幼少期より御笑い大好きな自分だが、大嫌いなタイプの御笑いも在る。「芸という物が全く感じられない一発ギャグだけでの御笑い。」、「萩本欽一氏や明石家さんま氏に代表される、ねちっこ"過ぎる"弄りでの御笑い。」、そして「完全な内輪ネタでの御笑い。」だ。特に、最後の「完全な内輪ネタでの御笑い。」は、全く理解出来無い。
20年前の記事「フジは公私混同を叱れるのか?」や7年前の記事「"内輪ネタ"が、未だに"一般受け"すると思っている感覚の鈍さ」等、自分は過去に何度もフジテレビを批判して来た。何処のメディアも大なり小なり問題を抱えてはいるけれど、フジテレビの場合は余りに問題が多過ぎて、"社会の公器"という自覚が同局からは全く感じられなかったので。
何度も書いて来た事だが、今回改めて「フジテレビの問題体質」を列挙する。
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「フジテレビの問題体質」
① 公私混同の酷さ
「楽しく無ければTVじゃ無い」というキャッチフレーズを打ち出した1981年より、フジテレビのヴァラエティー路線は顕著と成り、其の結果として同局は"民放の王者"に上り詰める。「面白ければ、又、視聴率を稼げれば、何を遣っても許される。」という同局の"驕り"は、1980年代から出来上がって行ったと言って良いだろう。
社会の公器という自覚を無くし、自社イヴェントの宣伝を番組内で当たり前の様に垂れ流す。百歩譲ってヴァラエティー番組内でなら未だしも、報道番組内で、其れも他に最優先で扱うべき重要なニュースが在るのに、先んじて自社イヴェントの宣伝を報じるに到っては、もう憤りの思いしか無かった。
② 内輪ネタが面白いと感じている馬鹿さ加減
とんねるずの事を初めて知ったのは、御笑いオーディション番組の「お笑いスター誕生!!」【動画】でだった。"学生芸"の匂いは在ったものの、"派手さ"と"勢い"が在り、「面白い連中が出て来たなあ。」と思った物。
で、彼等が人気を確立したのは、フジテレビ系列の深夜番組「オールナイトフジ」【動画】にレギュラー出演した事だった。然し、自分の場合は「此の番組に出演した辺りから、とんねるずは面白く無くなって行った。」と思っている。
元々、内輪ネタが大好きな同番組だったが、とんねるずの2人も其の流れに乗っかり、「内輪ネタで笑わそう。」というスタンスが露骨に成って行った。バブル景気到来と共に、所謂"業界ネタ"を面白がる様な視聴者が"一部には"存在した事も在り、「番組のスタッフの名前を"ちゃん付け"して呼び、彼等を画面上に登場させるとんねるず。更にはスタッフ達に扮したキャラクター姿で2人が登場する事も、当たり前に成って行き、そういう内輪ネタの面白さが全く理解出来無い自分には、『とんねるずは面白く無くなって行った。』という思いしか無かった。」のだ。
スタッフからすれば「自分達の事を目に掛けてくれるとんねるずは良い!」という事に成ろうし、とんねるずからすると「そんなスタッフが増える事で、自分達の出演番組が増える。」という思いは当然在ったろう。当時、とんねるずの2人から良く取り上げられていた代表格が日枝久氏と港浩一氏。彼等が自分達を"宣伝"してくれて、関係している番組の視聴率も高かった事から、彼等はフジテレビ内でステータスを上げて行く。社長に就任し、現在はフジサンケイグループ代表と成っている日枝氏は、40年近くもの間"フジテレビのドン"として君臨し続けているし、港氏はフジテレビの現社長。今でも2人がとんねるずとべったりな関係に在るのは有名で、「売れっ子の御笑いタレントと密接な関係を築けたら、局内で大出世出来る。」という"悪しき流れ"は、彼等によって確立されたと言って良い。
③ コネ採用の酷さ
昔から「大手メディアによる、有名人の子息のコネ採用。」というのは在ったが、フジテレビは特に酷い。「能力の高さから採用した人物が、偶有名人の子息だった。」というのなら問題無いが、言っちゃ悪いけれど「有名人の子息じゃ無かったら、100%採用されない。」としか思えない様なレヴェルの人物が、フジテレビでは余りにも目立つ。大きな志と高い能力を持ち、「どうしてもフジテレビで働きたい。」という志願者が、訳の判らないコネ採用によって落とされたとしたら、"社会の公器"たる立場の企業としては大問題だろう。
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問題体質は他にも在るが、嘗ては"民放の王者"に上り詰めたフジテレビが、今や大きく凋落してしまったのは、上記の3つが大きく影響している様に思う。「何を遣っても許される。」、「『視聴者が何を求めているか?』よりも、身内ネタを取り上げる方が大事。」、「コネ採用は当たり前。」といった意識が社内を"腐敗"させ、問題が起きても「隠蔽すれば良い。」という方向に走らせてしまった。
昨年12月に明らかと成った「中居正広氏の女性トラブル」。「一昨年6月、フジテレビの女性アナウンサー・Aさんが、中居正広氏から"深刻な被害"を受け、PTSDを発症。長期休養の後、退社に追い込まれた。」というトラブルの"様だが"、何しろ「両者の間で和解が成立しており、事件の詳細に付いては口外しない取り決めに成っている。」という話も在り、「実際に何が在ったのか?」も含め、良く判らない部分が多い。なので、当ブログでも記事にするのをずっと控えていた。
当初、「中居氏はAさんに対し、9千万円近くの和解金を支払った。」と報道された。「日本の場合、和解金と言えば数百万円規模。」という認識が在るので、「こんなにも高額な和解金を支払ったって、余りにも悪質な事をしたんだろうな。」と思っていたのだが、「トラブルが在ったのは事実だけれど、そんな高額な和解金は貰っていない。」というAさんの発言が、昨日に成って報じられた。
又、「9千万円もの″口止め料"を貰ったのに、何故今に成って、事件の事が報じられたのか?」と、Aさんに対する批判の声も在る。だが、Aさんを批判するのは全くの筋違いだ。中居氏自身が認めている様に「事件が在った事自体は事実だし、其れもAさんが退社に追い込まれる程、心身に深刻なダメージを与える物で在った事も確かだろう。」から、批判されるべきは中居氏で在る。
其れに、後述する様に「"フジテレビの女性上納システム"は以前から存在していて、今も続いている(としている)。」事や、「今回の事件を知った後もフジテレビは組織として事件に(中居氏側の立場として)関与した社員を守り、彼に対して何の咎めも無い許りか、隠蔽を図っている。被害に遭ったのは自分だけでは無く、今後も被害者は増えるだろう。」という反省無きフジテレビへの憤りの思いも、Aさんには在っただろう。「事件の詳細を口外しない。」という取り決めが在った"としても"、其れは中居氏に関する部分だけで在ろうし、関与した社員やフジテレビは当該していないと思われる。(実際、中居氏の事件に関する詳細は出て来いないし。)そういう意味でも、仮に事件の事がAさんから漏れていた"としても"、自分は「全く問題無し。」と判断する。
フジテレビの編成幹部B氏。彼は松本人志氏や中居氏から寵愛を受け、異例の大出世を遂げた人物(日枝氏や港氏と同じパターン。)。そんなB氏からAさんは昨年6月、「"皆"で飲み会をするので、来ないか?」と声を掛けられたと言う。「影響力の在るB氏の誘いを断ったら、仕事で使って貰えなくなる。大勢での飲み会の様だし、行くしか無い。」と考え、集合場所を訪れると、其処(中居氏の自宅?)には中居氏しか居なかった。B氏を含めた他の参加予定者は、"都合良く"「急用が入ったので参加出来ない。」との事。そんな2人っきりの場所で、Aさんは被害に遭った事に成る。事実だとしたら、B氏が"罠"に掛けたという事だろう。
此の報道を受けて直ぐ、港社長が出したコメントは「当社の人間(B氏を含め)は、一切関わっていない。」という物だった。「物理的に、社内を含めて徹底調査を行った。」とは到底思えない、極めて短時間での"決め付け"はとても違和感が在り、「寵愛しているB氏を守り、徹底して隠蔽する。」という港社長の思いが透けて見えたのは、果たして自分だけだろうか?中居氏の事件自体に触れなかったのも、フジテレビと中居氏との密接さが原因だろう。
今週に成って、フジテレビの"別の女性アナウンサー"のCさんからも、「(Aさんと同じく)B氏の罠によって、中居氏と一緒にさせられ、被害に遭いそうに成った。」との証言が出て来た。Cさんの場合、「B氏の他にフジテレビの関係者、1人の男性タレント、そして後から来た(フジテレビの)女性アナウンサー2人が居た。」が、B氏を含めたフジテレビのスタッフは次々と部屋から消えて行き、残ったのは中居氏と男性タレント、Cさんともう1人の女性アナウンサーだけに成ったそうだ。もう1人の女性アナウンサーは、中居氏及び男性タレントのタイプでは無かったと思われる。で、Cさんは男性タレントから体を触られる等した為、怖く成ってトイレに逃げ込み、暫くして出てみると男性タレントが全裸で待ち受けていたと言う。結局、Cさんは徹底的に"拒否"した事で、以降、何故か再び現れたB氏と共に飲んで、被害を免れた。でも、拒否した事が影響してか、仕事面で"干された状態"に成ったと。
フジテレビに知り合いが居たので、色々"内情"は聞いていた。「"フジテレビのドン"と成った日枝氏が、女性アナウンサーを引き連れて、局内を"大名行列"している。」という話には「前時代的だなあ。」と呆れ返ってしまったし、「内(フジテレビ)って上の人間が、女性アナウンサーや女性スタッフを丸で"所有物"の様に思っていて、接待に彼女達を連れて行っては、時に"上納"する様な事も在ると何度か聞いた。」という話には、「其れじゃあ女衒じゃないか!」と憤ってしまった。今回、新たに証言したCさんも「そういうフジテレビの悪しき体質は、現社長の港氏も受け継いでいる。」と語っているし、知り合いの話は全くの嘘では無かった様だ。港氏が本当に悪しき体質を引き継いでいるのだとしたら、事件の隠蔽はB氏を守る為だけでは無く、自身をも守る為と言える。
自身の出世の為、望んで自らの身を上納する者"も"居るだろう。そういう連中は全く擁護出来無いが、AさんやCさんの様な場合は"完全な被害者"で在り、(B氏を含めた)加害者達は断罪されるべきで在る。中居氏に対して好印象をずっと持っていたけれど、今回の件が全て事実ならば、一番に断罪されるのは当然の事。
嘗ては「ママとあそぼう!ピンポンパン」【動画】等、良い番組を多く送り出して来たけれど、こうも腐敗し切り、隠蔽を図り続け様としている(としか思えない)状態では、抜本的な体質改善なんて望め様も無い。(昨日行われた港社長の"記者会見"と称される物も「フリー・ジャーナリストは出席させない。」、「記者会見の様子は撮影させない。(冒頭の映像のみ撮影OK。)」、「質問は、"限定された条件"でのみOK。」等、とても記者会見と呼べる代物では無かった。)
2011年に高岡蒼佑氏の発言が元に成って、「フジテレビは潰した方が良い!」という声が高まった際には、「"嫌韓"を悪用しているだけの、全く筋違いの声だ。」と共感出来無かったが、今回の場合に関しては「抜本的に"体質"を改められないので在れば、フジテレビは潰した方が良い。」と自分も思っている。
まず、Aさんが、中居正広氏から"深刻な被害"を受けたのは、2023年6月ですから、昨年ではなく、“一昨年”の間違いです。
それはともかく、港社長の会見で、「(港社長を含む)局側が、中居と女性のトラブル発生直後の23年6月から事態を把握していた」とあったのには仰天しました。
そんなに早くトラブルを知っていたのに、「中居への正式な聞き取り調査に着手することは「より多くの人間がこの件を知る状況を生む」と判断し、本格的な調査は避けた」と言ってます。白々しい言い訳ですね。
この場合は、把握した時点で双方から聞き取りを行い、中居氏の加害が事実であるなら(実際9千万円近くの和解金を支払ったという事は事実だという事でしょう)、中居氏をすべての番組から降板させるべきでした。本来なら刑事事件になってもおかしくない重大事案ですから。
ところがその後も中居氏はレギュラー番組を続投したばかりか、なんとドジャースが優勝したMLBワールドシリーズ第5戦の中継特番や、「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」などフジの主要番組に出演させているのです。まるで事件はなかったの如くです。Aさんがこんな状況を見たら、PTSDがますます酷くなったかも知れません。呆れて物も言えません。
フジテレビは腐ってますね。giants-55さんが仰る通り、こんなテレビ局は潰した方がいいかも知れませんね。
事件の発生時期、御指摘の通り「一昨年」が正しいです。御指摘、有難う御座いました。訂正させて貰います。
今回の事件、昨年の12月に女性誌が第一報を打ち、続いて"文春砲"が炸裂した訳ですが、其の他のメディア、取り分けTVは"黙り"を決め込んでいる感じが在りましたね。でも、海外のメディアが報じ始めると、手の平を返した様にTVも報じ出した。「"外圧"が掛からないと、全く報じない日本の大手メディア。」という構図は、「ジャニ―喜多川の性加害事件」と全く同じで、過去の過ちから何も学んでいなかったという事ですね。
「双方で和解が成立しているとの事で、事件の詳細が把握出来ないから。」等、色々と報じなかった"言い訳"をしている様ですが、結局は「視聴率を稼げる人気タレント・中居正広氏の機嫌を損ねたく無い。」という思いが在ったのは明らかでしょう。
又、今回の港社長の記者会見も「フリー・ジャーナリスト等は排除された、極めて限られたメディアしか出席出来無かった。」、「記者会見自体の放送はNGで、撮れたのは会見前の映像だけ。」、「約100分の間に、約50回も『回答出来無い。』を連発。」等々、とても「公明正大な放送を使命としている放送局。」とは思えない状況。抑、「極めて限られたメディアしか出席出来ない。」事が判った時点で、出席出来たメディアの中から「おかしい!」と席を立つ人間が居なかった事が、メディアの腐り具合を表している気がします。
放送局って大なり小なり"村体質"な所が在る様ですが、フジテレビの場合は余りにも酷い。記事でも書いた様に、「内輪ノリが大好きな体質が行き過ぎ、『自分達の"ノリ"は正しいんだ!だって、視聴率稼いでるんだも~ん!』という勘違いが社内に充満していた。」のではないかと。そんな雰囲気だからこそ、普通に考えればおかしい事が、「おかしい!」と言えない風土が出来上がっていた様に感じます。
港氏が社長に就任して以降、「フジテレビ港賞」なる物が創設されていたというのを、今回初めて知りました。港社長への提案の中から、優れた物に対して表彰するという制度で、まあこういう類いの物は他の会社でも在りますが、驚いたのは『港社長と一緒にディナー出来る賞』なる物が存在し、昨年の受賞者は今回の事件の被害女性からの"事件報告"を握り潰したとも言われている上司の女性アナ。握り潰したのが事実かどうかは不明ですが、こんなセクハラ擬きの賞、其れも内輪ノリの極致の様な賞を設けていた事自体、フジテレビの病巣の深さを感じてしまう。
元々、自民党と密接な関係に在るフジテレビ。安倍元首相時代の阿りは"不気味さ"を感じる程でしたが、其の自民党がグラついている今、フジテレビも崩壊した方が良いと思います。
「月刊Will」や「月刊hanada」と同列と私は見做していますが、一応日本の新聞の5大紙のひとつであり、その影響力を考えるとより思想洗脳の罪は重いと感じています。
メディアが一律に同じ論調で報じる必要は無く、"其のメディアの色"を打ち出して報じる事自体は「在り。」だと考えているのですが、其れも"程度の問題"。元々、自民党寄りの報道姿勢が目立っていたフジサンケイグループですが、安倍政権以降は"極右傾向"が鮮明と成り、受け容れ難い物を感じておりました。
こう書くと"ネトウヨ"の人達からは、「偏向報道というのならば、朝日新聞や毎日新聞、東京新聞等はどうなんだ!」と言われそうですが、抑「大手メディアには"権力に対する監視"という役割が在り、そういう意味では、権力に対して或る程度厳しい目を向けるのは当然の事。」だと考えています。勿論、誤報は論外ですが。