の作品に到っては、御都合主義的な感じが否めない。1つ目から4つ目の作品に登場する或る人物の存在が、「そういう意味合いだったのか!」と思わせる部分は在るけれど・・・。
総合評価は、星3つとする。