昨夜、今季のプロ野球が開幕戦を迎えた。シーズンオフには不祥事が続出したジャイアンツは、例年以上にピリピリとした雰囲気の中でプレイボールの掛け声を迎える事に。
現役を続ける筈が、チーム事情から現役引退&ジャイアンツの監督就任という道を選ばざるを得なかった高橋由伸氏。其の後に選手達の不祥事が次々と明らかになり、現監督として謝罪するに到っては、「貧乏籤を引かされたな。」という思いが増した。(現監督が謝罪するのは仕方無いけれど、問題は彼が監督に就任する以前に起こった事。はっきり言えば、原辰徳氏が監督就任時に発生した事なので、“前監督として”謝罪の一言が在っても良かったと思う。)
そんな思いが在ったので、高橋監督には何としても頑張って欲しいと思っている。開幕戦は「3対1」でジャイアンツが勝利し、先ずは幸先の良い船出に。先発陣が質&量共に不足している状態を考えると、今後は厳しい闘いが待ち受けていると思うが、ジャイアンツ・ファンの1人として心から応援して行きたい。
閑話休題。
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「人工知能『ヒトラー正しかった。』・・・MSが実験中止を表明」(3月25日、朝日新聞)
米マイクロソフト(MS)が開発し、実験中だった人工知能(AI)の「Tay(テイ)」が、ツイッター上でヒトラーを肯定したり、人種差別的な言葉を発したりし始めた。同社は24日、暫く実験を中止する事を明らかにした。
MSによるとテイは、インターネット上で人間と遣り取りをすればする程言葉を学び、反応も覚える様になる。写真を送れば気の利いた感想を返す事も出来る。「開発にはコメディアン等も加わり、ネット上で人と繋がり、気楽に楽しい会話が出来る様に作られた。」(MS)と言う。然し、人がツイッター上に書き込む内容を覚えて行く為、此れを使って差別的な内容を覚えさせた人達が居たと見られる。
既にツイートは削除されたが、米CNNによると「ヒトラーは正しかった。ユダヤ人は嫌いだ。」、「フェミニストは嫌いだ。死んで、地獄で焼かれれば良い。」等とツイートしていた。MSは「テイは技術的な実験で在ると同時に、社会的、文化的実験でも在り、現在オフラインにして調整中。」とコメントしていると言う。
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4日前の記事「遂に此の分野迄・・・」で、人工知能が小説の“執筆”という分野迄進出した事の驚きを記したが、今回も人工知能に関する話。人工知能は能力が非常に高い一方で、“人の悪意”に弱さを見せる面も在るという証左か。
面白半分に差別的な内容を、Tayに覚えさせ様とした人間が居たのも事実だろう。でも、「匿名で書き込める(実際には、完全な匿名という訳では無いのだけれど。)という事から、インターネット上では人間の“暗部”が曝け出されている。」と言われており、インターネット上の遣り取りから言葉を学ぶという特質を考えると、意図的に覚えさせ様としなくても、自然と差別的な言葉をどんどん覚えてしまう可能性は高い。其れだけ今は、インターネット上に野卑で排他的な言葉が溢れているから。
人間も幼児期からインターネットにアクセスできる世の中になってきましたから、現実はより深刻だと思います。
なにしろ人工知能と違って、悪意ある外界から完全に遮断できませんからね。
3年前に発生した「2ちゃんねる個人情報流出事件」(https://ja.wikipedia.org/wiki/2%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%B5%81%E5%87%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6)では多数の個人情報が流出し、大騒ぎになりましたが、其の中で某作家が他の作家を“匿名”で執拗に誹謗中傷していた事が明らかになりました。“素の彼”からは考えられない程の野卑な誹謗中傷だった事も在り、謝罪に追い込まれただけでは無く、社会的な信用も失墜。
こういう事を我々は他山の石として、“情報モラル”を必要以上に意識し、そして書き込まなければと思います。
インターネットが“日常のツール”になった事で、子供達に対して教育現場が或る程度の“情報モラル”を教える必要も在るでしょうね。
逆に、人工知能の学習ペースを普通に抑えておけば、回避出来る出来事だったのかな、と思います。安易なフリーライダーを避ける事が出来る、という意味で。
いずれにしても、ネットは一種のエンターテイメントであり、学習や経験を求める人々だけではない事は、考慮しておくべきでしょうね。
今回の件、人工知能の“無垢さ”を悪用されてしまった感が在りますね。小説だったか映画だったか忘れましたが、「スポンジが水を吸収するが如く、どんどんと“知識”を周りの人間達から吸収して行くコンピューターが、結果として人間達の“悪意”をも学んでしまい、暴走してしまう。」なんていうストーリーが在りました。其れを、思い起こしてしまった。
人間が絶対的な存在では無い様に、パソコンも又同様。どういう媒体にせよ、出された“情報”が本当に正しいのか否かを、受け取る側の人間が、常に自分の頭で検証する作業をしないと、とんでもない事になってしまう。