幼少期より御笑い大好きな自分だが、大嫌いなタイプの御笑いも在る。「芸という物が全く感じられない一発ギャグだけでの御笑い。」、「萩本欽一氏や明石家さんま氏に代表される、ねちっこ"過ぎる"弄りでの御笑い。」、そして「完全な内輪ネタでの御笑い。」だ。特に、最後の「完全な内輪ネタでの御笑い。」は、全く理解出来無い。
20年前の記事「フジは公私混同を叱れるのか?」や7年前の記事「"内輪ネタ"が、未だに"一般受け"すると思っている感覚の鈍さ」等、自分は過去に何度もフジテレビを批判して来た。何処のメディアも大なり小なり問題を抱えてはいるけれど、フジテレビの場合は余りに問題が多過ぎて、"社会の公器"という自覚が同局からは全く感じられなかったので。
何度も書いて来た事だが、今回改めて「フジテレビの問題体質」を列挙する。
*****************************************************************
「フジテレビの問題体質」
① 公私混同の酷さ
「楽しく無ければTVじゃ無い」というキャッチフレーズを打ち出した1981年より、フジテレビのヴァラエティー路線は顕著と成り、其の結果として同局は"民放の王者"に上り詰める。「面白ければ、又、視聴率を稼げれば、何を遣っても許される。」という同局の"驕り"は、1980年代から出来上がって行ったと言って良いだろう。
社会の公器という自覚を無くし、自社イヴェントの宣伝を番組内で当たり前の様に垂れ流す。百歩譲ってヴァラエティー番組内でなら未だしも、報道番組内で、其れも他に最優先で扱うべき重要なニュースが在るのに、先んじて自社イヴェントの宣伝を報じるに到っては、もう憤りの思いしか無かった。
② 内輪ネタが面白いと感じている馬鹿さ加減
とんねるずの事を初めて知ったのは、御笑いオーディション番組の「お笑いスター誕生!!」【動画】でだった。"学生芸"の匂いは在ったものの、"派手さ"と"勢い"が在り、「面白い連中が出て来たなあ。」と思った物。
で、彼等が人気を確立したのは、フジテレビ系列の深夜番組「オールナイトフジ」【動画】にレギュラー出演した事だった。然し、自分の場合は「此の番組に出演した辺りから、とんねるずは面白く無くなって行った。」と思っている。
元々、内輪ネタが大好きな同番組だったが、とんねるずの2人も其の流れに乗っかり、「内輪ネタで笑わそう。」というスタンスが露骨に成って行った。バブル景気到来と共に、所謂"業界ネタ"を面白がる様な視聴者が"一部には"存在した事も在り、「番組のスタッフの名前を"ちゃん付け"して呼び、彼等を画面上に登場させるとんねるず。更にはスタッフ達に扮したキャラクター姿で2人が登場する事も、当たり前に成って行き、そういう内輪ネタの面白さが全く理解出来無い自分には、『とんねるずは面白く無くなって行った。』という思いしか無かった。」のだ。
スタッフからすれば「自分達の事を目に掛けてくれるとんねるずは良い!」という事に成ろうし、とんねるずからすると「そんなスタッフが増える事で、自分達の出演番組が増える。」という思いは当然在ったろう。当時、とんねるずの2人から良く取り上げられていた代表格が日枝久氏と港浩一氏。彼等が自分達を"宣伝"してくれて、関係している番組の視聴率も高かった事から、彼等はフジテレビ内でステータスを上げて行く。社長に就任し、現在はフジサンケイグループ代表と成っている日枝氏は、40年近くもの間"フジテレビのドン"として君臨し続けているし、港氏はフジテレビの現社長。今でも2人がとんねるずとべったりな関係に在るのは有名で、「売れっ子の御笑いタレントと密接な関係を築けたら、局内で大出世出来る。」という"悪しき流れ"は、彼等によって確立されたと言って良い。
③ コネ採用の酷さ
昔から「大手メディアによる、有名人の子息のコネ採用。」というのは在ったが、フジテレビは特に酷い。「能力の高さから採用した人物が、偶有名人の子息だった。」というのなら問題無いが、言っちゃ悪いけれど「有名人の子息じゃ無かったら、100%採用されない。」としか思えない様なレヴェルの人物が、フジテレビでは余りにも目立つ。大きな志と高い能力を持ち、「どうしてもフジテレビで働きたい。」という志願者が、訳の判らないコネ採用によって落とされたとしたら、"社会の公器"たる立場の企業としては大問題だろう。
*****************************************************************
問題体質は他にも在るが、嘗ては"民放の王者"に上り詰めたフジテレビが、今や大きく凋落してしまったのは、上記の3つが大きく影響している様に思う。「何を遣っても許される。」、「『視聴者が何を求めているか?』よりも、身内ネタを取り上げる方が大事。」、「コネ採用は当たり前。」といった意識が社内を"腐敗"させ、問題が起きても「隠蔽すれば良い。」という方向に走らせてしまった。
昨年12月に明らかと成った「中居正広氏の女性トラブル」。「昨年6月、フジテレビの女性アナウンサー・Aさんが、中居正広氏から"深刻な被害"を受け、PTSDを発症。長期休養の後、退社に追い込まれた。」というトラブルの"様だが"、何しろ「両者の間で和解が成立しており、事件の詳細に付いては口外しない取り決めに成っている。」という話も在り、「実際に何が在ったのか?」も含め、良く判らない部分が多い。なので、当ブログでも記事にするのをずっと控えていた。
当初、「中居氏はAさんに対し、9千万円近くの和解金を支払った。」と報道された。「日本の場合、和解金と言えば数百万円規模。」という認識が在るので、「こんなにも高額な和解金を支払ったって、余りにも悪質な事をしたんだろうな。」と思っていたのだが、「トラブルが在ったのは事実だけれど、そんな高額な和解金は貰っていない。」というAさんの発言が、昨日に成って報じられた。
又、「9千万円もの″口止め料"を貰ったのに、何故今に成って、事件の事が報じられたのか?」と、Aさんに対する批判の声も在る。だが、Aさんを批判するのは全くの筋違いだ。中居氏自身が認めている様に「事件が在った事自体は事実だし、其れもAさんが退社に追い込まれる程、心身に深刻なダメージを与える物で在った事も確かだろう。」から、批判されるべきは中居氏で在る。
其れに、後述する様に「"フジテレビの女性上納システム"は以前から存在していて、今も続いている(としている)。」事や、「今回の事件を知った後もフジテレビは組織として事件に(中居氏側の立場として)関与した社員を守り、彼に対して何の咎めも無い許りか、隠蔽を図っている。被害に遭ったのは自分だけでは無く、今後も被害者は増えるだろう。」という反省無きフジテレビへの憤りの思いも、Aさんには在っただろう。「事件の詳細を口外しない。」という取り決めが在った"としても"、其れは中居氏に関する部分だけで在ろうし、関与した社員やフジテレビは当該していないと思われる。(実際、中居氏の事件に関する詳細は出て来いないし。)そういう意味でも、仮に事件の事がAさんから漏れていた"としても"、自分は「全く問題無し。」と判断する。
フジテレビの編成幹部B氏。彼は松本人志氏や中居氏から寵愛を受け、異例の大出世を遂げた人物(日枝氏や港氏と同じパターン。)。そんなB氏からAさんは昨年6月、「"皆"で飲み会をするので、来ないか?」と声を掛けられたと言う。「影響力の在るB氏の誘いを断ったら、仕事で使って貰えなくなる。大勢での飲み会の様だし、行くしか無い。」と考え、集合場所を訪れると、其処(中居氏の自宅?)には中居氏しか居なかった。B氏を含めた他の参加予定者は、"都合良く"「急用が入ったので参加出来ない。」との事。そんな2人っきりの場所で、Aさんは被害に遭った事に成る。事実だとしたら、B氏が"罠"に掛けたという事だろう。
此の報道を受けて直ぐ、港社長が出したコメントは「当社の人間(B氏を含め)は、一切関わっていない。」という物だった。「物理的に、社内を含めて徹底調査を行った。」とは到底思えない、極めて短時間での"決め付け"はとても違和感が在り、「寵愛しているB氏を守り、徹底して隠蔽する。」という港社長の思いが透けて見えたのは、果たして自分だけだろうか?中居氏の事件自体に触れなかったのも、フジテレビと中居氏との密接さが原因だろう。
今週に成って、フジテレビの"別の女性アナウンサー"のCさんからも、「(Aさんと同じく)B氏の罠によって、中居氏と一緒にさせられ、被害に遭いそうに成った。」との証言が出て来た。Cさんの場合、「B氏の他にフジテレビの関係者、1人の男性タレント、そして後から来た(フジテレビの)女性アナウンサー2人が居た。」が、B氏を含めたフジテレビのスタッフは次々と部屋から消えて行き、残ったのは中居氏と男性タレント、Cさんともう1人の女性アナウンサーだけに成ったそうだ。もう1人の女性アナウンサーは、中居氏及び男性タレントのタイプでは無かったと思われる。で、Cさんは男性タレントから体を触られる等した為、怖く成ってトイレに逃げ込み、暫くして出てみると男性タレントが全裸で待ち受けていたと言う。結局、Cさんは徹底的に"拒否"した事で、以降、何故か再び現れたB氏と共に飲んで、被害を免れた。でも、拒否した事が影響してか、仕事面で"干された状態"に成ったと。
フジテレビに知り合いが居たので、色々"内情"は聞いていた。"フジテレビのドン"と成った日枝氏が、女性アナウンサーを引き連れて、局内を"大名行列"している。」という話には「前時代的だなあ。」と呆れ返ってしまったし、「内(フジテレビ)って上の人間が、女性アナウンサーや女性スタッフを丸で"所有物"の様に思っていて、接待に彼女達を連れて行っては、時に"上納"する様な事も在ると何度か聞いた。」という話には、「其れじゃあ女衒じゃないか!」と憤ってしまった。今回、新たに証言したCさんも「そういうフジテレビの悪しき体質は、現社長の港氏も受け継いでいる。」と語っているし、知り合いの話は全くの嘘では無かった様だ。港氏が本当に悪しき体質を引き継いでいるのだとしたら、事件の隠蔽はB氏を守る為だけでは無く、自身をも守る為と言える。
自身の出世の為、望んで自らの身を上納する者"も"居るだろう。そういう連中は全く擁護出来無いが、AさんやCさんの様な場合は"完全な被害者"で在り、(B氏を含めた)加害者達は断罪されるべきで在る。中居氏に対して好印象をずっと持っていたけれど、今回の件が全て事実ならば、一番に断罪されるのは当然の事。
嘗ては「ママとあそぼう!ピンポンパン」【動画】等、良い番組を多く送り出して来たけれど、こうも腐敗し切り、隠蔽を図り続け様としている(としか思えない)状態では、抜本的な体質改善なんて望め様も無い。(昨日行われた港社長の"記者会見"と称される物も「フリー・ジャーナリストは出席させない。」、「記者会見の様子は撮影させない。(冒頭の映像のみ撮影OK。)」、「質問は、"限定された条件"でのみOK。」等、とても記者会見と呼べる代物では無かった。)
2011年に高岡蒼佑氏の発言が元に成って、「フジテレビは潰した方が良い!」という声が高まった際には、「"嫌韓"を悪用しているだけの、全く筋違いの声だ。」と共感出来無かったが、今回の場合に関しては「抜本的に"体質"を改められないので在れば、フジテレビは潰した方が良い。」と自分も思っている。