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105 割愛の本義にそうならば

2013-04-23 | 日本語新百科
現代日本語「誤」百科 789  不必要なものを割愛する を、例題にしている。

ひもとく 日本「誤」百科 というコラムに、日本語新百科をこしらえようとして、日本語はどうなっているかと、日本語百科を書いてしまいました。コラムの著者には解説を簡潔に書いていくという制約があるでしょう。ご苦労を思いつつ、このようなブログを書くきっかけをくださって感謝いたします。

「誤」百科 788 不必要なものを割愛する  を、例題にしている。

よく出される例に、時間の都合で割愛します というのがあって、これを惜しいけれど時間が来たのでやめますという、ことわり文句だとするが、誰しもがそうは思わないことだろう。時間を守らないで延長して続けるようなことは時間管理からすれば不都合なことである。

だから、この文言をもって儀礼的にそこでカットするわけである。
きまりきったあいさつ言葉はそんなものだとわたしたちは心得ている。

割愛 の意味を調べて本来にあるのは、愛着を断つ、惜しいものを切り捨てるというような解釈は、このコラムの解説にあるように、不必要とは結びつかないとしての意味づけが行われる。
国語の世論調査でこの誤った考え方を広めることがあったりで常々あの調査で行われる解釈は困ったことだと思っているが、愛着はとらわれる心であり、切り捨てるのは煩悩であるから、割愛という表現が持つ意味をわたしたちは文に即して言えばよく承知して使っていると考えるべきである。

次は文化庁のページにある説明。

> 「割愛する」は,本来,惜しいと思っているものを,思い切って捨てたり省略したりすることを言います。「明鏡」が説明しているとおり,元々は仏教の用語で,人や物事に対する愛着の気持ちを断ち切ることを言いました。ですから,不必要なものを切り捨てる,又は,単に省略する,という意味ではありません。


割愛する - 文化庁
www.bunka.go.jp › 文化庁月報 - キャッシュ
>問1 「割愛する」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 惜しいと思うものを手放す,という意味です。
 「割愛」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
かつあい【割愛】 [名](1)愛着の気持ちを断ち切ること。思い切ること。(2)惜しいと思いながらも省略したり捨てたりすること。また,惜しいと思いながら,相手に贈ること。
「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)
かつあい【割愛】  惜しいと思いながら,思いきって捨てること。「文章の一部を―する」 △もと仏教語で,愛着の気持ちを断ち切ること。

この後に、さきの引用が続く。
明鏡の解説を引用してのことはそれでいいが、ですからとは、これでは何のことかわからない。



辞書にはこのようにある。

かつ‐あい【割愛】 [名](スル)
1 惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること。「紙数の都合で―した作品も多い」
2 愛着の気持ちを断ち切ること。恩愛や煩悩(ぼんのう)を捨て去ること。
「―出家の沙門、何ぞ世財をあらそはん」〈沙石集・九〉
[補説]1について、文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「惜しいと思うものを手放す」で使う人が17.6パーセント、間違った意味「不必要なものを切り捨てる」で使う人が65.1パーセントという逆転した結果が出ている。
割譲(かつじょう)  ⇒類語辞書で詳しい使い方を調べる

提供元:「デジタル大辞泉」

辞書がこぞって間違ったことを広めるようなもので、といってみて、わざわざ補説に書くのでこれもまた要注意である。


割愛する
割愛願い
ここで割愛します

それぞれ用法に違いがある。

煩悩や愛着を断つというのは仏道の修行からいえば不要なものととらえられたのである。

そちらでは惜しいことでしょうがそれを承知の上でのおゆずりをください、ということか、シンプルに認めろというようなものだ。

みなさんにはもう少しということでしょうが、うち切りますよ、と、一方的に行う切り口上だろう。。


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