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勘違いしない  檄

2016-02-18 | 勘違いしやすい日本語
檄は、檄文である。
檄文は、召し文である。

招集をかけた、そときに、飛檄と用いたか、その語がある。
急ぎの文書である。

檄を飛ばすには、古代中国で、召集または説諭のための文書、木札を用いたという、その檄と、檄文には、相手の悪い点をあばき、自分のすぐれている点を述べて、世人に同意を求める文書だと、現代では、一般大衆に自分の主張や考えを強く訴える文章となったとする。

さきの、めしぶみ、さとしぶみ、に対して、ふれぶみ という。
日本国語大辞典による。

檄文飛び交うことなく、応召することもない、この時代に、現代でのその場面はスポーツの試合観戦か。
激励を与えるとでもしてその語を使えば、飛ばすところに勇猛果敢がありそうで、誤解されそうである。

そう思って、監督が檄を飛ばす、といれて、検索すると、ある、あるのである。
文化庁の文例であった。これには、しゃれにもならい。




げき【×檄】
1 古代中国で、召集または説諭の文書。木札を用いたという。めしぶみ。さとしぶみ。
2 自分の考えや主張を述べて大衆に行動を促す文書。檄文。ふれぶみ。
[補説]誤用が定着して、励ますこと、また、励ましの言葉や文書の意味でも用いる。
檄を飛ばす
自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める。また、それによって人々に決起を促す。飛檄。
[補説]誤用が定着して「がんばれと励ます」「激励する文書を送る」という意味でも用いられる。文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」では、「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」で使う人が19.3パーセント、「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」で使う人が72.9パーセントという結果が出ている。
出典:デジタル大辞泉



げき
文章の一体。
(1)召(め)し文(ぶみ) 古代の中国で軍事に際し、招集に応じ、勇んで馳(は)せ参じるよう、人の心を激発せんとする文章。木簡(ぼくかん)(木ふだ)に書き付け、使者に持って行かせ、もし急を要するときは、鳥の羽を挟み羽檄(うげき)と称したという。
(2)喩(さと)し文(ぶみ)・触(ふ)れ文(ぶみ) 軍事のみならず、広く先方の悪を攻撃し、当方の善を称揚し、ともに立ち上がろうと人々に呼びかける文書で、「檄を飛ばす」などというのはこの例であるが、いずれも、激烈な言辞と文体を用いる点に特色がある。
日本大百科全書(ニッポニカ)
   
  
「檄(げき)」は「檄文」とほぼ同義で、もともとは「召文(めしぶみ)」や「触文(ふれぶみ)」などの文書を指します。「檄」について国語辞書は「①古代中国で、招集または説諭のための文書。木札を用いたという。めしぶみ。さとしぶみ。②相手の悪い点をあばき、自分のすぐれている点を述べて、世人に同意を求める文書。現代では特に、一般大衆に自分の主張や考えを強く訴える文章。檄文。ふれぶみ」と2つの意味を示しています。そのうえで、この語を使った「げきを飛(と)ばす」について「人々を急いで呼び集める。また自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求める」(『日本国語大辞典 第2版』小学館)と記しています。
このように本来「檄(げき)」とは文書のことで、「檄を飛ばす」のは(文書で)人々を呼び集めたり同意を促したりすることです。「檄」は人々に対して肉声・口頭で伝えるものではなく、また「檄を飛ばす」には「激励する」「励ます」という意味も含まれていません。
NHK放送文化研究所が「檄(げき)を飛ばす」の意味について、平成12年(2000年)11月に全国の満20歳以上の男女2,000人を対象に調査したことがあります。それによりますと「長嶋監督は選手を集めて檄(げき)を飛ばしました」という文例について、「おかしい」と答えた人は全体の1割にも満たず(8%)、これに対し9割近く(86%)の人たちが「おかしくない」と答えていました。この結果から、「檄(げき)を飛ばす」が本来の意味や使い方とは違う形でかなり広がっていることがうかがえ、現に監督やコーチが選手を「しった激励」する場合などに用いられているのはご指摘のとおりです。しかし、先に引いた辞書は「檄を飛ばす」の記述の中で「誤って、がんばるよう激励するように用いられることもある」と付記しているほか、「俗に激励の意で用いるのは全くの誤り」(下線は筆者)と明記している辞書もあります。
放送では、それぞれのことばの持つ本来の意味や使い方を知ったうえで、その場の雰囲気や状況に合わせた的確で分かりやすい言い方・表現をするように努めるべきでしょう。
ところで、以前スポーツ紙か雑誌の紙面で、「(監督が)選手に激を飛ばす」という表記を見かけたことがあります。編集者が「檄(げき)を飛ばす」の「げき」を「激励」の「激」の意味と取り違えていたためでしょうか、あるいは本来の意味と使い方を十分わきまえながらも、この業界お得意の「当て字」を使う表現で、あえて「檄」を「激」に置き換えて用いたのでしょうか。
なお、「檄を飛ばす」の「檄」は表外字(常用漢字表にない字)なので、放送での表記は「げきを飛ばす」です。番組の制作上、漢字を使う必要がある場合にはルビを振って漢字を使うこともあります。
(『NHK新用字用語辞典 第3版』p.160参照)

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