論語に出てくる表現である。
漢語であるから、その用例をもって意味内容をまず知るとよい。
もっとも然字がつく熟語は、自然天然と、全然難しいし、日本語に取り入れてからの意味の変遷があったりもする。
漢字をどう見たかがわかる。
日本国語大辞典の用例を見るとよい。
夫子撫然曰、鳥獣不可与同群 とみえる。
論語‐微子にあるなら、学習の書である。
文明論之概略、福沢諭吉 にも見える。
その項目の語釈には、
>意外な出来事に驚いて茫然とするさま。また、失望したり、どうしようもなかったりしてぼんやりするさま。
また、憮の字を字通によってみる。
>訓義
[1] いつくしむ、めでる、いたわる。
[2] かなしむ、うれえる、おもう。
[3] 失意のさま、茫然とする、おどろく、あやしむ。 茫然自失の、茫然と同じくするようであるが、驚くさまでもある。
このようにみると、やはり、論語による。
http://blog.mage8.com/rongo-18-06
>
孔子の論語 微子第十八の六 天下道あらば、丘は与に易えざるなり
孔子の論語の翻訳477回目、微子第十八の六でござる。
漢文
長沮桀溺耦而耕、孔子過之、使子路問津焉、長沮曰、夫執輿者爲誰、子路曰、爲孔丘、曰、是魯孔丘與、對曰是也、曰是知津矣、問於桀溺、桀溺曰、子爲誰、 曰爲仲由、曰是魯孔丘之徒與、對曰、然、曰滔滔者天下皆是也、而誰以易之、且而與其從辟人之士也、豈若從辟世之哉、耰而不輟、子路行以告、夫子憮然曰、 鳥獣不可與同群也、吾非斯人之徒與而誰與、天下有道、丘不與易也。
英訳文
Chang Ju and Jie Ni were plowing together. Confucius passed by them and made Zi Lu ask them where the ferry is. Chang Ju asked, “Who is the man on the carriage?” Zi Lu replied, “He is Confucius.” Chang Ju asked, “Confucius of Lu?” Zi Lu, “Yes, he is.” Chang Ju said, “I think he knows where the ferry is (because he is wandering). Zi Lu asked Jie Ni (where the ferry is). Jie Ni asked, “Who are you?” Zi Lu replied, “My name is Zi Lu.” Jie Ni asked, “Are you the disciple of Confucius?” Zi Lu replied, “Yes, I am.” Jie Ni said, “You cannot swim against the current. It is troubled times now. With whom does he think to change the current? You had better join people who avoid troubled times than follow the person who avoid people that he thinks worthless.” They were still plowing. Zi Lu told their words to Confucius. Confucius said glumly, “We cannot live with only animals. We have to live with people. If the world is in order, I do not have to struggle against the current.”
現代語訳
長沮(ちょうそ)・桀溺(けつでき)という二人の隠者が畑を耕していた。孔子一行がその側を通りがかり、孔子は子路(しろ)に渡し場がどこにあるか尋ねるよう命ぜられた。
長沮が、
「馬車の上に居るお方は誰かね?」
と尋ね、子路は、
「孔子です。」
と答えました。長沮が再び、
「魯の孔子かね?」
と尋ね、子路は、
「はい。」
と答えました。すると長沮は、
「孔子なら(あちこち放浪しているから)渡し場くらい知ってるんじゃないかね。」
と言いました。子路が桀溺に渡し場の場所を尋ねると。
桀溺は、
「ところでお前さんはどちら様だね?」
と尋ね、子路は、
「仲由子路と申します。」
と答えました。桀溺が再び、
「孔子のお弟子の子路さんかね?」
と尋ね、子路は、
「はい。」
と答えました。すると桀溺は、
「時代の流れに逆らっても無駄だよ。今は世の中全体が乱れているんだ。(あの国も駄目、この国も駄目と放浪して、)あの人は一体誰と一緒にこの流れを変えようと言うのかね? お前さんも自分が認めぬ人間を捨てる人物に従うより、乱れた世を捨てる我々に従った方が良くはないかね?」
と言いました。彼らはその間もずっと畑を耕していた。
子路が孔子の元へ戻り、彼らの話を告げると孔子は憮然とした表情で、
「鳥や獣とだけ生活するわけにはいかんのだ。人間と苦労を共にしないでどうするのか? それにもし世の中が乱れていなければ、私がこの流れを変える必要もないのだ。」
とおっしゃいました。
Translated by へいはちろう
漢語であるから、その用例をもって意味内容をまず知るとよい。
もっとも然字がつく熟語は、自然天然と、全然難しいし、日本語に取り入れてからの意味の変遷があったりもする。
漢字をどう見たかがわかる。
日本国語大辞典の用例を見るとよい。
夫子撫然曰、鳥獣不可与同群 とみえる。
論語‐微子にあるなら、学習の書である。
文明論之概略、福沢諭吉 にも見える。
その項目の語釈には、
>意外な出来事に驚いて茫然とするさま。また、失望したり、どうしようもなかったりしてぼんやりするさま。
また、憮の字を字通によってみる。
>訓義
[1] いつくしむ、めでる、いたわる。
[2] かなしむ、うれえる、おもう。
[3] 失意のさま、茫然とする、おどろく、あやしむ。 茫然自失の、茫然と同じくするようであるが、驚くさまでもある。
このようにみると、やはり、論語による。
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孔子の論語 微子第十八の六 天下道あらば、丘は与に易えざるなり
孔子の論語の翻訳477回目、微子第十八の六でござる。
漢文
長沮桀溺耦而耕、孔子過之、使子路問津焉、長沮曰、夫執輿者爲誰、子路曰、爲孔丘、曰、是魯孔丘與、對曰是也、曰是知津矣、問於桀溺、桀溺曰、子爲誰、 曰爲仲由、曰是魯孔丘之徒與、對曰、然、曰滔滔者天下皆是也、而誰以易之、且而與其從辟人之士也、豈若從辟世之哉、耰而不輟、子路行以告、夫子憮然曰、 鳥獣不可與同群也、吾非斯人之徒與而誰與、天下有道、丘不與易也。
英訳文
Chang Ju and Jie Ni were plowing together. Confucius passed by them and made Zi Lu ask them where the ferry is. Chang Ju asked, “Who is the man on the carriage?” Zi Lu replied, “He is Confucius.” Chang Ju asked, “Confucius of Lu?” Zi Lu, “Yes, he is.” Chang Ju said, “I think he knows where the ferry is (because he is wandering). Zi Lu asked Jie Ni (where the ferry is). Jie Ni asked, “Who are you?” Zi Lu replied, “My name is Zi Lu.” Jie Ni asked, “Are you the disciple of Confucius?” Zi Lu replied, “Yes, I am.” Jie Ni said, “You cannot swim against the current. It is troubled times now. With whom does he think to change the current? You had better join people who avoid troubled times than follow the person who avoid people that he thinks worthless.” They were still plowing. Zi Lu told their words to Confucius. Confucius said glumly, “We cannot live with only animals. We have to live with people. If the world is in order, I do not have to struggle against the current.”
現代語訳
長沮(ちょうそ)・桀溺(けつでき)という二人の隠者が畑を耕していた。孔子一行がその側を通りがかり、孔子は子路(しろ)に渡し場がどこにあるか尋ねるよう命ぜられた。
長沮が、
「馬車の上に居るお方は誰かね?」
と尋ね、子路は、
「孔子です。」
と答えました。長沮が再び、
「魯の孔子かね?」
と尋ね、子路は、
「はい。」
と答えました。すると長沮は、
「孔子なら(あちこち放浪しているから)渡し場くらい知ってるんじゃないかね。」
と言いました。子路が桀溺に渡し場の場所を尋ねると。
桀溺は、
「ところでお前さんはどちら様だね?」
と尋ね、子路は、
「仲由子路と申します。」
と答えました。桀溺が再び、
「孔子のお弟子の子路さんかね?」
と尋ね、子路は、
「はい。」
と答えました。すると桀溺は、
「時代の流れに逆らっても無駄だよ。今は世の中全体が乱れているんだ。(あの国も駄目、この国も駄目と放浪して、)あの人は一体誰と一緒にこの流れを変えようと言うのかね? お前さんも自分が認めぬ人間を捨てる人物に従うより、乱れた世を捨てる我々に従った方が良くはないかね?」
と言いました。彼らはその間もずっと畑を耕していた。
子路が孔子の元へ戻り、彼らの話を告げると孔子は憮然とした表情で、
「鳥や獣とだけ生活するわけにはいかんのだ。人間と苦労を共にしないでどうするのか? それにもし世の中が乱れていなければ、私がこの流れを変える必要もないのだ。」
とおっしゃいました。
Translated by へいはちろう