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算数の応用力をつけるためには

上位校の問題を解いてみると、やはり一筋縄ではいかない難しさを感じます。

先生方が1年間かけて、じっくり作られてきた問題ですから、さすがに良くできている問題が多い。グラフを書いてみたり、補助線を入れて分割したり、はたまた、移動させて組み合わせてみたり。

いろいろな方法を考え、試して問題を解くように作られています。

最初、算数は基礎の勉強をする。例えばつるかめ算を習う。あるいは差集め算を習う。それがそのまま一行問題で出されることもあるが、そういう道具をいろいろ使って解いていく問題の方が圧倒的に多いのです。

こういう力をどうやってつけていけばいいのか。

実はじっくり考えることにポイントがあります。ひとつの問題をじっくり考える。図形を書いて、はさみで切って、組み合わせてみる、ということをやってみてもいいかもしれない。あるいは粘土で立体を作ってみて、実際に切ってみる、ということがあってもいいでしょう。そういうことを経験することによって、実際にやらずとも、頭の中でやがて組み立てられるようになる。

ところが、今の塾の勉強はそうではありません。

どちらかといえば、たくさんの問題を短時間で解くことばかりを要求される。これは塾の授業日数が多いからです。家庭で勉強するのが難しいと感じるから、親は面倒見の良い塾がよいというので、塾に出す。

そうなると、塾は時間を使って勉強させなければならないから、多くの問題を出して子どもたちに解かせることになります。

ところが課題はそれぞれに違う。わからない問題は子どもによって違うから、本当はそれをじっくり自分でやり直す時間が必要なのです。しかし、一斉に勉強をさせるから、塾でその時間がないまま、たくさんの問題を解けば、できる問題はできて、できない問題は相変わらずできない、という状況が起こりやすくなるのです。

塾の授業日数を比べてみてください。

結果が出ている塾が「授業日数が多い塾」ではないことに気が付かれると思います。もちろん、そこで自分で課題を克服しなければ、成績は伸びない。ただ、一生懸命時間をかけて勉強しているのに、成績が上がらない、あるいは合格できない、というのは、実はこういうところに理由があるように私は思います。

以前数学の大家とお話をしたとき、こんな話をされていました。

「学生の時に、数学の難問を解くとなかなか解けません。それで、その問題をカードに書いて、ポケットにいれておく。ふと思った時に、そのカードを見返して、また考える。その繰り返しです。するとふと風呂に入っているときに、思いついたり、学校の帰りに電車の中でヒントを見出したりするのです。そうやって数学というのは、力をつけていくものです。たくさん、解けばいいというものではない。解ける問題は、何回繰り返しても解けるのだから、それはそれでいいのです。問題は解けない問題。それをウンウンうなって解いていく過程で、問題を解く力はついていくのです。」

そういう時間がどれだけとれているか、今のお子さんの勉強を振り返ってみてください。もし、そんな時間がとれていないとすれば、結果は見えていると思うのですが。

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