日本誤百科というコラムに、日本語新百科をこしらえようとして、日本語はどうなっているかと、日本語珍百科を書いてしまいました。コラムの著者には解説を簡潔に書いていくという制約があるでしょうに、ご苦労を思いつつ、このようなブログを書くきっかけをくださって感謝いたします。
日本語誤百科 733 吹奏楽の音色が響くを、例題にしている。どこが誤りか。吹奏楽に音色はない、として、吹奏楽といえば、楽曲を言い、その楽器を指すことはないので、楽器から出る音色としない、したがって吹奏楽には音色がない、というわけだが、どうだろう。つまり、オーケストラにも音色はなく、この説明では、ピアノ協奏曲にも音色はない、ということだ。吹奏楽と言えば、もちろん楽曲の種類だろ言うけれど、演奏となれば吹奏楽の独特の音色を聴くことになると思うのだが、いかが。
吹奏楽、管弦楽、声楽が印象の違いを与えるのは音の違いで、音色の違いである、と説明している。これはその通りで、ポイントだろう。その音の違いを、それぞれに金管楽器、木管楽器、弦楽器、歌唱と聞き分けて、音色としている。
音色の違いは、音源によるとする。これもその通りで、そうだとして、
吹奏楽の音源が響く
吹奏楽の音源の管楽器が響く
吹奏楽の管楽器が響く
吹奏楽の音色が響く
もちろん、管楽器にもいろいろとあり、さらに曲の内容によって、特徴とするところが決まってくるだろう。どれがぴったりとくるだろう。これは表現が持つ含みが、あるか、ないか、ということだ。
ちなみに、世界百科大事典によると、
人間が音を区別して感ずることができるための音の属性の一つ。音の大きさ,音の高さと音色とを音 の三要素という
と、解説があって、おんしょく、という専門用語もあるらしいので、わたし達の耳は、すばらしく、楽曲を聞き分けているということになろう。