意味がないという千字文に意味を見るのは文字の組み合わせで読むからである。漢字が詞となって連なると、同じ文字を使わない連続は妙なことである。それなりに読めるように意味となり。一字には意義がある、字の形音義に見る字義であるから、それが意味となる様子が見えて、それで、千字文は意味がないというのは、漢字の哲学となってくる。いろは歌に意味がないと言いながら、なにやら教訓めいて、受けとったりするのも妙である。千字文は現代語の漢字でいえばおよそのことで2千字となったから、それをまた学習漢字1000字とする教育漢字は程よいことなのだろう。漢字を文字と受け入れた日本語はその漢字の組み合わせになるとさらに意味を知り、詩句を与えて用いてきた。
千字文 (日本語訳) - Wikisource
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2019/05/09 - 一の一(1~18) 天地玄黃 宇宙洪荒 天は 玄 ( くろ ) く地は黄色 宇宙は広く広大無辺日月盈昃 辰宿列張 日月のぼり傾き欠ける 星や星座が並び広がる寒來暑往 秋收冬藏 寒さが来れば暑さが去って 秋に穫り入れ冬に備える閏餘成歲 律呂調 ...
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布射遼丸 嵇琴阮嘯 呂布騎射宜遼ぎりょうお手玉 稽康は琴 阮籍口笛
恬筆倫紙 鈞巧任釣 蒙恬は筆 蔡倫 は紙 馬鈞ばきん指南車 任公子釣り
釋紛利俗 並皆佳妙 もつれるを解き世間を利する ともにみなみなすぐれた人だ
毛施淑姿 工顰妍笑 毛嬙もうしょう西施 絶世美人 顰うるわし笑いなまめく
年矢每催 曦暉朗耀 年矢のごとく常に促す 陽は輝いて明るく光る
璇璣懸斡 晦魄環照 きらめく星は移ろい巡り 月は隠れてまた出て照らす
指薪修祜 永綏吉劭 薪は代わるも火は滅びない 永久に安らぎ福につとめる
矩步引領 俯仰廊廟 正しく歩き首のばし待つ 宮殿内の立ち居振る舞い
束帶矜莊 徘徊瞻眺 朝服ちょうふくを着て威厳を保ち 行ったり来たり見上げ眺める
孤陋寡聞 愚蒙等誚 弧陋寡聞ころうかぶんは道理に暗い 愚蒙ぐもうひとしく責め叱るべし
謂語助者 焉哉乎也 助辞というのは語勢助ける 焉 哉 乎 也と これにて終る