みみざわり、てざわり、はだざわり、いずれも好感触の語である。この言い方を、みみざわりだ、てざわりだ、はだざわりだ、などと、その状態を断定する表現にもちいると、その良しあしを言う、ことを問うようになる。そして、その状態がまさに良い場合とだけいえなくなるのが、みみざわり、の語である。それぞれの、耳の場合、手の場合、肌の場合と、さわる状態が異なっていることがわかる。漢字表記を当てて、耳障りが良い、手触りがよい、肌触りが良い、というふうに、漢字変換をする。耳障りか、耳触りか、このいずれかを使い分けるかは、さわり方になる。耳障りな音、耳ざわりの音、とならべてみると、その音そのものに、障る音がある。
みみ‐ざわり[:ざはり] 【耳障】
解説・用例
〔名〕
(形動)
聞いていて、気にさわること。聞いていて不愉快に感じたり、うるさく思ったりすること。また、そのさま。
*滑稽本・和合人〔1823〜44〕三上「『ナニまた耳ざはりな事をいふが、焼餅なんだと』『焼餅大へんサ』『そりゃア何の事だ』」
*当世書生気質〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉七「例の字が、お耳障(ミミザワリ)だ」
*煤煙〔1909〕〈森田草平〉一六「それが耳障りになって甚く煩さい」
*妻隠〔1970〕〈古井由吉〉「勧誘という言葉が耳ざわりだった」
みみ‐ざわり[:ざはり] 【耳触】
解説・用例
〔名〕
聞いたときの感じ、印象。
*俳諧・雲の峯〔1807〕「風の音耳さわりよき幟かな」
*伊太利亜新興の閨秀文学(「珊瑚集」所収)〔1913〕〈永井荷風訳〉一「随分耳触りのよくないものがあるが」
*こゝろ〔1914〕〈夏目漱石〉上・一六「然し其言葉の耳障(ミミザハリ)からいふと、決して猛烈なものではなかった」
*街頭の風〔1930〕〈北村寿夫〉発端・二「常務の演説は上手で、耳(ミミ)ざはりがよかった」
*鷹〔1953〕〈石川淳〉一「こころみにこれを発音してみると、耳ざはりに曖昧なところが微塵も無い」
みみ‐ざわり[:ざはり] 【耳障】
解説・用例
〔名〕
(形動)
聞いていて、気にさわること。聞いていて不愉快に感じたり、うるさく思ったりすること。また、そのさま。
*滑稽本・和合人〔1823〜44〕三上「『ナニまた耳ざはりな事をいふが、焼餅なんだと』『焼餅大へんサ』『そりゃア何の事だ』」
*当世書生気質〔1885〜86〕〈坪内逍遙〉七「例の字が、お耳障(ミミザワリ)だ」
*煤煙〔1909〕〈森田草平〉一六「それが耳障りになって甚く煩さい」
*妻隠〔1970〕〈古井由吉〉「勧誘という言葉が耳ざわりだった」
みみ‐ざわり[:ざはり] 【耳触】
解説・用例
〔名〕
聞いたときの感じ、印象。
*俳諧・雲の峯〔1807〕「風の音耳さわりよき幟かな」
*伊太利亜新興の閨秀文学(「珊瑚集」所収)〔1913〕〈永井荷風訳〉一「随分耳触りのよくないものがあるが」
*こゝろ〔1914〕〈夏目漱石〉上・一六「然し其言葉の耳障(ミミザハリ)からいふと、決して猛烈なものではなかった」
*街頭の風〔1930〕〈北村寿夫〉発端・二「常務の演説は上手で、耳(ミミ)ざはりがよかった」
*鷹〔1953〕〈石川淳〉一「こころみにこれを発音してみると、耳ざはりに曖昧なところが微塵も無い」