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日本語全史 古代後期

2017-04-23 | 日本語史
全史一冊本の総ページ数は、あとがきまで、433頁あり、うち第2章の終わりまで、177ぺージを割いている、5分の2を占めて古代語の完成を記述する。通読していて、話し言葉の歴史という視点と、加えて、古代語を古典語とする規範の考え方である。古代語が何かは、その章における捉え方である文語になる。文語を文章語に取ると、この立場は和歌、物語を話し言葉によるものとするという著者の見方からすれば、近代以降に文語と口語とを意識するのとはやはり異なってとらえられている。言文一致による不一致を古代語からあったとする国語の議論は文語を何にとらえたかが問題であって、全史の著者も認めるように漢字と仮名文字による文語をさすが、その文法意識には漢文法が働いているから、文語また文章語は漢文訓読を模範としていると考えるべきである。しかしそれは、国学と漢学の截然とした境界を設けた江戸期の国学思想から文語をそれまでの国語記録によるものとしてきたようであるから、それをさかのぼらせた古代語の文章は文語であるはずにもかかわらず、この全史のように、口語とする立場になると、そこには撞着を起こしている。言文一致はあくまでも、規範文となる漢文に対する古代語の文語と、その口頭語の見方で成立することであるから、明治期でその基準には、翻訳文法による話し言葉のとらえ方が萌芽することになる見方である。国語における言文不一致は話しことばの記録がない、分析対象とする資料を限定しないものであるから、歴史をさかのぼらせれば、それは理論上のことであったに過ぎない。口語調を舌耕もの、法談ものにみるとき、時代が下がっての資料には話しことばのものとする記録がみられる。いまの話し言葉を、いつの時期の資料に見るかという歴史である。



第1章 古代前期 ―― 奈良時代まで

総説  古代語が確立する
文字表記  日本語が漢字で書かれれう
音韻  区別される音節の数が多い
語彙  固有語が用いられる
文法  古代語法が形成される

第2章 古代後期 ―― 平安時代まで
総説  古代語が完成する
文字表記  仮名が成立する
音韻  音節が複雑に発達する
語彙  漢語の使用が漸増する
文法  古典文法が完成する




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