根付くか「英語村」 日本語禁止、国内で異文化体験
2015/4/20 1:30
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小中高生が英語だけで外国人と交流する「英語村」の事業や施設が各地に広がり始めた。日本語禁止の環境で「生きた英語」に触れ、学習意欲を高めるのが狙い。東京都も3年後の開設に向けて準備を始めた。費用対効果などに疑問の声もあることから、「単なるレクリエーションで終わらせないように丁寧な事業設計が必要」と専門家は指摘する。
色とりどりの万国旗、欧米の観光地の写真、「horse(馬)」「cake(ケーキ)」などと書かれた絵カード。飾られた室内をキョロキョロと見回す子供たちに、米国出身の男性講師が笑顔で語りかける。「Let’s start English(英語の勉強を始めよう)」
大阪府寝屋川市は2014年5月、教職員研修用の教育研修センターを改装して「英語村」事業を始めた。14年度は全市立小24校の5年生約2千人が利用した。講師は米、英、オーストラリア、カナダ出身の6人。歌やゲームで緊張を和らげた後、英語での自己紹介、レストランでの注文の仕方などを5時間かけて学ぶ。「What is this?(これは何)」「Rice ball!(おにぎり!)」。昼食中も英語だ。
同センターの多田愛所長は「英語村では外国人と触れ合う時間がたっぷりある。学校で学んだ英語が通じた喜びを感じてほしい」。14年度に体験した児童の9割が「英語が好きになった」と回答したという。
徳島県は14年度から高校生が米国の大学生らと1週間の共同生活を送る「Tokushima英語村」を開始。岐阜市は今年度から小中学生を対象に6日間の「イングリッシュ・キャンプ」を開催する。横浜市は09年から小学生が英語で買い物などに挑戦する「横浜英語村」を続けている。
中でも大掛かりなのが、東京都が18年度のオープンを目指す「東京グローバル・スクエア」(仮称)。飲食店や銀行、病院などのセットで海外生活を疑似体験する施設などを検討中で、年内にも計画をまとめる予定だ。
「5年後には東京五輪がある。訪日外国人を英語でおもてなしできる若者を育てたい」と都教育庁の担当者。英語ボランティアの養成講座に活用する案も出ているという。
ただ、都内の公立校に通う小中高生は90万人以上。多くの児童生徒が利用できる施設の運営には膨大なコストがかかる。教育現場からは「授業内容の改善が先ではないか」との声も上がる。
椙山女学園大の木村隆教授(英語教育学)によると、韓国では04年ごろから自治体直営や民間委託によるテーマパーク型の英語体験施設が増加。しかし、欧米風の建物が並ぶ空間の維持や外国人の雇用に大きな費用がかかり、経営に行き詰まる施設が目立ち始めているという。
木村教授は「一過性のレクリエーションにしないために、英語村で何を学ぶのか、高まった子供の意欲をその後の授業にどう結びつけるのかを十分に議論してほしい」と話している。
http://www.english-village-paju.com/about/
>英語村パジュは、理論と暗記が主体の窮屈な英語教育から飛び出し、生きた体験と楽しいアクティビティーを通して、生活の中で自然に英語と英語圏の文化を学ぶことのできる、複合英語文化空間です。英語しか使えない「英語オンリー」の規則に則った環境にどっぷり浸かることで、自然と英語が身に付くようになります。 経験 [Experience] +遊び[Entertainment] そして 教育 [Education] の3Eをコンセプトにした英語村パジュで、本物の英語が体験ができます。アジア最大の英語テーマパーク・英語村パジュには、日本、フランス、ロシア、中国、タイなど世界中からたくさんの留学生が集まっています。
場所 韓国 キョンギ道パジュ市
敷地面積 278,253㎡(84,000坪)※東京ドーム6個分
延床面積 32,539㎡
設立日 2006年4月3日
収容人員 750名
教育施設 体験教育館、教育棟、公共体験施設等
文化施設 多目的室内公演所、展示館、図書館
体験施設 書店、レストラン、コンビニ、記念品店
宿泊施設 学生寮、外国人講師寮