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やまい

2013-09-11 | 日本語百科









やまい 病 を宛てる。疾病 しっぺい につき、字義の解説にある。疾字は名詞、矢による傷である。病はその状態を言う。やむ 動詞 から、やまひ 名詞になった。やむ というのは、病気にかかる、気分が悪くなる、わずらう、精神的に苦しむ、心に悩む、傷などが痛む、の語義がある。やまい の意味を、病気という語で、用いている。疾病と病気の間で語の用法があったかと思われるが、気を病む というのは、医学知識とともに、渡来によっておこったと推測する。わずらう いたつく などの語もある。




字通に、次のように見える


卜文・金文の字形は大(人の正面形)の腋(わき)の下に矢のある形。腋の下に矢を受け、負傷する意である。
矢創の意であるから、急疾・疾速の意がある。



〔説文〕七下に「疾、加はるなり」、〔玉篇〕に「疾、甚だしきなり」とあり、〔礼記、檀弓上〕「曾子、疾に寢(い)ねて、病(へい)なり」のように用いる。
疾が名詞、病はその状態をいう。疾病に限らず、すべて心身の憂慮や疲弊の甚だしいことをいう。

やまい、やむ、やまいおもし。
うれえる、なやむ、くるしむ、うらむ。
つかれる、よわる、かれる。
そこなう、やぶれる。

〔名義抄〕病 ヤマヒ・ヤモヘル・ヤマフス・カシク・ナラフ・ヤム 



日本国語大辞典

やまい[やまひ] 【病】 〔名〕
(1)(─する)病むこと。病気。いたつき。わずらい。疾病。
*書紀〔720〕皇極二年八月(岩崎本訓)「天皇皇祖母の命の臥病(みヤマヒし)たまひしより」
*万葉〔8C後〕五・八九七「老いにてある 我が身の上に 病(やまひ)をと 加へてあれば〈山上憶良〉」
*宇津保〔970~999頃〕菊の宴「おもほす事のならぬをのみ思ひ焦られ、臥し沈み、やまひになり」
*大慈恩寺三蔵法師伝院政期点〔1080~1110頃〕一「司隷辟命すれども並に疾(ヤマヒ)ありと辞して就(つ)かず」
*天草本伊曾保〔1593〕狼と、狐の事「ケダモノノ ワウデ アル シシyamaixite (ヤマイシテ) ダイジニ キワマルニ ヨッテ」
(2)欠点。短所。きず。また、詩歌・文章などで修辞上きらうこと。
*源氏〔1001~14頃〕玉鬘「和歌の髄脳、いと所せう、やまひさるべき所多かりしかば」
*後鳥羽院御口伝〔1212~27頃〕「題の心をよくおもはへて、病なく、又源氏等物語の歌の心をばとらず詞をとるは苦しからずと申しき」
*随筆・胆大小心録〔1808〕九六「月渓が病ぜひもなし。ただ隠者ていになりて、刀自に飯かしがせ、心はますます奢りてあらく也」
*疑惑〔1913〕〈近松秋江〉「私にはこの朝寝をするのが一つの病弊(ヤマヒ)です」
(3)苦労のたね。気がかり。心配。
*竹取〔9C末~10C初〕「御こしはをれにけり。中納言は〈略〉それをやまひにていとよわく成給ひにけり」
*浄瑠璃・五十年忌歌念仏〔1707〕中「旦那の病になされた、中国北国残らず売って為替手形済みました」
*浄瑠璃・女殺油地獄〔1721〕上「エエ呆れ果てた親御達の病に成がいとしぼい」
【語誌】
(1)死霊などが人にとりついて病気が起こると考えられていた中古には、「もののけ」などと同類のものとしてとらえられ、仮名文学では、「病気にかかる」ことを「やまひつく」と表現していた。→やまいづく(病付)。
(2)漢文訓読文では、「病を受く」「病を得」などのような、病を「身に受ける」ものとする表現をとる。


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