日本言語には詞句がある。それに加えて、語句があり、文句がある。文章で章句を持つ。文学には歌句、詩句、さらに俳句がある。長句、短句となると、表現である。
句(読み)く(英語表記)phrase
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
句
く
phrase
文法用語。言語単位の一つで,一般に,2つ以上の単語や付属形式が連結され,あるまとまった概念を表わし,そのままあるいは複合して文を構成するもの。英語では,2つ以上の単語がひとまとまりになって1個の単語 (いろいろの品詞に属する) に相当する作用をし,「主語+定動詞」を含まないもの。相当する品詞によって,名詞句 (例:how to swim) ,形容詞句 (water to drinkの to drink) ,副詞句 (at home) ,前置詞句 (in front of) ,接続詞句 (as well as) などに分けられる。
世界大百科事典 第2版の解説
く【句 phrase】
言語学の用語。単語が二つ以上つながったもので,全体としてまとまりを有するものをいう。ただし,従来通俗的には,そのようなもののうち,単語のあるもの(あるいはある品詞)と同じ機能を有するものをこう呼んできたようである。たとえば,名詞句(“a young lady”といったもの)とか動詞句といった呼び方が用いられている。もっとも,内部構造が文に類似しているものは〈節clause〉と呼ばれてきた。しかし,本質的にいうと,それと同じ機能を有する単語があるかどうかを句と呼ぶべきか否かの規準にすることも,内部構造の違いによって句,節といった区別をすることも問題がある。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版