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日本語文法文章論 紙飛行機に夢乗せ

2014-09-12 | 日本語文法文章論
現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、紙飛行機に夢乗せ 空高く とあり、副題に、協会会長務め30年、2700種以上設計・国内愛好者10万人 とある。日本経済新聞の文化面、20140912付けである。執筆者は二宮康明氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。


冒頭の文は、次である。

>88歳になった今も、週の半分近くは東京・武蔵野中央公園に通って紙飛行機を飛ばしている。

末尾の文は、つぎである。

>この言葉が未来の丸山町にも当てはまるようにするのが夢だ。

書き出しの文段は、次のようである。

>88歳になった今も、週の半分近くは東京・武蔵野中央公園に通って紙飛行機を飛ばしている。制作中の機種を飛ばし、重心の位置などの様子を見る。だだっ広い原っぱのある武蔵野中央公園は、紙飛行機を飛ばすにはうってつけ。示し合わせたわけでもないのに、天気のいい週末には20~30人の愛好家が集まり大空を見上げる。好き勝手やるのが、長続きの一番の秘訣だろう。

末尾の文段は、次のようである。

>旋回に強く、狭い場所でも楽しく飛ばせる紙飛行機ができないか。目下の研究課題である。

段落は見出しのもとに、次のようである。

>国際大会でグランプリ
 私は1926年、仙台で生まれた。小学校に入る前からチョコレートの紙箱を材料に飛行機を作った記憶がある。父は、幼い私に当時の最新技術であった飛行機の記事が載った雑誌や飛行機の模型を買い与えてくれた。空や飛行機への憧れはこの頃に芽生えた。

>「子供の科学」付録に
 これがきっかけで、67年から雑誌「子供の科学」の付録として紙飛行機の連載を持つことになった。最初は1年もつかと心配したが、多くの方に支えられ現在まで47年も続いている。実は、子供よりおじいさん方が読んでいるらしい。

>  狭い場所向けに研究
 紙飛行機にこだわる理由をよく聞かれるが、飛行機が進歩していた時代に育ったことが一番大きいだろう。今の子供たちは空よりも宇宙、コンピューターに興味を持つのだろう。






春秋
20140912付
日本経済新聞 

 言葉を会得するということは、自分の周囲にふつふつと沸き立っている無数にして無限の、無秩序な連続体に、言葉で切れ目を入れるということなのです――。井上ひさしの「本の運命」の一節である。えたいの知れない素材をさばく包丁に、言葉をたとえればいいか。

言葉にうるさかった井上さんは続けた。「切れ目を入れることで世界を整理整頓し、世界を解釈するわけですね。言葉なしでは世界に立ち向かうことができない」。その通りだ。しかしまた、切れ目の入った世界はもはや世界そのものではない、とも言える。包丁でさばいたものが往々にして原形をとどめていないように。

政府の福島第1原発事故調査・検証委員会が関係者から集めた調書のうち、19人分が公開された。故吉田昌郎第1原発所長のほか、菅直人首相、枝野幸男官房長官ら時の政府の中心人物が、ふつふつと沸き立って無秩序のふちにあった世界に切れ目を入れた言葉の束である。そうした世界に立ち向かった人々の記録である。

と同時に、調書とはそれぞれの解釈の結果でもある。思い込みや功名心、一時の感情の高ぶり、保身の情も紛れ込んだかもしれない。皿の上の料理から食材の姿を思い浮かべるのが簡単ではないように、証言だけから原発事故の真の姿を再現することはできないだろう。言葉の束にまた言葉で切れ目を入れる。難事である。

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