面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「いもりの黒焼き」 by紫亭京太郎 in落語Kタイム!

2008年08月25日 | 落語
8月25日(月)夜10時(翌火曜日朝10時再放送)
インターネットテレビ net channel KYO
「落語Kタイム」

今回は「いもりの黒焼き」にて、ご機嫌を伺います。
前回のご案内日記で、日記タイトルとご案内した噺が違っておりまして、失礼いたしました。

米屋の美人のお嬢さんに惚れた、ブサイク男の喜ぃ公。
知り合いの物知りに、女性の気を惹きつける“秘薬”を教わります。
それが「いもりの黒焼き」!
今でも古そうな漢方薬店に、「いもりの黒焼き」とあったりしますが、お店に入って
「いもりの黒焼きおくれ。」
と言って普通に出てくるものではなく、
「値は高こうついても構まへんから、ホンマもんの『いもりの黒焼き』をくれ!」
と言って、特別に出てくるものが強烈に効くそうで。
試してみた喜ぃ公、確かに!ムチャクチャ効いたのですがっ…!

いつものように「ほほぉ、こんな噺もあるんや」と興味をもっていただき、プロの話芸へ手を伸ばしていただければ幸いです。
大阪在住の皆さんには、ぜひ天満繁昌亭へ足をお運びいただければと存じます。

まずはごゆるりと、お付き合いくださいませ。

アクセスはこちらまで!

http://www.nc-kyo.com/

☆ ご覧の際に ☆
アクセスしてしばらく、何も映らない黒い画面が表示されることがありますが、しばらくすると音声と映像が流れますので、そのままお待ちください。

そうですね。

2008年08月24日 | 野球
「言える立場にない」=野球日本の不振にイチロー〔五輪・野球〕(時事通信) - goo ニュース


ひたすら残念という言葉しか出てこない、北京五輪野球チームだが、外野がどうこう言う筋合いのものではないし、何か言えるのは当事者だけである。
特に、同じ野球人としてプレーしている出場メンバー以外の選手達が何か言うこともできない。

とは言え、自分も含めて“外野”は好き勝手なことを結果論で言いまくるもの。
特にネットを通して今や『総評論家時代』の昨今、聞くに(読むに)堪えないヒドイものも多々ある中、帰ってくる選手団はシンドイことだ。

そういえばイチローは一回も五輪に出たことがなかったのだなぁと改めて認識したニュース。


はい、その通りでしょう。

2008年08月23日 | 野球
金メダル消え、ぼうぜん=星野監督「おれの責任」〔五輪・野球〕(時事通信) - goo ニュース


結局、正式種目になってからというもの、ついに金メダルを獲れないまま、オリンピックの野球は終わった。
非難を承知で書くが、星野監督のコメントのとおり。
選手の選定から起用まで、「星野流」が際立った結果の敗退ではないだろうか。

ケガをしてパンク寸前の足を抱えて北京へ渡った川崎は、「星野流」の選手選定の代表だ。
案の定本戦では戦力にならず、結果として、日本が目指していたはずの“つなぎの野球”が満足に機能せず、最後まで打線は不調から脱することができなかった最大の原因と言えまいか。

日本でも今シーズン、連打されてゲームをひっくり返されるシーンを度々繰り返し、これまでのキレと絶対的信頼感が薄くなっていた岩瀬。
ここまでの本戦でも失点を重ねて、素人目にはとても本調子とは思えなかった。
予選最終戦でも、初体験のタイブレーク制とはいえメッタ打ちをくらったばかりにも関わらず、またしてもこの大事な試合の重要な場面で突っ込んできた起用は、さすがに疑問符を付けざるをえない。
この試合でも先頭打者にいきなりヒットを許したが、やはり岩瀬らしい球のキレが無く、全体的にベルト付近の高さに球が集まっていて、コントロールも今ひとつ。
日本でもあまり打たれていた記憶がなく、北京でも不振をかこっていたイ・スンヨプに一発かまされたのもいたしかたなし。
これは決して岩瀬だけの責任ではなく、明らかに起用した方が悪い。

もう一点、ピンチを迎えると相変わらず圧倒的に外角への配給が増えるて単調になる矢野の「無難なリード」。
タイガースでの試合でもそうだが、投手に圧倒的な力強さが無い限り、彼のリードの癖がでると苦しい展開になる。
しかもこの試合の球審は、外角低めへの判定が辛めだったから尚更だ。
結果、8回の大量失点につながったと言える。
それにしてもなぜこの大事な試合で、打撃力もあり、国際試合の経験も豊富な里崎を起用しなかったのか。
タイガースファンではあるが、このオリンピックにおける矢野の役割は、ブルペンとベンチとの連携であり、試合での活躍は期待していなかった。
星野監督もそこを期待して連れて行ったのではなかったか?

そしてここぞという場面でヘタレぶりを見せてくれるGGは、もうエエぞ。
村田も森野も同様だ。

日本中に感動をもたらしたオリンピック予選。
激戦を勝ち抜き、苦労を共にしたメンバーをできるだけ連れて行こうとした選手選定と、監督の“思い”に応えられないコンディションに目をつぶったかのような采配が、金メダルに届かなかった最大の原因だと考える。
オリンピック本戦を通じて、名将と呼ばれながらも結局日本一にはなれなかった西本幸雄
と星野監督がダブって見える。
長いシーズンには大きな戦力ともなる“情”は、短期決戦では諸刃の剣となり、そして国際試合では通用しないのかもしれない。
更に言えばこの韓国戦は、勝てば兵役が免除される選手が死に物狂いで向かってくる韓国チームのモチベーションの前に、ハングリーさに欠ける選手の意識と情実采配に溺れた日本チームは歯が立たなかったということではないだろうか。

女子ソフトボールチームの感動を目の当たりにした後だけに、余計に野球チームの不甲斐無さが際立つ。
何千万、何億という給料をもらっている日本選手諸君には、せめて銅メダルくらい持って帰ってもらわねば。


「少林老女」

2008年08月22日 | 映画
郵便局員の岡本一平(上島竜兵)が、書留を届けに“小林”という表札のかかった一軒の家を訪ねるが返答がない。
扉に手をかけると鍵がかかっていない。
「入りますよー。」
声をかけながら家の中に入ると、廊下に一人の老女が倒れていた!
驚いてあがり込み、老女の様子をうかがうと息をしていない様子。
急いで110番に電話すると、警察が家へ到着するまでその場に留まっているように指示される。
仕方なく居間で待つことにした岡本の足元に、一本の巻物が落ちていた。
暇つぶしに読んでみると、それは倒れている老女・小林美代子(浅見千代子)が自分で書いた、衝撃的な自叙伝であった…

人里離れた山奥の寺で、最強の少林寺拳法をマスターした“少林老女”が巻き起こす、驚天動地の物語。
主演の“少林老女”には、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」で“キスおばちゃん”“腰ふりおばちゃん”で人気の浅見千代子。
パンチパーマの頭に無表情の“いつもの”キャラクターそのままに繰り広げられるユルユルのアクションは正に“笑”撃的。
ワイヤーアクションもあり、跳んだり跳ねたり頑張っているのだが、観ているこちらは脱力するから不思議だ。

“少林老女”美代子は、劇中で一言もセリフを発しない。
アクション同様に緩くぎこちない表情の変化で心境を表し、更なる脱力感を生む。
そして2巻、3巻、4巻と続いていく自叙伝のうち、丸々一巻を潰し、前後にも記述されている「愛欲の日々」は圧巻!
久しぶりに涙が出るほど笑った。

ぶっちゃけ、全編を通して「ガキ使」のコントを観ている気分。
しかし、松本人志の「大日本人」より、はるかにキチンと“映画化”されているので、観ていて“安心感”がある。
大阪は九条のシネ・ヌーヴォXで観たのであるが、1500円払ったなあ…と、感慨に浸りながら劇場を後にした。

脱力系映画の最高峰作品。
今年のナンバーワンとして、年末までこれを超えるものは出ないだろう。
いや、金輪際出ないかも!?
(「金輪際」の使い方が何かおかしい気もするが…)


少林老女
2008年/日本  監督:寺内康太郎
出演:浅見千代子、長澤奈央、仙波和之、漆崎敬介、矢崎まなぶ、千太郎、太地琴恵、上島竜兵

見に行きたかったものである。

2008年08月21日 | ニュースから
伊良部元投手を釈放 神妙に「申し訳ない」(共同通信) - goo ニュース


元タイガースの伊良部が、昨夜、大阪はキタで飲んでいて暴れて、警察のごやっかいになったという。
しかもそれが、現在の職場からホン近所でビックリ!

テレビのニュースでも報道されていたが、警察署を出てくるときはさすがにいつものふてぶてしい表情は無く、神妙な面持ちだった。
ガールズバーで、ビールをジョッキ20杯も飲んでグテングデンの状態で、支払の際にカードが使えないと言われてブチギれたとか。
めちゃくちゃになった店内がテレビに映し出されていたが、お店からすりゃ、とんだ災難だ。

一晩ブタ箱に放り込まれ、今日釈放されたそうだが、その警察も歩いてなんぼも距離は無い。
知ってたら見に行ったのに!
(仕事せぇ!)


「片腕マシンガール」

2008年08月20日 | 映画
女子高生のアミ(八代みなせ)は、両親が殺人犯の濡れ衣を着せられて自殺し、たった一人の弟ユウ(川村亮介)と二人で、身を寄せあって暮らしていた。
ある日、そのユウが友人と一緒にビルから転落死した。
警察は自殺と断定したが、納得がいかないアミは服部半蔵の血を引くというヤクザの息子・翔(西原信裕)をリーダーとする不良グループによる陰惨なイジメにより、“殺された”ことをつきとめる。
アミは、ユウの残した“殺したいやつ”ノートを元に復讐を誓うが、逆に捉えられ、拷問にかけられる。
片腕を切り落とされてしまいながらも、復讐に燃える執念で何とか脱出に成功したアミは、同じく息子を失った母親・ミキ(亜紗美)の元へ転がり込んだ。
復讐という共通の思いを胸に、心を通わせた二人を見て、ミキの夫・スグル(石川ゆうや)はアミに協力を申し出た。
「俺が新しい腕を作ってやるよ。鋼鉄の腕をな!」
ヤクザの追っ手に奪われたスグルの命と引き換えに得たマシンガンを腕に装着し、アミはミキとタッグを組んで、復讐に向けて逆襲を開始する…!

セーラー服を着た女子高生が、片腕に装着したマシンガンをぶっ放し、陰湿なイジメを繰り広げているグループのメンバーを次々に“破壊”する血みどろのオープニング。
映画が始まったが最後、観客は「エロ・グロ・ナンセンス」の世界をイッキに駆け抜けていくことになる。
(「エロ」というほどのエロはありませんが)
「硫黄島からの手紙」の自決死体はもちろん、ヴィム・ベンダースを超えんばかりの“人体破壊映像”が圧巻。
女子高生の左腕がてんぷら粉をつけられてカラッと揚げられたり、大事なヤクザの大親分の一人息子に“ソソウ”をして指を“詰め”させられた板前が自分の指をネタにした寿司を食わされたりと、笑えるような笑えんような残酷シーン満載。
荒唐無稽を極めたストーリー展開は、タランティーが地団駄踏んで悔しがるのではないか!?
「俺が撮りたかった!」と。

「グラインド・ハウス」の王道を行く本作は、言い方は失礼ながら、いわゆる「メジャー」な監督では撮れない類の作品。
あまりにもグロ度とナンセンス度が高すぎて、物議をかもすだろうからねぇ。
イグチー監督には、これからもこの路線を極めてもらいたいもの。
世界各国から評価されつつある、ワールドワイドに「B級映画」の覇道を狙える逸品。

※グロテスクと道義を逸脱する場面に耐えられない方はご遠慮いただいた方がよろしいかと…


片腕マシンガール
2007年/日本=アメリカ  監督・脚本:井口昇
出演:八代みなせ、亜紗美、穂花、島津健太郎、デモ田中、諏訪太朗

最低ラインキープ。

2008年08月20日 | 野球
日本、中国を投打に圧倒〔五輪・野球〕(時事通信) - goo ニュース


4対0とリードしていた試合途中から見ていた。
まだまだ野球に関しては“発展途上”の中国相手にコールド勝ち。
言っちゃあなんだが当り前の結果。
打撃陣にとってバッティング練習のような試合となった中で、村田、森野は蚊帳の外という雰囲気。
この試合で調整して、自分の打撃の調子を上げてもらいたかったのだが…

全勝同士の対決となったキューバ・韓国戦は、韓国が勝利して1位通過が確定したという。
決勝トーナメントは、明日のアメリカ戦次第で組み合わせが変わるが、これがまた何とももどかしい。
勝てば3位通過で、初戦がキューバ戦。
負ければ4位通過で、初戦が韓国戦。
決勝戦への確率を考えたとき、初戦はキューバとやるよりも韓国相手の方が気が楽なのは自分だけだろうか。
金メダルを取るには必ずキューバを倒さなければならないわけで、あとは選手のモチベーションと集中力次第であり、我々“外野”がとやかく言うものではないのであって。
まあ、明日のアメリカ戦次第のことであり、アメリカに負けてもまだ大丈夫と思えることを良しとしておくか。
(何様や!?)


「いもりの黒焼き」 by紫亭京太郎 in落語Kタイム

2008年08月19日 | 落語
8月19日(月)夜10時(翌火曜日朝10時再放送)
インターネットテレビ net channel KYO
「落語Kタイム」

本放送が終わってしまってからの告知に!
しかし、朝10時より再放送がございますので、ぜひぜひご覧ください!!

ということで、この度は「ろくろ首」にて、ご機嫌を伺います。
やもめのところへ持ってこられた縁談は、婿養子の勧め。
相手は美人で人柄もよく、申し分のない大店のお嬢さん。
ところが、このお嬢さんには一つだけ、とんでもなく大きな欠点が…

いつものように「ほほぉ、こんな噺もあるんや」と興味をもっていただき、プロの話芸へ手を伸ばしていただければ幸いです。
大阪在住の皆さんには、ぜひ天満繁昌亭へ足をお運びいただければと存じます。

まずはごゆるりと、お付き合いくださいませ。

アクセスはこちらまで!

http://www.nc-kyo.com/

☆ ご覧の際に ☆
アクセスしてしばらく、何も映らない黒い画面が表示されることがありますが、しばらくすると音声と映像が流れますので、そのままお待ちください。

孤独死の1事例

2008年08月18日 | ニュースから
座いすに座ったまま数年? 民家に白骨遺体 栃木(朝日新聞) - goo ニュース


長男と同居していたという老女が、白骨死体として発見されたという。
とても同居してたとは思えない。
白骨化していく過程で、強烈な悪臭がして、とても家にいてられないはず。
これがホンマに“同居”していたとしたら、この長男は痴呆症か精神的に異常をきたしているとしか思えない。

フツウに考えると老女は独居状態になっていたとしか思えないが、本件の場合は「長男と同居」と認識されていたために、いわゆる“孤独死”すると誰にも発見されないという悲惨な状況が生まれてしまう。
今後…いや、既に全国で同様のケースは起こっているのではないだろうか。

どうしたら防げるか?妙案が思い当たらない悲惨なニュースである…


「落語娘」

2008年08月17日 | 落語
末期ガンでベッドから離れられない落語好きの叔父の、もう一度寄席に行きたいという願いを果たすべく、香須美(子役・藤本七海)が病室で落語を演じたのは12歳のときだった。
泣きながら喜んでくれた叔父に、「絶対、真打になる!」と落語に目覚めて以来、高校、大学と落研で“修行”を積んだ香須美(ミムラ)。
大学の落研では学生コンクールを総ナメにし、卒業と同時に憧れの噺家・三松家柿紅(益岡徹)に入門を請い、亡くなった叔父に披露した思い出の噺を演じてみせる。
ところが柿紅は、
「落語に個人的な思い入れは無用。結局、あなたは女性なのです。これは何を稽古したところで無駄。」
と言い放ち、香須美の入門を認めない。
ショックに呆然とする香須美だったが、
「噺家は男じゃなきゃいけねぇなんてストイックな考えはな、俗を知ろうとしねぇ独り善がりの思い込みよ。」
と助け舟を出してきた落語界の異端児、三々亭平佐(津川雅彦)に拾われる。

こうして、晴れて落語家の仲間入りを果たした香須美だったが、前座修行は芸や落語界の仕来りを学ぶ厳しさだけでなく、セクハラの嵐にも見舞われ、散々な日々を送っていた。
しかも師匠の平佐は、テレビ中継で次期首相候補の大物議員の首を締めるという暴挙に出て、テレビ出演はおろか寄席にも出入り禁止をくらっての謹慎中。
一度も稽古をつけてくれないばかりか、ソープランド代を香須美にたかる始末。

それでもめげずに頑張る香須美の元へ、久しぶりに落研の後輩・清水(森本亮治)がやって来る。
そして、マスコミに就職している清水から、平佐がTV局の企画に乗り、これまで演じた者が必ず命を落としてきた禁断の演目「緋扇長屋」に挑むという情報を得る。
むちゃくちゃなオッサンでも師匠は師匠。
心配する香須美だったが、平佐は“平気の平左”とばかり彼女を連れて、「緋扇長屋」の原稿を持つ最後の演者の未亡人・石田登志子(絵沢萌子)のもとを訪れた。
そこで登志子が経験した不思議な話を聞かされ、香須美は益々心配になるが、平佐は原稿を受け取る。
そしてその夜、登志子の家に泊めてもらった二人は、不気味な体験をすることに…

「緋扇長屋」とは、どんな噺なのか?
なぜ、演者が次々を怪死を遂げてしまうのか?
平佐はこの禁断の噺を、無事に演じきることができるのか?
そして香須美の将来は…?

「噺に対する個人的な思い入れは無用」という意見は、ある意味正しい。
個人的な思い入れは、えてして独り善がりな独善となり、それが無用の“演出”につながって、噺の本質を失わせることになる。
しかし、演じ手の思い入れが無い噺は、相手には伝わらない。
香須美の「景清」を、まんざらでもないと評した平佐と、「思い入れは無用」と切って捨てた柿紅とは、確かに“根本のところ”で違っている。
計算し尽した演出で、プロとしての“演技”(わざ)で、その噺が持つ本質を観客に伝えようとする柿紅。
“くだらないざれ言”に命を吹き込むのが噺家の役目という平佐は、噺の登場人物に息吹を与えることで、その噺が持つ面白さを観客に伝えようとする。
二人は、アプローチの方法は違えども、落語が愛しくて仕方がなく、噺の“心”をいかにお客の心に届けるかに腐心している点は共通している。
だからこそお互いを認め合い、若手のテイタラクに心を痛めているのだ。

最後に、これはごく個人的な、本作についての“思い入れ”であるが…。
香須美の携帯着メロは出囃子「たぬき」。
狸爺な師匠を持つ彼女にはふさわしいもので、思わずニヤリとしてしまった。
そして師匠の“狸ぶり”に開眼した香須美は、一皮向けて、独自の落語の世界を切り開いていく。

誰にも負けない落語に対する情熱を胸に、破天荒ながらも懐深く温かく師匠に見守られながら落語家として成長していく香須美。
封印された落語「緋扇長屋」に、落語家生命を賭けて挑む平佐。
大きな2つの主題をうまく融合させ、師弟の心の交流を描きながら、「禁断の落語」の謎が解き明かされていく展開に引き込まれ、物語の世界にドップリ浸ることができる傑作。
「12人の優しい日本人」や「櫻の園」など、登場人物の心の機微を描くことに長けた中原俊監督の手腕が冴えわたる。


落語娘
監督:中原俊
出演:ミムラ、津川雅彦、益岡徹、伊藤かずえ、森本亮治