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日本語文法文章論 本離れ

2014-09-27 | 日本語文法文章論
現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、本離れ、店頭から立て直し とあり、副題に、文庫POP 次の一冊推す、良作の復刊 書店員が企画 とある。日本経済新聞の文化面、20140927付けである。執筆者は文化部 柏崎海一郎氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。

冒頭の文は、次である。

> 書籍の市場縮小に歯止めがかからない。

末尾の文は、つぎである。

>現在の消費者ニーズに合わせた店作りは、出版業界全体の急務になっている。

書き出しの文段は、次のようである。

> 書籍の市場縮小に歯止めがかからない。売れるのは一部のベストセラーのみで、ヒット作が出ても同じ著者の他の本の売り上げにはつながりにくい。こうした本離れの状況を何とかしようと、書店や取次(卸)、出版社が、店頭で様々な工夫を凝らし始めた。

末尾の文段は、次のようである。
> 今年1~7月の書籍の販売金額は前年同期比4.8%減(出版科学研究所調べ)。8年連続のマイナス成長の可能性が高まっている。現在の消費者ニーズに合わせた店作りは、出版業界全体の急務になっている。


段落は、見出しのもと、次のようである。

>陳列手法も工夫
 全国2000を超える書店での売り場変更は、版元の講談社と大手取次の日本出版販売(日販)の働き掛けによるものだ。文庫は収納冊数を重視して本の背を前面に並べるのが一般的だが、今回の講談社文庫コーナーにおいては、版元と取次が選んだ著名作家の「代表作」及び「次の一冊」は、注目の単行本と同様に表紙を前面に向ける手法(面陳)を採用する。

>コンシェルジュ役
 POPを添えて店内の目立つ場所に置き、ベストセラーを目指すのは「仕掛け販売」と呼ばれ、各地の書店で行われている。仕掛け販売で知られる有名書店員の一人が、書店のTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの栗俣力也氏。数々の本をヒットさせ、「仕掛け番長」の異名をとる。




春秋
2014/9/27付日本経済新聞 朝刊

 この碩学(せきがく)にして人前であがることがあった。86歳で死去した経済学者の宇沢弘文さんが1983年に文化功労者になり、昭和天皇に招かれて話をしたときである。「ケインズがどうの、だれがどうした」。そのうち自分でもわけが分からなくなってしまったのだという。

 すると天皇が身を乗り出してきた。「キミ。キミは経済、経済と言うけれども、要するに人間の心が大事だと言いたいんだね」。その言葉に電撃的なショックを受け、目がさめた思いがした、と本紙の「私の履歴書」で振り返っている。人間の心を大切にする経済学は、宇沢さんの研究を貫く芯になったテーマでもあった。

 公害問題にのめり込み、水俣では水俣病の研究、治療に尽くした医師・原田正純さんと親交を結んだ。重篤な患者が原田さんを見るとじつにうれしそうな顔をして、はいずって近づこうとする姿に感動した。経済の繁栄と一人ひとりの生活の落差を目の当たりにし、解決の道を探るための経済理論づくりを進めたのである。

 米国で研究生活を送ったのは平和運動、ベトナム反戦運動が盛んなころだった。ともに運動に関わった同僚が知らぬ間に大学を解雇されたりした。知人に連れられてよく集会に行き、歌のうまい女子高校生に感心した。のちに日本でもよく知られたフォーク歌手のジョーン・バエズである。人間臭さにも満ちた生涯だった。

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