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「サウジアラビア 石油鉱物資源相等閣僚交代」(5月8日、NHK)
中東の産油国サウジアラビアは長年、石油政策の中心を担って来た石油鉱物資源相を始めとする閣僚の交代や省庁の再編を発表し、石油生産に依存する財政からの脱却を進める決意を、国内外にアピールする狙いも在る物と見られます。
又、今後、石油鉱物資源省をエネルギー産業鉱物資源省にする等、省庁の再編や中央銀行に当たるサウジアラビア通貨庁の総裁の交代等、閣僚の交代も発表されました。
サウジアラビアは、原油価格の低迷で厳しい財政状況が続く中、サウジアラムコの新規株式公開を通じて調達した資金で投資を拡大する事等で、石油生産に依存する財政からの脱却を進めるとする経済改革の計画を先月、明らかにした許りです。
こうした経済改革は、サルマーン国王の息子のムハンマド副皇太子が中心になって進められていて、今回の発表は、新たな人事を通じて、「脱石油」を目指す改革の達成に向けた決意を、国内外にアピールする狙いも在る物と見られます。
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「此の世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 虧たる事も 無しと思へば」とは、平安時代の公卿・藤原道長が詠んだ短歌。藤原一族の全盛を象徴した歌としても有名だが、産油国で在るサウジアラビアも、“石油”という“強大な武器”を持っている事で、ずっと全盛を誇っていた。
機械による本格的な石油採掘が始まったのは、19世紀半ばと言われている。大分前から「後XX年で、石油は枯渇する。」という指摘がされ始め、「石油枯渇後の産油国は、どうなってしまうんだろう?」という思いが在ったが、シェールガス革命が起こった事で、産油国は想像していたよりも早く、岐路に立たされれしまった。