源氏物語の梗概は3世代にわたる。それは各巻ごとに展開すれば、首巻と巻袖に物語のすべてが象徴される。そう読むのは54帖を一つの作品とみるからである。源氏物語の巻き巻きは独立して物語となり、そのいくつかが物語の展開となって連鎖して時空を超えてつながりあっていく。注釈は並びの巻を編み出した。それは作者の意図であったか。物語の時間と空間の重層性を見せる。梗概をとらえると物語の塊は源氏の出生の物語、若さのみやび、ここには第1代の世、源氏の理想女性の追求、出世争いにおける悲嘆、女性たちとの恋、栄華を迎える壮年、ここには第2代の世、そして死後の世界となるが、晩年はものがたりにないので、ここには第3代の世となる。その長編であるがゆえに、梗概を語る、現代の研究者たちの解説は、玉上評釈に詳しく、これはまた角川文庫本の簡略なものにもなり、あるいは、日本古典文学大辞典、源氏物語の項に、秋山虔氏による詳細な解説とともに、梗概を載せる。 . . . 本文を読む
日本語文字表記で漢字の言葉にはそのまま、音読みであるので用い、訓読みはひらがな表記だけで行うという考え方がある。それを示すと、音読みの語というのが微妙なことになる。その主張通りにすれば、書き分けは容易であると思われるが、それを実践にした文章が梅棹忠雄の著作にあった。それは口述筆記の講演をもとにしたエッセイ集であった。知る人はローマ字論者としての意見があって、研究者として強くそれを著作で主張していた。その著作は、梅棹忠夫(著)「日本語の将来」 NHKブックス http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140910011/250-8075316-0009066 である。そしてそれまで、梅棹氏の著述で平仮名が多いということが読者の印象であったようであるが、それにはそう見える書き方があったのである。漢字を書くときに字音語はそのままにして、訓読みで送り仮名をつけるような語はすべて平仮名にするというのはそれなりに、漢語と、日本語とを、書き分けることである。それを想像するなら、実は読み分けることで、また、聞き分けているのである、その意識をもって日本語を聞くと、わかりよいことがある。講演集からエッセイへと編集するにあたって、編集者にそのように書き表すことをしたのであろう。その梅棹氏にローマ字論があることはまた首肯できるところである。学問の効率、その能率をローマ字入力のスピードに求めてカードづくりをするなら、そのカードが文化人類学、文明論の研究で実践されていた。そうすると、日本語タイプライターは、今のような漢字かな変換の人工頭脳持つ、その複雑さはいらないのか、と、素人に考えてしまうのだが、ワードプロセサーを要しないということはそういうことでもないであろう。コンピュータ処理があれば、それが可能であるところまで技術は進んで来たので、インプットには日本語文法が働くのである。このように、日本語文字論を見ていくと古くて新しいローマ字化論が出てくるが、そこには日本語の視認性が論じられることが少ないようである。 . . . 本文を読む
存立事態でキーワード検索したら、次が並んだ。存立危機事態の用語で法律まであるとなれば、安全保障法制という関連法案の名であったかと思い出すようなことである。そこで、定義を検索して、コトバンク> 朝日新聞掲載「キーワード」> 存立危機事態とは をみる。それで、集団自衛権の3要件のひとつ、その議論であった。次いで、その意味を繰ると、平和学会の説明が、囲みで出てきた。集団自衛権のもと、他国の武力攻撃が同盟国におよび、その時におこる我が国の存立危機とある。 存立危機事態法 武力攻撃存立危機事態法 存立危機事態安全確保法 武力攻撃事態法存立危機事態 存立危機事態 存立事態英語 存立危険事態 安保法制存立事態 存立危機事態意味 存立危機事態定義 存立事態は、Existence situation という英訳になる。
辞書義での説明は、次にある。 . . . 本文を読む