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序説

2021-03-06 | 日本語百科

序説というのはたいそうな名前であるとそう思っていたことがある。序説があれば本説があるから、その本説によって明らかになることがあるというイメージである。方法序説という書名に哲学者の偉大な業績を思い合わせてそういうことを思うのかも知れないが、そうであれば比肩しうるものとして、ネーミングを考える。
と思っていたら、あるとき、以下は、ウイキペディアに解説されるような、
>序説と訳されるDiscoursは、Traitéが教科書のように体系的に書かれた論説であるのに対して、形式ばらない論考の意であり、デカルト自身がメルセンヌへの書簡で「方法の試み」であると呼んでいる。
ということに触れて、次の国語辞書のようにとらえるのはもちろんだが、それだけでなく、
>本論・本題に入る前の、前置きの論説。序論
ということではないと思い知った。
Discourse on the Method 方法序説
仏: Discours de la méthode 方法叙説
>『方法序説』方法叙説とも、仏: Discours de la méthode
刊行当時の正式名称は、『理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話(方法序説)。加えて、その試みである屈折光学、気象学、幾何学。』(仏: Discours de la méthode pour bien conduire sa raison, et chercher la vérité dans les sciences. Plus la Dioptrique, les Météores et la Géométrie, qui sont des essais de cette méthode.)
>元来は3つの科学論文集を収めた500ページを超える大著だった。今日の『方法序説』として扱われているテキストは、その書籍中の最初の78ページの「序文」部分であり、自身の方法論の発見・確立や刊行に至るまでの経緯を述べている。
デカルトの試みはよく言われるフランス語による土着の語の哲学ということで、この序論に相当する序説の意味は英訳されてIntroductioの意味が日本語翻訳にも現われたようである。

https://ejje.weblio.jp/content/%E5%BA%8F%E8%AA%AC
序説の英語
主な英訳
introduction

「序説」の英訳に関連した単語・英語表現
1introduction (日英対訳辞書)
2intonation (英和対訳)
3An Introduction to the Study of Dante (英和対訳)
4Introduction a la methode de Leonard de Vinci (英和対訳)
5Muqaddimah (英和対訳)
6introduction to (英和対訳)
7An Introduction to the Principles of morals and Legislation (英和対訳)
8Discourse on the Method (英和対訳)
9歴史序説 (英和対訳)
10preface (日英対訳辞書)



文論序説
2021-02-23 | 日本語学2021

記述言語では文をどう説明するか、について、文法説明で従来にとらえられていた日本語文は、そのとらえ方を変えることになる。日本語そのものが変化してしまうわけではないので、説明のためのよりどころが変わるというコトである。しかしその実際を説明すると、文の規定にこれまでの理論が伏在することがわかる。伏在というのは潜在している日本語構造をとらえて、そのうえで記述の論としていることである。文についての解明は構造的に表現的にそして文章としてのものがあったわけであるが、叙法にだけ焦点を当てた記述の文についてはその背景にある日本語だけではない言語の特徴としての文の捉え方があってしかるべきである。

文論を関する論考が著述として出版された。宮地学説の文論があって、その以降に、序説と名を冠した労作のようである。わたしに未見であるが、いずれ読了してみたい。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ピアジェ (Maria)
2021-03-12 01:00:47
ご教授ありがとうございます。蒙が啓けたように思います。
高校生時代に、数学者である遠山 啓さんに影響されて、ピアジェの『発生的認識論序説』を愛読していました。ところが「序説」といいつつ本編はどうなっているんだろう?という思いがありました。
その後読んだデカルトの『方法序説』は「序文」だったので、「なるほど、そういうものが」と思っていたのですが、いわゆる「ディスコース」に相当する適切な日本語がなく、「序説」としか翻訳しようがなかった、ということだったのか、と腑に落ちました。
「言説」も「指針」も、たしかにいまひとつです。
ありがとうございます。
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