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ことば
ことば、言葉と書くのは、こと について、植物の比喩とした表現である。こと は それぞれに、言林、詞華など、名をもっての用法がある。日本国語大辞典によると、万葉集には、七七四番歌に、......
ことば、言葉と書くのは、こと について、植物の比喩とした表現である。こと は それぞれに、言林、詞華など、名をもっての用法がある。日本国語大辞典によると、万葉集には、七七四番歌に、ももちたび恋ふといふとも諸弟らが練の言羽は我は頼まじ、大伴家持、という、言羽の表記がある。すでに、ことは として見える。次いで、古今和歌集の仮名序に、かくてぞ、花をめで、鳥をうらやみ、霞をあはれび、露をかなしぶ心、ことば多く、さまざまになりにける、と見える。ことばに、詞辞をあてて、詞、辞にはそれぞれ、言葉の日本語読みをしているが、>大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点〔850頃〕「此の蕪(あらき)辞(コトハ)を截てて其の実録を採らむ」 のようであり、さらには、詞書 ことばがき とする、歌集の説明部分に見える用法がある。