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中高一貫校のシラバス

シラバスというのは、授業予定とかカリキュラムという意味です。中学、高校で何を勉強するか、ということは指導要領で決まっているわけですが、その進め方はいろいろありえるわけで、それをどう進めるかを決めるのがシラバスです。

中高一貫校は、6年間の一貫教育ですから、その分どういう構成で授業を進めるか、ということが非常に重要になるわけですが、しかし、この決め方は大きく分けて2つあります。

ひとつは学校が全部決めてしまう。

これは最近の受験校では多いだろうと思います。こうなるとおおむね以下のようなプランになる。

中1から中2で中3までの指導要領を終える。

中3で高1 高1で高2、と1年ずつ前倒しすると、高2で高校の指導要領は全部終えることになりますから、高3は大学受験の演習を中心に進めることができる。これは6年一貫だからやりやすいことです。これが高校だけだとすると、3年のカリキュラムを2年で終えるのは難しい。しかし6年の過程を5年で終えることはそれほど大変ではない。

以前ゆとり教育で中学のカリキュラムが一気に縮小されたことがあって、それで中学がある意味スカスカになったので、ここを圧縮する方式が考えられたわけです。

もうひとつは、教員に任せる。

土台指導要領があるわけだから、その意味ではガイドラインが決まっているので、先生の進め方で決める。もちろん教科の会議などで決める場合もあるでしょうが、基本的には先生任せにする。大学方式といえるかもしれません。

この違いは、ある意味学校の風土とか、スクールカラーによるところが大きいのではないかと思います。自由に生徒を扱う学校は先生も自由に扱う、という面があります。だから、先生に任せる。ところが、先生は大学受験ばかりを考えるわけではありません。

教科を好きになるにはどうするか?

学問に興味を持つにはどうするか?

ということを考えながら、授業を進める。結果として、たとえば日本史が奈良時代だけになってしまう、ということが起きるわけです。

ところが、大学受験で奈良時代だけでる大学はありません。だから通史はもう一度自分でやり直さなければならない。

これが無駄だ、と考える保護者が増えているそうです。

大学受験に向けて、塾のように授業をやってほしい。

塾にもクレームが多いが、実は最近私学にもクレームは多いんだそうです。

何のために学費を払ってるんだ、とまあ、こんなことになっているらしいのですが。


最近は、管理型が人気なのもこの流れに沿っている、ということなのでしょうが、しかし、教員が中心にシラバスを決めている学校は、やはりそれなりに自由な風土やスクールカラーがあるせいか、子どもたちものびのびしているところがあり、最終的には

勉強は自分でやるものだ

という感覚で受験に向かっていくことになります。

何も全部が全部お膳立てをしなくとも、子どもは向かうべきところに向かっていく、ということではないかと思うのですが。

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