昔、学芸大学駅の小さな中華料理店で食べたトマトと玉子の料理が忘れられず、いつか作りたいと思っていた。
そうしたら先日病院の待合室でフーさんを待っているときに、無音のテレビに、そっくりな料理の映像が出てきた。
料理教室の番組で、画面に材料が並んだのを見て、僕は急いで書きとめた。
それで今朝、冷蔵庫にトマトがたくさんあったので、これは作り時だとそのメモを出してきたのだが、
「トマト2コ、水500cc、くず粉大2,水大3,玉子、塩小1,ゴマ油大1,コショウ」
それしか書いてないので、よくわからない。
それに、僕が以前食べた料理は、トマトとトロッとした玉子が、絶妙にからまって平たい皿にのっていた。
だから水500ccというのは余計ではないか? これはスープか?
じゃあ似て見えたけれど、ちがう料理だったのかな?
でもせっかくだから、水500ccを除いて、メモした材料を全部使って炒めてみることにした。
(くず粉大2を水大3で溶く、という手順は想像出来たので、そこは外さず、小皿で溶いてから入れました)
が、なんだか全然違うものが出来上がった。
↑
あの日、食べたのは、こうではないのです。
しかも料理の中から「え、牛すじ?!」という透きとおった板状のものが、いくつか出てきた。
食べたら、固いゼリー状になった「くず」のようだった。……うん、まちがいない。
それが全部、僕の器の中にあったというのは、不幸中の幸い。
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