世相を表す語だと、あらためて、発表された50語をみる。流行語なのだから、世相を表すには違いないが、すると世相の捉え方にもよることになる。2015年ノミネートから、このそれぞれを審査員が、トップテン、大賞を選ぶという。マスコミを対象にしたもの、マスメディアにもてはやされたもの、この双方にも登場しないものというふうに、その語の使用者、使用媒体、使用目途、使用範囲、使用影響などが思い合わせられる。2015年の語として、いわば、一時現象であるから、それを知るか知らないか、知っているならば、どう思い起こすかとなる。この1年をどう過ごしたかとなるが、11月までとなると、最新の、くい打ちデータ改ざん というのが、候補に入っていないので、ただ採用されなかっただけか、あるいは歳末にあるかないかの流行語はどうなんだろうかと思った。 . . . 本文を読む
淑徳を考える。淑徳が辞書義によって、その訓読みの、しとやかな人間としての行いであると理解する。そして、そのあとに必ず、婦人の徳、女性の美徳となる。淑徳がなぜに、婦女子に限られるようになったか。そのまま使えば、淑徳は男子に当てはまらないようになる。おそらく淑女、貞淑、淑姫という用法があるために、淑女の美徳、女性のしとやかで貞淑な徳となったのであろう。その用例はどうであるか。淑の字として漢語に現れた熟語がそのままに日本語に定着して、それは古代漢語には、淑媛としてのもので、近代になって紳士淑女と訳語があてられた、その間にどうであったのか。淑徳の語は、日本国語大辞典で、文華秀麗集に見える。そのあとに、同辞書では、近代までの用例が見えない。 . . . 本文を読む