エラーカタストロフの限界
新型コロナの「急速な収束」はなぜ起きたのか:児玉龍彦氏に聞く「エラー・カタストロフの限界」との関係は
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児玉「進化生命学には、ノーベル賞受賞者でもあるエイゲン(Manfred Eigen)が1971年に予言(※8)した『エラー・カタストロフの限界(ミスによる破局)』という概念があります。新型コロナウイルスの変異は、本来ならこのエラー・カタストロフの限界によって自壊するはずですが、デルタ株ではこの限界を超えて感染が広がりました。しかし、これは前述したように免疫が抑制された一人の患者個人の中での進化で、ヒトの身体の中にはウイルスのRNAを変異させる酵素(APOBEC遺伝子群)があり、そこで治療薬やワクチンに対する抵抗性を持ったウイルスに進化したと考えられます。しかし、免疫力のある一般の人では弱くなるでしょう」
※8:Manfred Eigen, "Selforganization of Matter and the Evolution of Biological Macromolecules” Die Naturwissenschaften, Vol.58, 1971
https://www.yakuji.co.jp/entry89668.html
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東京などでは、新型ウイルスの変異デルタ株の新規感染者数が急速に減少してきている。一時期、5000人以上だったものが、2週間くらい後には500人程度、少ないときは300人を切るまでになった
どうして急速に感染者が減少してきたのか。いろいろな説がある。2回のワクチン接種者が60%程度となり、感染が落ち着いてきたという説。集団免疫ができあがってきたという説。もう一つ面白いのは「エラーカタストロフ」仮説というのがある
ウイルス学者には常識だろうが、一般の人たちには聞き慣れない言葉である。ある報道番組で、東大の児玉達彦名誉教授が唱えていた。新型コロナウイルスは一本鎖のRNAウイルス。RNAウイルスは複製が早いと、複製エラーが多数発生し、ウイルスが生存できなくなり、自壊が開始されるというもの
ただ、幹ウイルスなるものが残っており、これが新たな変異株を出現させ、パンデミックが起こる可能性があるという。これから冬に向かう。新たな変異株に備えなければならない。